タ
株式会社タウンズ
TAUNS Laboratories, Inc.
186億円売上高(FY2025)
40.7%ROE
47.7%自己資本比率
87財務健全性スコア
KEY METRICS
主要財務指標
FY2025の売上高は186億円(前年比+1.0%)。営業利益は83億円(営業利益率44.4%)、当期純利益は63億円。総資産365億円に対し自己資本比率は47.7%、ROEは40.7%。医薬品の中央値(ROE 5.9%)を上回る水準。営業キャッシュ・フローは68億円の創出、現金及び現金同等物は93億円。従業員数は316人。直近のFY2026中間期は売上高83億円(前年同期比-30.9%)、純利益21億円。
開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。株価(終値)504円2026-09-04
PER8.1倍
PBR2.98倍
配当利回り5.56%
時価総額(概算)518億円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。売上高186億円+1.0%
営業利益83億円+2.9%
当期純利益63億円+9.4%
総資産365億円
純資産174億円
営業利益率44.4%
ROE40.7%
自己資本比率47.7%
EPS62.1円
BPS169円
1株配当28円
配当性向45.1%
従業員数316人
INDUSTRY POSITION
業種内のポジション
ROE40.7%中央値 5.9%
営業利益率44.4%中央値 7.9%
自己資本比率47.7%中央値 65.4%
健全性スコア87.0点中央値 65.0点
帯は医薬品(30社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。
FINANCIAL HISTORY
業績推移
資産
負債・純資産
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 総資産 | 純資産 | EPS | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 186億円 | 83億円 | 82億円 | 63億円 | 365億円 | 174億円 | 62.1 | 40.7% | 47.7% |
| FY2024 | 184億円 | 80億円 | 78億円 | 58億円 | 293億円 | 137億円 | 57.7 | 52.2% | 46.7% |
| FY2023 | 157億円 | 50億円 | 50億円 | 30億円 | 183億円 | 85億円 | 30.4 | 38.3% | 46.3% |
| FY2022 | 175億円 | — | 112億円 | 45億円 | 203億円 | 74億円 | 44.8 | 74.6% | 36.3% |
| FY2021 | — | — | -54百万円 | -55百万円 | 103億円 | 47億円 | -0.6 | -1.2% | 45.3% |
| FY2020 | — | — | -10百万円 | -11百万円 | 106億円 | 47億円 | -0.1 | -0.2% | 44.4% |
営業CF68億円
投資CF-93億円
財務CF23億円
現金及び現金同等物93億円
MAJOR SHAREHOLDERS
大株主
| 順位 | 氏名・名称 | 持株比率 |
|---|---|---|
| 1 | CITIC CAPITAL JAPAN PARTNERS Ⅲ, L.P.(常任代理人 大和証券株式会社) | 40.5% |
| 2 | 野中 雅貴 | 26.7% |
| 3 | 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 1.7% |
| 4 | 野村信託銀行株式会社(投信口) | 1.2% |
| 5 | BBH LUX / BROWN BROTHERS HARRIMAN (LUXEMBOURG) SCA CUSTODIAN FOR SMD-AM FUNDS-DSBI JAPAN EQUITY SMALL CAP ABSOLUTE VALUE(常任代理人 株式会社三井住友銀行) | 0.6% |
| 6 | 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.6% |
| 7 | 楽天証券株式会社 | 0.4% |
| 8 | SOCIETE GENERALE PARIS / BT REGISTRATION MARC / OPT(常任代理人 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社) | 0.3% |
| 9 | MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFJ証券株式会社) | 0.3% |
| 10 | CCJP Ⅲ CO-INVESTMENT, L.P.(常任代理人 大和証券株式会社) | 0.3% |
INTERIM RESULTS
中間期の業績(半期報告書)
| 中間期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 | 自己資本比率 | EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2026中間(〜2025-12-31) | 83億円 | 33億円 | 31億円 | 21億円 | 39.3% | 39.4% | 19.9 |
| FY2025中間(〜2024-12-31) | 120億円 | 65億円 | 65億円 | 47億円 | 54.6% | — | 46.4 |
半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。
HUMAN CAPITAL
人的資本
平均年齢38.9歳
平均年間給与821万円
平均勤続年数5.9年
管理職に占める女性比率15.8%
男女の賃金の差異(全労働者)53.7%
男女の賃金の差異(正規雇用)66.7%
提出会社(単体)ベースの開示値です。
REMUNERATION
役員報酬
| 役員区分 | 報酬等の総額 | 員数 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外取締役を除く) | 72百万円 | 3 | 24百万円 |
| 監査役(社外監査役を除く) | 8百万円 | 1 | 8百万円 |
ANNUAL REPORT TEXT
有報本文
事業の内容3,837字
3【事業の内容】 当社は感染症臨床検査用の抗原検査キットメーカーとして、創業以来30年以上の長きにわたり、さまざまな分析技術を応用した体外診断用医薬品等を製造し、国内を中心として海外にも販売しております。高品質な製品と顧客サービスを提供する企業として、医薬品卸売販売業者を通じてエンドユーザーとして病院及び開業医のみならず、WHO等の国際機関、研究機関やバイオベンチャー企業等にも製品を提供し、事業活動を行っております。 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 当社主力製品は、イムノクロマト法※を利用することで、特別な装置を必要とせず患者のそばで迅速な診断を可能な抗原検査キットであります。他の検査手法としては例えばPCR検査が挙げられますが、PCR検査は検出する対象が核酸であるため、イムノクロマト法を利用した抗原検査キットの検出対象であるウイルスタンパク質とは性質が異なり、また検査の特性・目的も異なります。判定時間・手技の簡易さ・検査コスト等の観点から、当社は感染症検査のマーケットのニーズには、イムノクロマト法を利用した製品がより適していると考えております。 ※ イムノクロマト法:この方法を利用した代表的な検査薬としては、薬局等で広く販売されている妊娠診断薬が挙げられます。この検査法のおおまかな原理は、以下のとおりになります。①テストプレートの試料滴下部に検体を滴下すると、検体はテストストリップへ浸透します。検体中の標的抗原は、コロイド等に標識された標識抗体との反応が始まります。この標識抗体は、標的抗原に対して特異的に結合する抗体を使用しております。②標的抗原と標識抗体を含む溶液はメンブレン内を毛細管現象により展開しながら、さらに標的抗原と標識抗体との反応が進みます。③標識抗体と反応した標的抗原の複合体は、メンブレン上に固定化された抗体(判定ライン)と標的抗原が反応し標識抗体と標的抗原の複合体が捕捉されます。この結果、判定ライン上に標識物が集積しラインとして目視判定が可能となります。④標的抗原と反応しなかった標識抗体は、標識抗体認識抗体(コントロールライン)と反応し、標識物が集積しラインとして目視判定が可能となり、検査が正常に機能したことを示します。陽性であれば2本のライン、陰性であれば1本のラインが出現、出現したラインを目視で確認するだけの簡便な検査法であります。 <イムノクロマト法の原理> ※ 各部の名称:テストストリップは標識抗体を含むパット部から吸収パッドまですべての部材を含むものを指しております。①検体滴下部では、滴下した標的抗原と抗体が結合する反応が起こります。メンブレンは図中のとおり、検体と標識抗体が展開される部位を指します。また、図の下段で示しているとおり、図①~④の一連の反応が起こるテストストリップはプラスチック製のカバーで覆われますが、これらを総合してテストプレートと呼びます。 当社の製品の特長としては、以下の事項が挙げられます。検体抽出液の共通使用検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVで共通使用が可能 検体抽出液の共通化の大きなメリットは、1回の検体採取、1回の抽出操作で、複数項目を検査できる点にあります。新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症の診断においては鼻咽頭ぬぐい検体が使用されますが、検体採取において鼻咽頭部(鼻腔の最奥)までスワブを挿入する必要があり、軽微ながらも痛みを伴うことがあります。検体採取を一度で完了させることができることは、被検者と医療従事者双方において検体採取における負担が軽減され、また業務効率の観点からも有益であると考えております。ブラックライン独自開発のナノテクノロジー「白金-金コロイド」採用により判定ライン・コントロールラインを視認性の高いブラックラインで表示 他社イムノクロマト法製品においては、標識物が金コロイド粒子又はカラーラテックスが主流となっておりますが、当社は独自の白金―金コロイド粒子を用いております。当社技術の白金―金コロイド粒子を用いると判定ラインは黒色となりますが、金コロイド粒子では赤紫色、カラーラテックスでは主に赤色と青色となります。従来技術の色調と比較し、当該技術を用いた黒色のラインは背景となるメンブレンの白色とのコントラスト差が大きくなるため、判定ラインの視認性が高くなると考えております。 ユーザーからは、当社製品の使用感として、①独自のブラックラインを用いた判定ラインの見易さ(視認性)、②診断の正確性(感度・特異度)、③キットに同梱されている綿棒(コパン社製)の使いやすさと患者に対する侵襲性の低さ、④高感度を保ったうえでの判定時間の短さ、が主に評価され、これらの理由から当社製品を選択頂いているケースが多いものと認識しております。 当社の主な製品は、以下のとおりであります。製品名一般的名称製品の特長イムノエース®Fluインフルエンザウイルス抗原検査キット・判定時間※は5分(陽性は3分から判定が可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・アデノ・hMPV・RSV Neoと共通使用が可能イムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ新型コロナウイルス抗原検査キット・判定時間は10分(陽性は10分より前でも判定部[T]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®Flu・アデノ・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能イムノエース®SARS-CoV-2 Saliva新型コロナウイルス抗原検査キット・唾液を検体とした抗原定性検査キット・判定時間は20分(陽性は20分より前でも判定部[T]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)・判定ラインはブラックライン・スワブによる侵襲がなく、くしゃみによる飛沫発生もないイムノエース®SARS-CoV-2/Flu新型コロナウイルス抗原検査キットインフルエンザウイルス抗原検査キット・SARS-CoV-2とFluを同時に検査・判定時間は15分(陽性は15分より前でも判定部[T]又は[A]又は[B]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース® アデノ・hMPV・RSV Neoと共通使用が可能イムノエース® アデノアデノウイルス抗原検査キット・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能イムノエース®Strep A NeoA群β溶血連鎖球菌抗原検査キット・判定時間は5分・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用イムノエース®hMPVヒトメタニューモウイルス抗原検査キット・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用・検体抽出液は(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能イムノエース® マイコプラズママイコプラズマ抗原検査キット・判定時間は15分(陽性は5分から判定が可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用・取り違い防止のため、アルミシールにMycoと印字し、紫に着色した検体抽出液容器(本体及びノズル)を採用イムノエース®RSV NeoRSウイルス抗原検査キット・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)・判定ラインはブラックライン・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・hMPVと共通使用が可能イムノエース® ノロノロウイルス抗原検査キット・判定時間は10~15分・判定ラインはブラックライン・滅菌済みスポンジスワブを採用・検体抽出液容器の取り違い防止(検体抽出液容器・ノズルを淡橙に着色)を採用・スワブ輸送用チューブを付属※ 判定時間:各キットで定められた陽性・陰性判定を実施する時間のこと。通常、抗原検査キットにおいては陰性であることを確認(判定)することで本検査を終了しております。キットによっては判定時間まで待つことなく陽性判定を行うことができ、このような場合は判定時間に関わらず陽性判定できます。 [事業系統図]
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等6,205字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、「私たちタウンズは、独自の体外診断用医薬品により、人々の生活に安心と潤いを届けます。そのために、技術・知識を集積し、新たな製品の開発、品質改善に取り組み続けます。」を経営理念としており、より良い製品を世界に向けて発信し続けることを方針としております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、体外診断用医薬品の競争力を強化し、業績を向上させていくことが重要であると認識していることから、中期経営計画策定に当たり重視している経営指標は、売上高、営業利益、当期純利益、営業利益率、EBITDA及びROEとしております。 (3)経営戦略等 当社は、「診断技術で、安心な毎日を。」をコーポレートスローガンとして、世界の安心な毎日を創るために、感染症POCT※1分野において、創業以来30年以上の長きにわたり、多くの製品を開発・販売し、世界に向けて高品質な製品の提供を目指しております。2020年10月に新型コロナウイルス抗原検査キットの製造販売承認を得て「イムノエース®SARS-CoV-2」の販売を開始する等、現状においても国内のPOCT市場を牽引していると自負しております。今後に向けては、新たな事業の柱を築き更なる高付加価値企業となるべく、以下の戦略を推進しております。 ① 新たな検査技術の開発 当社は、既存のイムノクロマト法に加えて、高付加価値な次世代の検査技術の開発に取り組んでおります。 開発中のD-IA(デジタルイムノアッセイ)※2は、抗原検査キットと同等の簡易な操作性でありながら、ラボレベルの検査にも比肩し得る高い精度の検査を、小型かつ安価な装置で迅速に実施できることが最大の特長であります。 チップ型の試薬装置に検体をセットすれば同時に最大で20検体を検査でき、例えば2名分の検体を最大10項目同時や、4名分の検体を最大5項目に検査したり(例えば風邪症状の患者の検体を、新型コロナ、インフルエンザ、アデノウイルス、溶連菌、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス等複数の呼吸器検査項目を同時に検査することや、性感染症疑いの患者検体を、HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎等複数項目を同時に検査することが可能)、あるいは1項目であれば最大20名分を同時(例えばクリニックの繁忙期や、大量の検査を日常的に実施する検査ラボにおいて、同時に20名分の検査を行うことで検査の効率化・迅速化に貢献)に検査する等、さまざまな使い方が想定できます。また定性検査のみならず、定量検査も可能であります。当社はD-IAにより、POCT検査を質的にも量的にも進化させ、クリニック環境においてラボレベルの検査を簡易に行えるようにすることを目指しております。 D-IAの他にも新たな抗体取得技術による高性能な抗体の創出など当社の技術基盤を強化する取り組みに注力しております。また、体内の免疫細胞状態を解析するアプローチや、ゲノミクス、エピゲノミクス、マイクロバイオームなどの新たな診断技術への投資を通じて、マルチオミクスな検査サービスの提供を目指しております。 ② 慢性疾患領域への進出 当社は、血中の亜鉛濃度を測定して亜鉛欠乏症の診断を行う「アキュリード 亜鉛」を皮切りに、慢性疾患分野への進出に取り組んでおります。具体的には、免疫プロファイリング※3を活用した血液検体によるがんのコンパニオン診断※4、POCTによる慢性疾患のリキッドバイオプシー※5検査、簡易尿検査システムによる腎疾患検査、イムノクロマト法による歯周病検査キット等、様々な製品の開発を進めております。 ③ 予防・未病領域の開拓への取り組み 当社は、予防・未病領域への取り組みとして、低侵襲※6に取得できる検体を用いたホームテストの活用とそこから得られる健康情報の解析や、各医療機関と連携した検体データベースの構築に向けた準備を進めております。それらを活用することで、新たなバイオマーカーの発見や、予防・未病領域向けの新たなPOCTの開発に繋げていきます。 ④ 海外展開 当社の海外展開は、短期的には既存製品を取扱う各地域の代理店網の強化を進めることで、新規エリアに進出し、海外市場でのプレゼンス強化を図ってまいります。中期的には品質を維持しつつコストを抜本的に見直した海外向け仕様品の開発・展開、長期的には新開発の高付加価値製品の投入を行っていきます。 ⑤ 新工場設立 当社は、新工場の設立を計画しております。今後の事業成長に向け、既存製品向けの製造ラインの増設に加えて、新製品に対応した製造ラインを設置し、またFactory Automationの推進により人員数の効率化を実現すると共に、品質の安定化を進めます。加えて、広大な敷地を活用して原材料在庫の十分な保管スペースを確保することで、倉庫費や物流費の削減が可能となることや、従来の1拠点のみの生産体制から2拠点体制に移行することで、緊急事態時にも生産ラインを止めることなく事業継続が可能となるBCP面の効果も想定しております。 ⑥ 戦略投資 当社は、既存事業における生産キャパシティや生産効率の向上、品質の安定化などを主たる目的とし、三島工場への投資を行ってまいります。また、慢性疾患領域への進出を始めとする事業ドメインの拡大に向けて、10年後のビジョンと現状の技術基盤を比較し、不足している・強化すべき領域を中心に、知財への投資や技術提携先への資本投資を戦略的に行ってまいります。 今後は各資本提携先の検査を受託しながら、先端的な検査技術を新規製品やサービスへと落とし込むことを目的に、自社保有の検査センターであるタウンズクリニカルラボへの投資についても推進してまいります。 ⑦ 人的資本投資 当社は、今後事業領域を拡大して国内外で高い成長を続けていくために必要なのは、それを実現する人財の登用と、最大限能力を発揮してもらうための仕組み、現社員と融和した組織作り、AIなどの先端的な技術を取り込む教育だと考え、重要課題の解決に直結する戦略人事を実行してまいります。 ※1 POCT:Point Of Care Testingの略になります。日本医療検査学会(旧:日本臨床検査自動化学会)POCTガイドラインによると、「臨床現場即時検査」として定義され、被検者の傍らで医療従事者が行う検査であり、検査時間の短縮及び被検者が検査を身近に感ずるという利点を活かし、迅速かつ適切な診療、看護・疾病の予防、健康増進に寄与し、ひいては医療の質、被検者のQOL(Quality of Lifeの略。生活の質の向上)及び満足度の向上に資する検査としております。当社の製品群であれば、イムノクロマト法を原理とするインフルエンザやSARS-CoV-2等の抗原検査キットが該当しております。※2 D-IA(デジタルイムノアッセイ):デジタルイムノアッセイ(digital immunoassay)の略称であり造語であります。新規検出原理として研究開発を進めている検出プラットフォームの1つであります。金コロイド標識抗体を使用し、抗体抗原反応の後、専用チップ内の反応部位に金コロイド標識抗体と抗原の複合体を捕捉し、その後標識物である金コロイド粒子のみ科学的に遊離させます。遊離させた金コロイドのみ移動させ光学的に検出します。金コロイド標識抗体等の移動は専用チップを回転させることにより生じる遠心力を利用しております。従来の金コロイド粒子の検出方法は、イムノクロマト法に代表されるように金コロイド粒子の集積により生じる赤紫色の呈色を検出するものでありますが、D-IAにおいてはレーザーを照射し金コロイド1粒子からそれぞれ生じる散乱光を検出します。1粒子カウントを可能とすることから「デジタル」検出が可能となり、本検出原理名称の由来ともなっております。金コロイド粒子そのものを1粒子カウントすることで、抗原低濃度領域における高感度検出が可能となり、また粒子カウントによる定量検出も可能となります。※3 免疫プロファイリング:患者血液中のT細胞やB細胞等、細胞性免疫機構に関わる細胞の状態(免疫細胞集団の状態)を指します。患者の病態の進行により、細胞集団の状態は変化します。がんの発生には免疫システムが密接にかかわっていることが示唆されており、免疫チェックポイント阻害剤はがん細胞により抑制されていた免疫システムを抑制状態から解放し再活性化することにより、自己免疫細胞によりがんを治療する方法(免疫療法)として知られております。ただし、がん細胞を攻撃する細胞集団が免疫療法に適した状態でないと、十分な効果が期待できません。そのため、抗がん剤の一種である免疫チェックポイント阻害薬の投与前に免疫プロファイルを測定し、免疫療法に適した状態であるかを事前に知ることは治療効果を予測するうえで有用と考えられます。※4 コンパニオン診断:コンパニオン診断とは、投与される医薬品の効果や副作用を事前に予測するために実施される検査であり、治療前に実施することによりある治療法がその患者に適しているかを事前に確認することができます。患者が有する遺伝的特性や治療時の免疫プロファイルの状態を基に、適切な治療法を選択することができ、より効果的な治療が可能となります。コンパニオン診断により、患者ごとに効果が高く副作用の少ない治療が選択できるため、治療効果を高め、ひいては患者のQOL向上に資することができます。また、特にがん領域においては、免疫チェックポイント阻害剤等の高額治療も存在しており、コンパニオン診断による効果的な治療法の選択は、医療費低減への貢献も期待されます。※5 リキッドバイオプシー:血液や尿といった採取された体液等、さまざまな検査に用いることができる液状の検体を用いた検査(液体生検)の総称であります。※6 低侵襲:医療行為において、採血で静脈に針を刺す行為や胸部X線撮影において放射線で被曝させること、また手術で開腹するために切開すること、これはすべて侵襲性のある行為となります。これらの医療行為においては痛みや身体的負担を生じ、医療行為によりその程度は異なります。医療行為により侵襲性は異なり、身体へ与える影響が少ないものを低侵襲性又は非侵襲性と称しております。一般的に採血等の行為は最低限の侵襲性に留まっており、低侵襲性であるとされております。検体採取において無痛針を利用することで採血時の痛みを低減又は無痛にする等、より侵襲性の低い検体採取法の開発も進んでおります。 (4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 体外診断用医薬品業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえて、医療現場におけるPOCTの重要性が一層認知されております。 また、昨今の新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行の発生や薬剤耐性問題、性感染症の蔓延等を背景として、網羅的かつ迅速な検査による、高精度な疾患鑑別へのニーズが高まりを見せており、感染症検査において、同一の検体で複数項目を同時に検査するマルチプレックス検査化や更なる高精度化への流れが加速しております。 さらには、高齢化や社会保障費増大を背景とした予防医療・個別化医療のニーズの拡大など、様々な社会課題とそれらに対応する医療技術が急速に高度化しております。このような状況のなか、当社は診断技術とデータを用いた社会課題の解決を成長戦略の真ん中に掲げ、医療機関や患者を始めとする世の中の幅広いニーズに応える製品を提供するため、以下の課題に取り組み、事業の継続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ① 営業チャネルの強化・拡大 当社は、今後、営業員の人員を拡充することで、新規及び既存の医療機関との関係構築・強化に注力してまいります。一方で、現状で当社がアプローチし切れていない医療機関もあることから、当社製品を扱う重要卸業者との関係強化に加えて、製薬会社との共同販売推進による営業チャネルの拡大に取り組んでおります。 ② 特定製品への売上依存 当社の各感染症検査キットの市場シェアは、概ね拡大傾向で推移しております。以前はインフルエンザ検査キットが当社売上の大きな割合を占めていたものの、2020年10月に新型コロナウイルス抗原検査キット「イムノエース®SARS-CoV-2」を発売して以降は、新型コロナウイルス感染症関連製品への売上が大宗を占めており、新型コロナウイルス感染症の流行度合いにより業績に大きな影響を受ける状態にあります。当社は継続的に次世代型の検査技術や新製品の開発、新たな市場の開拓に取り組み、新型コロナウイルス感染症関連製品以外の売上拡充に努めております。また、新製品の迅速な市場展開に向け、薬事申請を含む規制対応の体制強化や、量産製造への移行プロセスの最適化等に取り組んでおります。新たな収益基盤を速やかに構築することで、特定製品への売上依存度を下げるように努めております。 ③ 海外事業拡大に向けた基盤整備 当社は、各地域における特定の代理店を通じて海外市場での販売を行っております。今後海外事業をさらに拡大していくために、より海外市場に受け入れられやすい価格と高品質を両立させる海外仕様製品の開発を行っております。また海外市場向けの薬事申請体制の強化や海外のKoL(Key Opinion Leaderの略。特定の疾患領域において権威ある医師や大学教授の方々)との関係構築等と併せて、海外営業体制やマーケティング体制の強化に取り組んでおります。 ④ 新たなコア技術の開発 現状の抗原検査キットの枠を超えて事業領域を拡大するために、新抗体開発技術、D-IAや簡易尿検査システム等の新たなコア技術の開発を行っております。これらの技術を活用し、既存の呼吸器感染症検査の領域のみならず、D-IAを用いた性感染症検査や慢性疾患の検査等の新疾患領域、免疫プロファイル検査の開発、予防・未病領域における超早期マーカーの発見や新たな検査技術の開発、簡易尿検査システムによる家庭での日常的な疾患リスクのモニタリング技術の開発等に取り組んでおります。 ⑤ 情報通信技術活用による生産性向上 現在推進している新基幹システムの導入プロジェクトに伴い、業務体系を見直し
事業等のリスク12,878字
3【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化したときに当社の経営成績等の状況に与える影響について合理的に予見することが困難な場合には、その可能性の程度や時期・影響についての記述は行っておりません。 (1)法的規制等に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) 当社は、体外診断用医薬品の製造販売を行うために医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」という。)等の関連法令をはじめ、様々なガイドラインに従い、適正に運用しております。 当社は、体外診断用医薬品及び医療機器の製造販売をするために、「体外診断用医薬品製造販売業許可」、「体外診断用医薬品製造業登録」及び「医薬品販売業許可」、また、医療機器の製造販売を行うために「第三種医療機器製造販売業許可」、「医療機器製造業登録」及び「高度管理医療機器等販売業許可」を受ける必要があり、関係する業許可を取得し法令遵守に努めており、現状においては当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法令が改廃又は変更された場合や新たな法規制が設けられた場合には、これらの法規制を遵守できなかったことにより許認可の取り消し等の処分を受けこれにより事業活動を制限されることはもとより、社会的信用の低下を招く可能性があると共に、これらの法規制を遵守するために当社の事業活動が制限を受ける可能性があり、その結果、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法規制を遵守するためのコストが発生又は増加し、利益率の低下につながる可能性があります。加えて、当社の業績は保険点数・条件等の影響を受ける可能性があるところ、これらの変更により、当社の収益を左右する可能性があります。さらに、海外販売にあたっては国内法令以外に、販売国の法令を遵守するために現地代理人と連携し薬事承認を目指しますが、当社の想定どおりに薬事承認を得ることができない又は薬事承認取得後に販売国の薬事法令が切り替わることにより事業活動の制限を受ける可能性があります。特に欧州においては新しい薬事規制・欧州体外診断用医療機器規制(IVDR)が2022年5月から適用開始となりましたが、欧州での販売の混乱を防ぐ目的で現在は旧指令(IVDD)と新規制が混在されて運用されております。当社製品では結核検査のCapilia TB-NeoはIVDR承認を取得しておりますが、その他はIVDD登録であります。当社製品が、2027年までにIVDRとしての申請ができない場合には、欧州でこれを販売することができなくなるため、当社は製品ごとに順次対応を進めております。さらに、将来的に進出を検討している米国市場においては、2024年2月にQSR(Quality System Regulation)改正法案が発出され、2026年2月よりQMSR(Quality Management System Regulation)が発効される予定であります。当社はこれら国内外の法規制等の改正動向につき、常時積極的な情報収集に努めるとともに、関係部署には情報共有を行いながら適時対応策の検討を行っております。 以下に、国内における薬事の業許可を示します。許認可等の名称許可番号有効期限取消事由体外診断用医薬品製造販売業許可静岡県知事22E1X000022026年6月30日薬機法第二十三条の十六体外診断用医薬品製造業登録(神島工場)静岡県知事22EZ20000062026年6月30日薬機法第二十三条の十六医薬品販売業許可静岡県東部保健所東保A第22-94号2027年6月30日薬機法第二十三条の十六第三種医療機器製造販売業許可静岡県知事22B3X100212026年6月30日薬機法第二十三条の十六医療機器製造業登録(神島工場)静岡県知事22BZ2001502026年6月30日薬機法第二十三条の十六高度管理医療機器等販売業許可静岡県東部保健所東保A第11-554号2027年6月30日薬機法第二十三条の十六体外診断用医薬品製造業登録(新三島工場)静岡県知事22EZ20000102030年6月23日薬機法第二十三条の十六医療機器製造業登録(新三島工場)静岡県知事22BZ2001802030年6月23日薬機法第二十三条の十六 (2)製品品質に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社では、医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(以下、「QMS」という。)等に基づき、重大な品質問題が発生しないように製品毎にリスクマネジメントを実施し、リスクの低減を行っております。また、海外販売においてはISO13485:2016(医療機器における品質マネジメントシステム)の適用を欧州の第三者認証機関を通じて認証を受け、開発から製造、品管、販売までのリスク低減に向けた取り組みを実施しております。 また、当社では、QMS及びISO13485:2016のルールに則り品質マニュアルを定め、製品毎のリスクマネジメント及び教育、社内外の監査、苦情処理、是正措置、購買先管理等の規定文書を定めており、さらに、監査による問題の洗い出しや、厚生労働省及び海外薬事規制当局、第三者認証機関における監査を受け、適時、改善を継続的に実施し、且つ市販後調査等により重大な品質問題が発生するリスクの軽減に努めております。 このように、当社は、薬機法及び関連法令、ガイドライン等に基づき、万全の品質管理体制を敷いて製品の品質確保に取り組んでおりますが、製品に重大な品質問題が発生した場合には、当社レピュテーションへのダメージは勿論のこと、売上高の減少やコストの増加、法令上の制裁に伴う事業活動の制限等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)訴訟・係争リスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:特定不能) 当社は、本書提出日現在係争中の訴訟事案はありませんが、事業活動を継続していく過程において、製造物責任(PL)関連、労務関連、知的財産関連、商取引関連、その他に関する訴訟が提起される可能性があります。このようなリスクを事前に予防するため又は仮に訴訟に発展した場合にも業績への影響が限定的となるよう社内の法令遵守体制を徹底するため、社内に複数の法律又は会計等の専門家を配置しておりますが、これらの訴訟の結果によっては、損害賠償を請求される、社会的信用の低下、レピュテーションへのダメージ等、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)新製品開発力に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、2020年10月に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キットを発売する等、新規の感染症向け製品、既存製品の性能向上等、継続的に新たな収益基盤として期待される新製品の開発に注力しております。 体外診断用医薬品は、国内では所轄官庁の承認、海外では承認や認証を得てはじめて上市可能となります。また、体外診断用医薬品業界は、技術開発及び性能の向上において常に競合他社と競争状態にあります。このため、研究開発の遅延や中断により研究開発投資の回収が困難になり、将来にわたり業績に影響を与える可能性があります。また、他社の革新的技術により当社製品の優位性が低下した場合、製品売上が減少する可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社は、研究開発部門が営業部門と連携することで課題の共有を密に図る他、規制当局及び関連学会等の動向を常時積極的、且つ継続的に情報収集し、大学等公的研究機関や医療機関と共同研究等による連携も行いながら、業界と市場の変化及び顧客ニーズをタイムリーに把握するよう努めております。また、開発された製品は薬事申請が必要となることから、生産部門、品質管理部門と連携しながら医療機関において臨床評価試験も行います。製品化においては、QMSに則り、開発計画から薬事承認まで、研究開発部門、生産部門、品質管理部門との連携により遂行しております。 また、外部からの技術導入や外部との連携を進め、並行して人的リソースの拡充も含め開発力の更なる強化に取り組むとともに、開発に係るマネジメント体制の強化にも努め、且つ市場環境の変化を考慮しながら開発案件の優先順位等を判断し、業界と市場の変化及び顧客ニーズを踏まえて注力すべきと考えられる新製品に開発力を集中できる体制を整備しております。 (5)感染症の動向による業績への影響(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の売上高において、コロナ禍以降、新型コロナウイルス関連の検査キットが大きな割合を占める状況が続いております。 当社は、新たな感染症に対応する製品の開発や既存の感染症領域における新製品の開発等により感染症領域における競争力の強化を図るとともに、感染症以外の領域での強化を図ることで、特定の製品への売上げの依存度を減少させることを目指しておりますが、上記の主要製品に係る感染症の流行が当初の想定より小規模であった場合、又は予期せぬ事由により当該製品の売上高が大幅に減少した場合、在庫の評価減、廃棄損も含め、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)原料、商品等の調達に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小) 製品の製造に使用している原料の中には、海外からの輸入原料もあるため、輸入原料や特殊な原料、商品等につきましては、個別にリスク管理を行い適切な在庫となるよう管理するとともに、極力複数社からの調達体制を構築し、国際情勢等の変化に柔軟に対応できるよう努めております。また、入手困難な原料が生じた場合は、代替原料の調査及び評価を行い、製品供給が滞らないよう努めております。しかしながら、国際情勢の変化等により、原料並びに商品等の品質の変化、又は製造停止、終了や輸入経路の寸断等により調達に問題が生じる場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)外注先に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小) 当社は、体外診断用医薬品等の製造の一部、これに付随する保管、在庫管理、荷造り及び納入の業務を外注しており、当社の業務が一部取引先に集中する場合があります。当社は、外注先との関係強化・維持を図ると共に、複数の外注先を確保することとしております。また、日常的、定期的に検査、整備等を行い自社生産の更なる充実を図ると共に、恒常的に2~3か月程度の製品在庫を保管し、リスクの極小化に努めておりますが、外注先の方針転換等により外注先へ業務委託できない状況が発生した場合には、製品の製造及び供給が困難となる等、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的財産権に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、新規性あるいは進歩性のある技術を特許化し、その複数の特許は一定期間保護されております。しかし、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があり、侵害を受けた場合は損害賠償請求を進める等の措置をとりますが、それでも当社が被った損害について十分な賠償を受けることができない可能性があります。また、当社の製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対し、当社は、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の「産業財産権」を含む知的財産権を適正に管理し、第三者からの侵害あるいは第三者の知的財産権を侵害するおそれについても、常に監視を行うとともに、当該情報を当社内の関連部門間で共有することによって管理体制の強化を図っております。 また、海外に向けても知的財産権を行使していることから、国内外の特許法の遵守に努めております。 (9)市場環境の変化に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 医療制度改革や診療報酬の改定が行われている中、国内の人口減少が続いており、当社の事業環境は、市場における他社との競合等も加わり、一段と厳しさを増しておりますが、新たな感染症対応製品の開発・販売開始等、市場環境は日々変化しております。足元では海外メーカーや国内後発メーカー等により、価格を重視した製品の市場投入が散見されております。 IMARC Group『Point-of-Care Diagnostics市場レポート 2025-2033』によると、当社のターゲット市場である臨床現場即時検査検査(POTC)の世界市場については、2025年から2033年までにCAGR7.6%の成長が予測されております。(2025年USD531億、2033年USD1,024億)」とされており、国際的な視点では、体外診断用医薬品市場は拡大傾向にあるとされております。そのため、海外市場への積極的な展開をすることで市場環境のリスク分散も進めております。 また、必ずしもPOCTに限らない臨床検査サービス全体でみれば、Global Market Insights『臨床検査サービス市場 世界予測(2023年~2032年)』によると、2032年に4,099億ドルとさらに巨大な臨床検査サービス市場を見込んでおり、今後の当社としてもPOCT以外の市場へのアクセス強化を図っております。 当社では、市場及び競合動向の情報収集及び分析評価を継続的に行い、既存ビジネスの競争力維持・強化等のための施策や、新規分野への展開等に活用しております。また、市場環境の変化に柔軟に対応するべく、新製品開発力の維持・強化等に努めております。 以上のような取り組みにもかかわらず、当社の市場環境の変化への対応が遅れた場合には、主要製品の需要減少、販売価格の低下、既存シェアの喪失等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)海外事業展開に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中) 当社は、日本国内の他、欧州・アジア及びその他の地域における事業活動を展開しております。また、今後については、当社の海外売上比率を高めることを企図しております。 これらの海外事業展開に関しては、カントリーリスクを初め、為替リスク、法規制・薬事ガイドライン、商習慣の相違等に起因するリスク、更には地政学的リスク等、海外ならではの付加的なリスクにさらされております。 これに対し当社は、各国の状況に精通した現地代理店を通じて規制当局への薬事承認を取得し、販売を通じて法規制の遵守以外に当該国での医療事情の情報収集を行い、販売業績へのリスク低減に努め、またカントリーリスク及び個社の信用力等に基づく信用リスク管理も行うことにより、リスクのコントロールを図っておりますが、上記のリスクが顕在化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)特定の販売先への依存によるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期~中期、影響度:中) 当社は、2025年6月期において、主要顧客であるスズケングループへの売上が59.4%を占め、特定の販売先に対する依存度が高い状況にあり、販売先の集中による信用管理リスクも高くなっております。また、株式会社スズケンの経営方針等の変更により取引が打ち切りになった場合や取引金額が引き下げられた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は特定の販売先に対する集中を緩和するために、依存度が高い販売先以外の販売先との関係強化、新規販売先の開拓、及び海外売上の拡大に努めており取引先の分散化を図っております。信用管理の面では、販売先全社に対して信用力に基づく与信限度額を設定する等、信用リスク管理に努めておりますが、これらの取組みにもかかわらず当社がスズケングループに対する信用リスク管理を適切に行うことができない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)人財の確保と育成に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) 当社では、海外事業展開を含めた中長期における当社の経営計画達成のために、新製品の企画、開発能力のある人財、海外国内を問わず活躍できるグローバル人財やプロフェッショナル人財、全ての局面で自律・自立して成果をあげる人財の確保と育成が必要であると考えております。当社では、このような人財の確保のため国内に限らず、多様な人財確保を目指し、雇用した多様な人財が、多様な価値観を尊重しつつ健康に働ける環境を整える努力をしております。人財の確保は、通年で計画的に、経営や事業関連のスキルを持つ経験者や新卒者の採用を国籍に関係なく行い、人財の育成には企業倫理の育成から始まりキャリアプランに応じた成長教育の強化に取り組んでおります。しかしながら、当社の持続的な成長に必要な人財の確保が達成できなかった場合、また、達成のために人件費等増加が生じた場合には、当社の事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (13)労務に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、法令に基づく適正な労務管理等により、全社的に労務関連リスクの低減に取り組んでおります。具体的には、当社は、日常的に労働災害が発生する可能性のある現場では災害を未然に防ぐための努力を行っております。災害が発生した場合には安全衛生委員会にて発生現場部署と連携し発生原因の特定から再発防止策の実施までを行い労働災害の再発防止に努めております。 長時間労働については、当社の事業拡大に沿った人員計画に基づき採用を行うことや業務効率化を図ることで長時間労働が発生しないように人員体制を強化しております。また、勤怠管理システム上で時間外勤務時間が多くなるとアラートを出す設定をして、過度な長時間労働を未然に予防するようにしております。また日頃より36協定を遵守するための啓蒙活動の一環として管理本部や人事部からの警告と注意喚起を
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析8,869字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における資産合計は前事業年度末に比べ7,253,968千円増加し、36,515,294千円となりました。 流動資産は、前事業年度末と比べ1,439,108千円減少し、15,476,605千円となりました。これは主に、仕掛品が669,663千円増加、売掛金が2,459,087千円減少したこと等によるものであります。 固定資産は、前事業年度末と比べ8,693,077千円増加し、21,038,688千円となりました。これは主に、新工場建設に伴う有形固定資産が4,373,985千円増加、無形固定資産が115,896千円増加、投資有価証券の取得により投資その他の資産が4,203,195千円増加したことによるものであります。(負債) 当事業年度末における負債合計は前事業年度末に比べ3,503,058千円増加し、19,097,624千円となりました。 流動負債は、前事業年度末と比べ944,568千円減少し、9,529,874千円となりました。これは主に、未払法人税等が863,985千円減少、未払消費税等が285,693千円減少、1年内返済予定の長期借入金が382,919千円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べ4,447,626千円増加し、9,567,749千円となりました。これは主に、新工場建設に伴う資金調達により長期借入金が4,502,081千円増加したこと等によるものであります。(純資産) 当事業年度末における純資産合計は前事業年度末に比べ3,750,910千円増加し、17,417,670千円となりました。 これは主に、配当金の支払いにより2,785,709千円減少したものの、当期純利益により利益剰余金が6,315,407千円増加したこと等によるものであります。 ② 経営成績の状況 当事業年度(2024年7月1日~2025年6月30日)においても、世界経済は引き続き不安定な状況が続きました。特に、ウクライナ情勢の長期化や中東における緊張の高まりなど、地政学的リスクの増大が先行き不透明感を一層強める要因となりました。 当社の主要な事業領域である感染症POCT(臨床即時検査)業界においては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行以降も、感染の拡大と縮小を繰り返す状況が続いておりますが、当期における新型コロナおよびインフルエンザの流行水準はいずれも前年を下回る水準で推移したことにより、感染症POCTの市場規模は前期比で縮小いたしました。一方で、24年6月期においては、インフルエンザの流行が例年より早い9月ごろから始まり翌年3月ごろまで長期間にわたって継続したため、医療機関ではインフルエンザ検査キットや、新型コロナとの同時検査が可能なコンボ検査キットへの需要が高止まりし、当社は相当期間にわたる出荷調整を余儀なくされましたが、当事業年度においては予め必要十分な在庫量を確保していたことから、年末年始の検査キット需要の急拡大に際しても出荷調整を最小化することが出来ました。これらの結果として、当事業年度の売上高、各段階利益は前期比で増収増益となって着地しました。 <四半期売上高推移>(百万円) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計23年6月期6,3264,1062,4012,83915,67324年6月期6,9434,6734,7542,06318,43425年6月期6,4195,5615,6261,02018,627 四半期売上高実績推移としては、いずれの期においても第1四半期が最大の売上となっておりますが、23年6月期においては一過性である自治体向けの新型コロナ単品検査キット売上が14億円程度含まれていたことにご留意ください。 また、25年6月期における第4四半期は、直近3期間で比較した場合に最も小さな売上高となりました。これは年末年始にかけてインフルエンザが大流行した際に卸業者による在庫確保がなされた後、想定よりも急速に流行が収束したことから市中在庫が滞留し、2月以降において市中在庫の消化局面が続いたことを背景としております。 <事業年度別 P/L比較>(百万円) 23年6月期24年6月期25年6月期前年同期比売上高15,67318,43418,6271.0%(内、自治体向け売上)2,154159--売上総利益9,19912,49812,7742.2%売上総利益率(%)58.7%67.8%68.6%0.8%営業利益4,9678,0308,2652.9%営業利益率(%)31.7%43.6%44.4%0.8%経常利益4,9537,8408,2194.8%経常利益率(%)31.6%42.5%44.1%1.6%当期純利益3,0345,7746,3159.4%当期純利益率(%)19.4%31.3%33.9%2.6% 事業年度別における損益の過去比較としては、24年6月期対比でインフルエンザ、新型コロナウイルスの流行水準はいずれも相当程度小さかったものの、当社の市場シェアの向上により25年6月期は増収となりました。また後述のとおり、新型コロナ単品検査キット、コンボ検査キットなど利益率の高い製品が売上に占める割合が高まったことから、期末における在庫評価損の計上などがありつつも各段階利益率は改善し、増益にて着地しました。 <第4四半期会計期間 P/L比較>(百万円) 23年6月期24年6月期25年6月期前年同期比売上高2,8392,0631,020△50.6%(内、自治体向け売上)520---売上総利益1,0441,18889△92.4%売上総利益率(%)36.8%57.6%8.8%△48.8%営業損益17△195△1,065-営業損益率(%)0.6%△9.5%△104.5%-経常損益13△408△1,076-経常損益率(%)0.5%△19.8%△105.5%-四半期純損益△340△132△330-四半期純損益率(%)△12.0%△6.4%△32.4%- 第4四半期会計期間における損益の過去比較としては、減収減益となっております。減収の要因としては、流行期ズレと市中在庫の影響の2点が挙げられます。1点目は、24年6月期において新型コロナの夏の流行が6月下旬ごろに到来し、期末に駆け込み需要が生じた一方で、25年6月期においては期末までに次の流行の兆しが明確に確認できず、検査キット需要の本格的な回復が次期に持ち越されたものです。2点目は、25年6月期においては年末年始のインフルエンザ流行を受け1月迄に卸業者に対して出荷した市中在庫の消化局面が、期末まで続いたものです。 また上記の減収に加えて、期末における在庫評価損の計上が25年6月期の第4四半期会計期間の売上総利益を引き下げております。 <事業年度別 主要製品別売上高 >(百万円)主要製品別売上高23年6月期24年6月期25年6月期前年同期比新型コロナ単品検査キット8,6874,7124,8543.0%新型コロナ/インフルエンザコンボ検査キット3,4156,3757,92124.2%インフルエンザ検査キット1,4354,0873,314△18.9%その他2,1353,2592,537△22.2%合計15,67318,43418,6271.0% 主要製品別に事業年度別の売上高を前年と比較すると、24年6月期は長期間にわたってインフルエンザの流行が継続しましたが、25年6月期においてはインフルエンザの流行期間が短く、インフルエンザ検査キットの売上は減少しました。一方で前年は長期間にわたって出荷調整を余儀なくされていたコンボ検査キットは、25年6月期は出荷調整を最小限に止めて安定供給を継続したこと、市場全体としてもコンボ検査キットへの需要が拡大したことを背景として増収となりました。また、インフルエンザ同様に前期比での流行規模の縮小がありながらも、市場シェアを大きく拡大した新型コロナ単品検査キットについても増収となりました。 <第4四半期会計期間 主要製品別売上高>(百万円)主要製品別売上高23年6月期24年6月期25年6月期前年同期比新型コロナ単品検査キット744755183△75.7%新型コロナ/インフルエンザコンボ検査キット923333192△42.2%インフルエンザ検査キット35522061△72.2%その他815753582△22.7%合計2,8392,0631,020△50.6% 主要製品別の第4四半期会計期間における売上高としては、いずれも過去期と比較して大きく減収となりました。背景としては前述のとおりです。 このような環境下において、当社はコーポレートスローガン「診断技術で、安心な毎日を。」に基づき、社会的責務として検査キットの供給責任を全うすべく最善を尽くしました。 その結果、当事業年度における経営成績は、売上高は18,627,990千円(前年同期比1.0%増)となり、営業利益は8,265,025千円(前年同期比2.9%増)となりました。また経常利益は8,219,959千円(前年同期比4.8%増)となり、当期純利益は6,315,407千円(前年同期比9.4%増)となりました。なお、当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ158,260千円減少し、9,266,630千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、6,818,472千円(前事業年度は9,935,074千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益8,201,875千円の計上に加え、売上債権の減少額2,459,087千円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、9,258,084千円(前事業年度は4,110,382千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,679,989千円及び投資有価証券の取得による支出4,141,797千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は、2,281,350千円(前事業年度は2,355,823千円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入5,642,000千円、及び配当金の支払額2,782,432千円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業区分の名称当事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)生産高(千円)前年同期比(%)体外診断用医薬品事業21,582,90992.8合計21,582,90992.8 (注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業区分の名称当事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)売上高(千円)前年同期比(%)体外診断用医薬品事業18,627,990101.0合計18,627,990101.0(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)スズケングループ9,957,36954.011,058,57959.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 なお、採用している重要な会計方針及び見積りに関しましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。 ② 経営成績等の分析当事業年度においても、世界経済は引き続き不安定な状況が続きました。特に、ウクライナ情勢の長期化や中東における緊張の高まりなど、地政学的リスクの増大が先行き不透明感を一層強める要因となりました。 当社の主要な事業領域である感染症POCT(臨床即時検査)業界においては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行以降も、感染の拡大と縮小を繰り返す状況が続いておりますが、当期における新型コロナおよびインフルエンザの流行水準はいずれも前年を下回る水準で推移したことにより、感染症POCTの市場規模は前期比で縮小いたしました。一方で、24年6月期においては、インフルエンザの流行が例年より早い9月ごろから始まり翌年3月ごろまで長期間にわたって継続したため、医療機関ではインフルエンザ検査キットや、新型コロナとの同時検査が可能なコンボ検査キットへの需要が高止まりし、当社は相当期間にわたる出荷調整を余儀なくされましたが、当事業年度においては予め必要十分な在庫量を確保していたことから、年末年始の検査キット需要の急拡大に際しても出荷調整を最小化することが出来ました。これらの結果として、当事業年度の売上高、各段階利益は前期比で増収増益となって着地しました。 a.売上高 当事業年度における売上高は18,627,990千円となり、前事業年度に比べ193,126千円増加(対前年同期比1.0%増)いたしました。これは主に、当事業年度にてインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行による感染症の感染拡大が継続し、当社のコンボキット等の販売が堅調に推移したことで、国内売上を18,095,733千円計上、輸出売上を532,257千円計上したこと等によるものであります。 b.売上原価、売上総利益 当事業年度における売上原価は5,852,992千円となり、前事業年度に比べ83,538千円減少(対前年同期比1.4%減)いたしました。これは主に、製品売上増加に伴い材料費が407,052千円増加(対前年同期比14.8%増)、労務費が197千円減少(対前年同期比0.0%減)、製造経費が270,401千円増加(対前年同期比11.1%増)したことによるものであります。 この結果、当事業年度における売上総利益は12,774,997千円となり、前事業年度に比べ276,665千円増加(対前年同期比2.2%増)いたしました。 c.販売費及び一般管理費、営業損益 当事業年度における販売費及び一般管理費は4,509,972千円となり、前事業年度に比べ41,734千円増加(対前年同期比0.9%増)いたしました。これは主に、人件費総額が93,135千円減少(対前年同期比6.1%減)したものの、その他の項目で134,869千円増加(対前年同期比4.6%増)したこと等によるものであります。 この結果、当事業年度における営業利益は8,265,025千円となり、前事業年度に比べ234,931千円増加(対前年同期比2.9%増)いたしました。 d.営業外収益、営業外費用、経常損益 当事業年度において、営業外収益が60,614千円発生いたしました。主な要因は、補助金収入を43,388千円、受取配当金7,110千円計上したこと等によるものであります。また、営業外費用が105,681千円発生いたしました。主な要因は、借入に伴い発生する支払利息を102,904千円計上したこと等によるものであります。 この結果、当事業年度における経常利益は8,219,959千円となり、前事業年度に比べ379,333千円増加(対前年同期比4.8%増)いたしました。 e.特別損益、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、当期純損益 当事業年度において、特別利益が3,398千円発生いたしました。主な要因は、固定資産売却益が3,394千円発生したことによるものであります。また、特別損失が21,481千円発生しました。主な要因は、固定資産除却損が21,451千円発生したこと等によるものであります。 法人税、住民税及び事業税が1,968,359千円、法人税等調整額が△81,891千円発生いたしました。 この結果、当事業年度における当期純利益は6,315,407千円となり、前事業年度に比べ541,321千円増加(対前年同期比9.4%増)いたしました。 ③ 財政状態の分析 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は金融機関からの借入により資金調達することとしております。また、当社は、資金の効率的な活用と借入金利息の削減を目的として、月次での資金計画等により資金管理を行っております。 なお、財政状態の分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析 当社のキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析a.資本の財源 当社の資金需要については、人件費や外注費、支払手数料、広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業活動に必要な運転資金が主なものであります。これらの資金需要に対する資本の財源は、手許資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。なお、当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。 b.資金の流動性に関する分析 月次での資金計画等により資金管理に努めており、また、当座貸越契約により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の経営成績に重要な影響を与える要因について、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営戦略の現状と見通し 当社の経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社は経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA及びEBITDAマージンを重要な経営指標として位置づけており、過去の推移は以下のとおりであります。なお、第6期は、連結財務諸表を作成していたため、連結財務諸表の数値を記載しております。 ・EBITDA及びEBITDAマージン(単位:千円) (株)タウンズホ
サステナビリティに関する考え方及び取組2,621字
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社は、「診断技術で、安心な毎日を。」をコーポレートスローガンに掲げ、事業活動全体を通じて、独自の体外診断用医薬品により、人々の生活に安心と潤いを届け、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般① ガバナンス及びリスク管理 当社は株主、顧客、従業員をはじめとする利害関係者に対し、経営責任と説明責任の明確化を図り、経営の効率化、健全性、透明性を高めることにより、継続的に株主価値を向上させる企業経営の推進が経営上の重要課題と認識しております。 このような取り組みを進めていくなかで、企業倫理と法令遵守の徹底、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制と組織内部のチェック体制、リスク管理体制の強化を行い、コーポレート・ガバナンスの一層の充実に取り組んでまいります。 当社は、コンプライアンス及びリスク管理の統括を目的として、代表取締役社長が委員長となり、代表取締役社長の指名に基づき選任された者を委員として構成されるリスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスク全般の状況の把握及び分析並びにリスク管理に関する教育・啓蒙等を行っております。リスク・コンプライアンス委員会は原則四半期に1回以上開催の定例リスク・コンプライアンス委員会に加え、必要に応じて臨時リスク・コンプライアンス委員会を開催することとしております。 詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 ② 戦略 2020年から始まった新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界各地で医療体制がひっ迫し、人々の生活や経済全体に大きな影響を与え、診断技術の重要性が改めて明らかになりました。また、昨今では老年人口の増加による慢性疾患の検査需要が拡大しており、国策としての社会保障費の削減要請等を背景にした予防・未病医療の進展が待ち望まれております。他方で、今後地域医療構想※による病院の再編が見込まれるなかでは、病院の減少に伴いクリニックの役割が拡大し、クリニックで完結する検査の領域拡張が求められると考えております。 当社は、このような社会的課題への問題意識を常に持ち、事業活動を通じてその解決に全力で挑みます。持続可能な社会の実現及び当社の持続的な成長に向けて、感染症診断の拡充に加え、感染症以外の診断領域への展開を進め、総合的な診断薬企業を目指すべく、以下のプロセスを経て、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)を特定しました。 ※地域医療構想:団塊世代が75歳以上となる『2025年問題』を見据えて、各地域における医療需要と病床の必要量を医療機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに推計し、病床の機能分化・連携を促進していく取り組みであります。 STEP1. マテリアリティ候補となる社会課題の抽出 国際的なガイドラインの要請事項、社会的責任投資(SRI)の評価項目等※を参考に、当社が検討すべき社会課題を抽出。※SDGs、GRI、SASB、ISO26000、DJSI、FTSE4Good、MSCI等 STEP2. 抽出した社会課題の優先順位付け 「ステークホルダーにとっての重要度」と「タウンズにとっての重要度」の2軸で課題を抽出・整理。STEP3. 社内各部門におけるヒアリング 作成したマテリアリティ案について、社内各部門及び執行役員にヒアリングを行い、妥当性を確認。 STEP4. マテリアリティの特定指標・目標 取締役会での審議及び決議を経て特定。 ③ 指標の内容と実績マテリアリティ指標実績環境への配慮会社使用車のハイブリッド車比率93.2%(2025年8月末現在)グローバルヘルスへの貢献海外代理店設置国数27ヵ国(2025年8月末現在)海外薬事申請維持国数26ヵ国(2025年8月末現在)責任ある製品・品質とサービスの提供規制当局からの重大な指摘事項の件数ゼロ(2025年6月期)社会貢献地域社会との関わり件数(本社及び事業所所在地で開催される催事への協賛等)8件(2024年7月~2025年6月)ガバナンス強化取締役会の実効性評価毎年実施(2025年6月期実施済)コンプライアンス研修毎年実施(2025年6月期実施済)会社経営の継続に重大な影響を与える事業遂行上の業法等の法令違反ゼロ(2025年6月期)リスク・コンプライアンス委員会開催5回/年(2025年6月期) (2)人的資本 企業が継続的に成長するために、人財の確保は不可欠であり、それを実現するにはダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)の推進や、働きやすく働きがいのある職場環境の整備が必要であります。また、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」においても、ジェンダーの平等や働きがい、不平等の是正、公正な社会等の目標が掲げられております。 当社は、社員の活躍を支援する取り組みや魅力ある職場環境の整備を推進し、個を尊重するとともに、多様な価値観・考え・能力・経験をもった人財が活躍できるよう、社員と当社間で双方向にかつ複数のチャンネルでコミュニケーションが図れるように取り組んでおります。また、研修や資格取得支援を充実させ、社員の成長の場と機会の提供にも積極的に努めております。 マテリアリティ:魅力ある職場環境の構築 目標値を設定している指標指標目標値実績男性の育児休業取得率50%以上100%(2024年7月~2025年6月)年次有給休暇と会社独自のリフレッシュ休暇の合計取得日数7日以上14.5日(2024年4月~2025年3月) 指標の内容と実績取り組み指標実績ダイバーシティ&インクルージョンの推進女性管理職比率15.8%(2025年6月末現在)正社員に占める女性比率39.4%(2025年6月末現在)安全衛生・健康・メンタルヘルスの推進健康診断受診率100%(2024年7月~9月)ストレスチェック受検率95.7%(2025年7月)
コーポレート・ガバナンスの概要7,198字
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主、顧客、従業員をはじめとする利害関係者に対し、経営責任と説明責任の明確化を図り、経営の効率化、健全性、透明性を高めることにより、継続的に株主価値を向上させる企業経営の推進が経営上の重要課題と認識しております。 このような取組みを進めていくなかで、企業倫理と法令遵守の徹底、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制と組織内部のチェック体制、リスク管理体制の強化を行い、コーポレート・ガバナンスの一層の充実に取り組んでまいります。 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由イ.企業統治の体制の概要a.取締役会 当社は、法令及び定款の決議事項を含め、会社経営全般に係わる基本方針を審議・決定することを目的として、取締役6名(うち社外取締役2名)で構成される取締役会を設置し、経営計画や投資案件等の経営全般に関する事項、株主総会・株式に関する事項、決算に関する事項、取締役・取締役会に関する事項、人事・組織に関する事項、資産・資金に関する事項等、法令及び定款で定められた事項や経営上の重要事項を審議・決議するとともに、その他の重要事項や業務執行状況について報告を行っております。取締役会は原則毎月1回開催の定例取締役会に加え、決議を要する重要案件が発生した際には臨時取締役会を開催しております。議長 :野中雅貴代表取締役社長構成員:内山義雄取締役、永井淳平取締役、伊藤政宏取締役、三品聡範取締役(社外取締役)、千葉理取締役(社外取締役) 当事業年度における個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。氏名開催回数出席回数野中 雅貴1919内山 義雄1918永井 淳平1515伊藤 政宏1919三品 聡範1919千葉 理1919(注)永井淳平氏は2024年6月期に係る定時株主総会において就任しており、開催回数及び出席回数は就任後の回数であります。 b.監査役会及び監査役 当社は、ガバナンスのあり方並びに取締役の業務の執行状況及び財産状況に関する日常的経営活動の監査を行うことを目的として、常勤監査役1名及び非常勤監査役2名(うち社外監査役2名)の計3名で構成される監査役会を設置し、監査方針及び監査計画の策定、取締役の職務執行状況、内部統制システムの整備・運用状況及び会計監査人の監査の方法及び結果の相当性等について審議・決議を行っており、取締役の法令・定款遵守状況を把握し、業務監査及び会計監査が有効に実施されるよう努めております。監査役会は原則毎月1回開催の定例監査役会に加え、必要に応じて臨時監査役会を開催しております。 監査役は取締役会その他の重要な会議に出席する他、監査計画に基づき重要書類の閲覧、役職員への質問等の監査手続を通して、経営に対する適正な監視を行っております。また、効率的な監査を実施するため、適宜、内部監査担当者及び監査法人等と積極的な連携、意見交換を行っております。議長 :遠藤佳孝監査役構成員:中川真紀子監査役(社外監査役)、Caroline F.Benton監査役(社外監査役) c.指名・報酬諮問委員会 当社は、取締役の指名・報酬等に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬諮問委員会を設置しております。株主総会に提出する取締役選任議案、スキルマトリックス、取締役会実効性評価、取締役の基本報酬額及び業績連動報酬額等について審議・決議するとともに、当事業年度は役員報酬制度の見直しについて継続的に審議を行っており、取締役会又は代表取締役の諮問に応じ、助言及び提言を行っております。なお、委員会の構成員は、社外取締役が過半数を占め、委員長は独立役員である社外取締役とし、ガバナンスを重視した体制にしております。議長 :千葉理取締役(社外取締役)構成員:野中雅貴代表取締役社長、三品聡範取締役(社外取締役) 当事業年度における個々の委員の出席状況は以下のとおりであります。氏名開催回数出席回数千葉 理99野中 雅貴99三品 聡範99 d.執行役員会 当社は、経営に関する重要事項を審議又は報告することを目的として、代表取締役社長を議長とし、業務執行取締役及び執行役員を構成員とし、非業務執行取締役及び監査役をオブザーバーとする執行役員会を開催しております。執行役員会は原則毎月1回開催の定例執行役員会に加え、必要に応じて臨時執行役員会を開催できるものとしております。議長 :野中雅貴代表取締役社長構成員:内山義雄取締役、永井淳平取締役、野中祐行専務執行役員、大井貴之常務執行役員、中石和成常務執行役員、大嶽徹朗常務執行役員、竹嶋俊介常務執行役員、穴田晋之介執行役員、森田智彦執行役員、村上和史執行役員 e.リスク・コンプライアンス委員会 当社は、コンプライアンス及びリスク管理の統括を目的として、代表取締役社長が委員長となり、代表取締役社長の指名に基づき選任された者を委員として構成されるリスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスク全般の状況の把握及び分析並びにリスク管理に関する教育・啓蒙等を行っております。リスク・コンプライアンス委員会は原則四半期に1回以上開催の定例リスク・コンプライアンス委員会に加え、必要に応じて臨時リスク・コンプライアンス委員会を開催することとしております。委員長:野中雅貴代表取締役社長構成員:代表取締役社長の指名に基づき選任された者 f.会計監査人 当社はEY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しており、決算内容について監査を受けております。なお、同監査法人と当社との間には、特別の利害関係はありません。 g.内部監査 当社は、代表取締役社長の直轄部門として内部監査室(2名)を設置しております。内部監査室は当社のすべての部署をカバーするように業務監査を実施し、代表取締役社長及び取締役会に対して監査結果を報告しております。代表取締役社長は監査結果を受け、被監査部門に監査結果及び要改善事項を通達し、改善状況報告を内部監査室に提出させることとしております。また、内部監査室は監査役及び会計監査人と連携し、三様監査を実施しております。 ロ.当該体制を採用する理由 当社は、事業内容及び会社規模に鑑み、株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置し、これらの各機関の相互連携によって、経営の効率性、健全性を確保することが可能になると判断し、前記イ.の体制を採用しております。 ③ 企業統治に関するその他の事項 当社の内部統制システムに関する基本方針は以下のとおりであります。a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(1)取締役及び使用人は、社会倫理、法令、定款及び各種社内規程等を遵守するとともに適正かつ健全な企業活動を行う。(2)取締役会は、「取締役会規程」「職務権限規程」等の職務の執行に関する社内規程を整備し、使用人は定められた社内規程に従い業務を執行する。(3)コンプライアンスの状況は、取締役会、リスク・コンプライアンス委員会等を通じて取締役及び監査役に対して報告されねばならない。各部門長は、部門固有のコンプライアンス上の課題を認識し、法令遵守体制の整備及び推進に努める。(4)代表取締役社長直轄の内部監査室を設置する。内部監査室は各部門の業務執行及びコンプライアンスの状況等について監査役会と連携し、定期的に監査を実施し、その評価を代表取締役社長及び取締役会に報告する。また、法令違反その他法令上疑義のある行為等については、社内報告体制として内部通報制度を構築し運用するものとし、社外からの通報については、通報内容ごとに窓口を定め、適切に対応する。 b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制(1)取締役の職務の執行に係る記録文書、稟議書、その他の重要な情報については、文書又は電磁的媒体に記録し、法令及び「情報システム管理規程」「文書管理規程」等に基づき、適切に保存及び管理する。(2)取締役及び監査役は、必要に応じてこれらの文書等を閲覧できるものとする。 c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制(1)取締役会は、コンプライアンス、個人情報、品質、セキュリティ及びシステムトラブル等の様々なリスクに対処するため、社内規程を整備し、定期的に見直すものとする。(2)リスク情報等については取締役会、リスク・コンプライアンス委員会等を通じて各部門責任者より取締役及び監査役に対し報告を行う。個別のリスクに対しては、それぞれの担当部署にて、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行うものとし、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応は管理本部が行うものとする。(3)不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長指揮下のリスク・コンプライアンス委員会を招集し、必要に応じて顧問法律事務所等の外部専門機関とともに迅速かつ的確な対応を行い、損害の拡大を防止する体制を整える。(4)内部監査担当は、各部門のリスク管理状況を監査し、その結果を代表取締役社長及び取締役会に報告するものとし、取締役会において定期的にリスク管理体制を見直し問題点の把握と改善に努める。 d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(1)取締役会は月に1回定期的に、又は必要に応じて適時開催し、法令に定められた事項の他、経営理念、経営方針、中期経営方針及び年次予算を含めた経営目標の策定及び業務執行の監督等を行う。各部門においては、その目標達成に向け具体策を立案・実行する。(2)取締役は社長の指示の下、取締役会決議及び社内規程等に基づき自己の職務を執行する。また定期的に開催される執行役員が参加する会議等にて、会社経営に関する情報を相互に交換、あるいは協議し、必要に応じ、取締役会に対し、経営政策、経営戦略を進言するものとする。(3)各部門においては、「職務権限規程」、「権限委譲規程」及び「業務分掌規程」に基づき権限の委譲を行い、責任の明確化を図ることで、迅速性及び効率性を確保する。 e.業務の適正を確保するための体制(1)取締役は会社の業務執行状況を監視・監督し、監査役は取締役の職務執行を監査する。(2)監査役及び内部監査室は、取締役及び使用人の職務執行状況の監査や指導を行うものとする。 f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項並びにその使用人の取締役からの独立性に関する事項(1)監査役は、当該使用人に監査業務に必要な事項を指示することができる。当社は当該使用人に対し監査役の指示に従う旨を通知するとともに、指示を受けた使用人はその指示に関して、取締役、部門長等の指揮命令を受けないものとする。(2)当該使用人の人事異動については監査役の事前同意又は事前協議を要することとする。 g.監査役の職務を補助すべき使用人に対する監査役の指示の実効性の確保に関する事項 取締役、部門長等は当該使用人が監査役の指揮命令に従う旨を他の使用人に周知徹底するとともに、当該使用人が監査役の職務を補助するのに必要な時間を確保する。 h.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制(1)監査役は、重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会等の重要な会議に出席し、必要に応じ稟議書等の重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人に説明を求めることができることとする。(2)取締役及び使用人は、監査役に対して、法定の事項に加え、業務又は業績に重大な影響を与える事項、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びその内容を報告する体制を整備し、監査役の情報収集・交換が適切に行えるよう協力する。 i.監査役に報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 監査役に通報・報告をした者が監査役に通報・報告したことを理由として不利な取扱いを行わない。 j.監査役の職務の執行について生じる費用の前払い又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生じる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 監査役が監査役及び補助使用人の職務の執行について生じる費用の前払い又は債務の償還を請求したときは、担当部署において審議のうえ、その必要が認められない場合を除き、速やかに処理をすることとする。 k.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制(1)監査役は、内部監査室と連携を図り情報交換を行い、必要に応じて内部監査に立ち会うものとする。(2)監査役は、法律上の判断を必要とする場合は、随時顧問法律事務所等に専門的な立場からの助言を受け、会計監査業務については、会計監査人に報告を求める等必要な連携を図ることとする。 l.財務報告の信頼性を確保するための体制 内部統制システムに関する基本方針及び別途定める「財務報告の基本方針」に基づき、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を行う。 m.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況(1)反社会的勢力とは一切の関係を持たないこと、不当要求については拒絶することを基本方針とし、これを社内に周知し明文化する。また、取引先がこれらと関わる個人、企業、団体等であることが判明した場合には取引を解消する。(2)総務部を反社会的勢力対応部署と位置付け、情報の一元管理・蓄積等を行う。また、役員及び使用人が基本方針を遵守するよう教育体制を構築するとともに、反社会的勢力による被害を防止するための対応方法等を整備し周知を図る。(3)反社会的勢力による不当要求が発生した場合には、警察及び顧問法律事務所等の外部専門機関と連携し、有事の際の協力体制を構築する。 ④ 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方、措置(1)当社は、反社会的勢力・団体・個人とは一切の関わりを持たず、被害の防止等を目的とした「反社会的勢力対応規程」を定める。(2)平素より情報収集に努め、反社会的勢力に対しては弁護士や警察等の外部機関と連携を取り、組織全体として速やかに対処できる体制を整備する。 ⑤ リスク管理体制の整備の状況 当社は、「リスク・コンプライアンス規程」を定めており、コンプライアンス及びリスク管理の統括を目的としたリスク・コンプライアンス委員会を
役員の報酬等1,769字
(4)【役員の報酬等】① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項a.決定の方針及び決定プロセス 企業価値向上に向けて、当社の社内取締役の報酬につきましては、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、固定報酬である役位ごとの「基本報酬」の支給、会社業績に連動した短期インセンティブ報酬(STI)「業績連動報酬」及び中長期インセンティブ報酬(LTI)「株式報酬」で構成されております。報酬構成は、標準業績時に基本報酬が約60%、業績連動報酬が約20%、株式報酬が約20%となる設定をしております。 また、当社の社外取締役及び監査役の報酬につきましては、「基本報酬」のみ支給をしており、業績により変動する要素はありません。 (役員の報酬等の額に関する株主総会決議) 役員報酬は、2021年9月28日開催の第6期定時株主総会において、取締役の報酬額を年額240,000千円以内、監査役の報酬を年額30,000千円以内と決議いただいております。 (指名・報酬諮問委員会) 当社は、指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役の公正かつ透明性ある報酬の決定や処遇等を図るべく、取締役会からの諮問に応じ、取締役選任議案、スキルマトリックス、取締役会実効性評価、取締役の基本報酬額及び業績連動報酬額等について審議・決議するとともに、当事業年度は役員報酬制度の見直しについて継続的に審議を行っており、取締役会に対して助言及び提言を行うこととしております。なお、委員会の構成員は、社外取締役が過半数を占め、委員長は独立役員である社外取締役とし、ガバナンスを重視した体制にしております。委員長:千葉理取締役(社外取締役)委員 :野中雅貴代表取締役社長委員 :三品聡範取締役(社外取締役) b.報酬内容の決定方法①基本報酬 基本報酬は、毎月一定額を固定的に支給する金銭報酬とし、役位ごとに金額を指名・報酬諮問委員会での審議、答申を経て、2021年9月28日開催の取締役会において報酬内規として定めております。報酬内規に定めた基本報酬は、必要に応じてベンチマーク調査を実施し、業種や企業規模等も勘案し、役位別に報酬水準の妥当性を指名・報酬諮問委員会で検証して、毎年9月に指名・報酬諮問委員会の審議、答申を経たうえで、10月以降の年間の基本報酬について取締役会で決定しております。 ②業績連動報酬(STI) 当社の業績連動報酬は、指名・報酬諮問委員会の審議、答申を経て、2021年9月28日開催の取締役会において報酬内規として定めており、以下に定める基準に基づき、各事業年度の会社業績に連動して算出します。計算の基礎となる報酬基準額は役位によって定めており、報酬基準額に乗じる係数である達成度(計画比)支給係数は、当社では本業での売上高及び利益の追求の観点から「売上高」及び「当期純利益」を基に算出し、按分比率を売上高40%、当期純利益を60%として、各係数の達成度(計画比)に応じて、0%~200%の範囲で決定します。 当事業年度における売上高及び当期純利益の実績は「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書」のとおりであり、達成度(計画比)は売上高が97%、当期純利益105%(上限値)であります。当事業年度の実績としては、基本報酬:75%、STI25%であります。 ③株式報酬(LTI) 中長期の業績向上・企業価値の持続的向上に対する意識を高めるため、中長期インセンティブとして譲渡制限付株式の仕組みを導入する予定であります。 ② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(千円)報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(名)固定報酬業績連動報酬退職慰労金左記のうち非金銭報酬取締役(社外取締役を除く。)72,39154,60017,791--3監査役(社外監査役を除く。)8,4008,400---1社外役員19,92019,920---4 (注)第10期事業年度に当社役員に就任しておりました取締役6名(うち社外取締役2名)のうち、取締役1名は無報酬であります。 ③ 役員ごとの報酬等の総額等 報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
従業員の状況732字
5【従業員の状況】(1)提出会社の状況 2025年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)316(130)38.95.98,212,281 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、臨時雇用者を除く従業員の給与であり、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。4.従業員数が前事業年度末より45名増加しておりますが、その主な理由は事業拡大によるものであります。 (2)労働組合の状況 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者15.8100.053.766.748.1- (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
関係会社の状況51字
4【関係会社の状況】 当社は関連会社4社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
配当政策863字
3【配当政策】 当社は、株主還元を適切に行っていくことが重要であると認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切な配当を実施していくことを基本方針としております。 2024年6月期に東証スタンダード市場への上場後、2024年6月期、2025年6月期においては、配当性向30%に加え、記念配当による配当を実施しておりました。 一方で、企業体質の強化及び将来の成長戦略に必要な投資を勘案したうえで、2026年6月期から2030年6月期までの中期経営計画期間において、株主に対して28円を起点とした累進配当を行うことで安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針を掲げております。更に配当政策に加え、事業環境と株式市場の動向を勘案のうえ、必要に応じて自社株買いを実施していく方針であります。 当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本方針としており、決定機関は株主総会であります。また、当社は「取締役会の決議によって、毎年12月31日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。 当事業年度の期末配当につきましては、上記方針に基づき、普通配当を1株につき12円00銭とするとともに、当社が法人設立から10期目を迎えることを記念して、1株につき10円00銭の設立記念配当を加え、合計22円00銭とし、2025年9月26日開催予定の定時株主総会にて決議する予定であります。これにより、中間配当6円00銭と合わせて、年間配当金28円00銭(普通配当18円00銭、設立記念配当10円00銭)、配当性向45.1%とすることを予定しております。 内部留保資金につきましては、今後の研究開発及び製造体制の強化等へ有効に投資してまいりたいと考えております。 基準日が当事業年度に帰属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。決議年月日配当金の総額(千円)1株当たり配当額(円)2025年2月13日610,7096.00取締役会2025年9月26日2,265,83222.00定時株主総会(予定)
研究開発活動1,389字
6【研究開発活動】 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1)研究開発への取り組み 体外診断用医薬品において化学発光法や核酸増幅法等の技術が普及し、市場における競争が激化するなか、当社は迅速かつ正確な検査を通した医療機関と患者双方への更なる価値提供を目指して、POCTの技術革新、新製品開発及び既存製品の性能改善等の研究開発を行っております。また、新たなコア技術の開発を目的とし、デジタルイムノアッセイや簡易尿検査システムに関する技術開発活動を行っております。並行して各製品に使用する抗体等、原料の創出に係る研究開発にも注力しております。 (2)研究開発体制 研究開発については、開発本部が開発計画を統括し、研究開発部にて研究開発活動を実施しております。 研究開発部の正社員のうち多くが、博士・修士の学位を有しております。加えて、開発本部の各マネージャークラスの社員は化学反応、抗体反応、酵素反応、知的財産等の各技術分野において、豊富な業務経験、関連技術に係る専門資格を有しており、高度かつ多様な専門性を有する研究開発体制を構築しております。また社内に不足する知見を補うために、高い専門性を有する外部顧問を招聘し、一定の頻度で社内勉強会等を開催しております。 研究員は、担当技術分野ごとに、応用開発課、技術開発課及び基礎開発課の3つのグループに所属しております。研究開発活動においては、社内の開発案件会議で討議され承認された研究開発テーマごとに、研究開発部と各課を横断したメンバーからなるプロジェクトチームが組成され、研究開発活動に取り組んでおります。 また、臨床検査部では臨床検査受託(サービス)の開始に向けた準備をしており、受託検査を通して独自の検査サービスを提供する他、臨床現場の課題やニーズをより深く把握し、研究開発に活用してまいります。 (3)主な研究開発活動とその成果 当事業年度における主な研究開発活動は、以下のとおりであります。 2023年11月に、業務提携先であるiBody(株)のEcobody技術により開発した抗SARS-CoV-2ウサギモノクローナル抗体を適用した、新たな新型コロナウイルス抗原検査キットが承認され、鼻腔及び鼻咽頭検体を使用する製品、また唾液を検体とする製品、双方に当該新抗体は適用されており、従来製品よりも更に性能が向上されました。 新型コロナウイルス抗原検査キットについては、更なる性能向上を目的とした改良・改善を継続し、また新たなコア技術を活用したPOCTの開発に向け、研究開発に取り組んでおります。 2023年4月には、血中亜鉛濃度を簡便に測定する検査システムとして、亜鉛キット「アキュリード 亜鉛」とその測定機である「アキュリード」を開発し、ノーベルファーマ社より販売を開始しております。当該製品は医療現場にて血中亜鉛濃度の測定結果を速やかに把握し、治療方針の策定に寄与することを目的として製品化されたものであり、当社の今後の注力領域の一つである慢性疾患領域の製品であります。 引き続き、慢性疾患やヘルスケア分野における新製品の実現に向け、研究開発に取り組んでおります。 (4)研究開発活動の総額 当事業年度における研究開発費の総額は1,132,023千円であります。
主要な設備の状況494字
2【主要な設備の状況】 当社は、神島本社・工場及び清水町事業所を設けております。2025年6月30日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械及び装置(千円)工具、器具及び備品(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)神島本社・工場(静岡県伊豆の国市)工場・事務所設備545,465973,185159,779114,634(8,730.44)140,4821,933,545191(126)清水町事業所(静岡県駿東郡清水町)事務所設備267,0826,294197,357-12,639483,37272(6)新三島工場(静岡県三島市)新工場建設用地--3,5491,620,000(34,081.28)8,113,4019,736,951- (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、車両運搬具、特許権、ソフトウエア、建設仮勘定を含んでおります。2.現在休止中の設備はありません。3.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。4.当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
監査の状況2,235字
(3)【監査の状況】① 監査役監査の状況 当社は、2020年9月29日開催の定時株主総会において、監査役会設置会社になりました。常勤の監査役1名と非常勤監査役2名(社外監査役2名)で構成され、監査の方針、職務の分担等については、当該3名の監査役により構成された監査役会にて定め、監査役監査を行っております。監査役監査の具体的内容としては、各監査役は、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部監査部門その他の使用人等と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、取締役会その他重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めており、加えて、常勤監査役は重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産の状況を調査しております。また、内部統制システムについて、取締役及び使用人等からその構築及び運用の状況について定期的に報告を受け必要に応じて説明を求めております。さらに、会計監査人とも連携し報告収受等を行い、取締役の職務執行を監督しております。 当事業年度において、月1回の定例及び臨時の監査役会を開催しており、監査方針及び監査計画の策定、取締役の職務執行状況、内部統制システムの整備・運用状況及び会計監査人の監査の方法及び結果の相当性等について審議・決議を行っております。個々の監査役の出席状況については次のとおりであります。氏名開催回数出席回数遠藤 佳孝1414中川 真紀子1414Caroline F.Benton1414 ② 内部監査の状況 当社は内部監査部門として、内部監査室(2名専任)を設置しております。内部監査室は代表取締役社長直轄の組織として、内部監査規程、内部監査計画等に基づき、当社組織に対し業務監査・コンプライアンス監査を実施し、定期的に代表取締役、取締役会及び監査役会に報告しております。また、監査役会及び会計監査人と定期的に情報交換を行うことで、相互に連携を図り、監査の効率的な実施に努めております。 ③ 会計監査の状況a.監査法人の名称EY新日本有限責任監査法人 b.継続監査期間4年間 c.業務を執行した公認会計士指定有限責任社員 業務執行社員 伊藤 智章指定有限責任社員 業務執行社員 岡本 周二 d.監査業務に係る補助者の構成公認会計士 4名 その他13名 e.監査法人の選定方針と理由 EY新日本有限責任監査法人は、監査法人の品質管理体制、独立性、当社のビジネスに対する知識・理解に問題がないこと、監査計画並びに監査報酬の妥当性等を総合的に勘案して、選定しております。 監査役会は、監査法人の品質管理体制・独立性、監査実績、監査計画の基本方針等を骨子とする選定基準と、監査チームの独立性・専門性、監査報酬の水準・適切性、監査役・経営者等とのコミュニケーションの状況、不正リスクへの対応等で構成する評価基準を定め、毎期実施する会計監査人の相当性評価をもって、選解任に係る決議を行っております。現在の会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人においては、監査役が定めた上述の基準に対し、必要かつ十分な評価結果であることから同法人を選定することが適当であると判断しました。なお、会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合における会計監査人の解任の他、会計監査人がその職務を適正に遂行することが困難であると判断した場合には、監査役会が会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、取締役が当該議案を株主総会に提出することとしております。 f.監査役及び監査役会による監査法人の評価 監査役及び監査役会は、上記のとおり監査の相当性に係る評価を毎期実施しており、現在の会計監査人について評価を実施した結果、同法人による職務は適正に遂行されていることを確認しております。なお当該評価の実施に当たりましては、財務・経理部門及び内部監査部門による会計監査人の評価も合わせて実施しており、その結果を重要な要素として参考にしております。 ④ 監査報酬の内容等a.監査公認会計士等に対する報酬前事業年度当事業年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)40,0003,50041,830-(注)前事業年度における非監査業務の内容は、新規上場に係るコンフォートレター作成業務であります。 b.監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬(aを除く) 前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容 前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 d.監査報酬の決定方針 当社の会計監査人に対する監査報酬については、監査日数、規模、業務の特性等の要素を勘案したうえで決定しております。 e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由 当社の監査役会は、会計監査人及び社内関係部署からの必要な資料の入手や報告を受ける他、過年度における会計監査人の職務遂行状況や当事業年度の監査計画の適切性並びに効率性等を確認のうえ報酬見積りの算出根拠を検証した結果、会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。
株式の保有状況1,061字
(5)【株式の保有状況】① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的の投資株式とし、それ以外の株式を純投資目的以外の投資株式と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式について、取引先との良好な信頼関係を構築することで、事業基盤や取引関係を強化し、当社の持続的な企業価値の向上に資すると判断した場合において、当該株式を保有していく方針としております。また、当該保有株式の継続的な保有の合理性については、取締役会等において、取引額、将来的なビジネスの可能性、保有に伴う便益やリスク、資本コストとの見合い等を勘案したうえで総合的に検証し、その結果、保有の合理性が低い株式については、市場環境等を考慮しつつ、売却を行うことを基本方針としております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式94,064,743非上場株式以外の株式113,393 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式44,041,369事業提携のため非上場株式以外の株式11,293取引先持株会を通じた取得 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)わかもと製薬(株)43,34438,450(保有目的・業務提携等の概要)当社製品の販売先であり、取引関係の維持・強化(定量的な保有効果)定量的な保有効果の記載は困難でありますが、保有効果の経済的合理性については、長期的な取引関係の継続による売上高の推移及び配当金等を検証し、取締役会で保有の適否を判断しております。(株式が増加した理由)取引先持株会を通じた株式の取得無13,3939,958 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
沿革5,075字
2【沿革】年月概要1987年4月体外診断用医薬品※1、研究用試薬及び各種分析用試薬の研究開発、中間体の製造を事業として、(株)タウンズを静岡県沼津市に設立1991年3月(株)アルノホールディングスを設立1991年3月(株)ビーエルを設立1994年4月静岡県沼津市小諏訪に本社社屋を新築2001年2月静岡県沼津市小諏訪に診断薬工場「ぬまづ工場」を新築2001年6月結核菌群抗原検査キット※2「キャピリア®TB」を発売2001年10月インフルエンザウイルス抗原検査キット※3「キャピリア®Flu A、キャピリア®Flu B、キャピリア®Flu A+B」を発売2002年10月開発部門を(株)ビーエルに移転2003年6月アデノウイルス抗原検査キット※4「キャピリア®アデノ」を発売2007年2月白金―金コロイド粒子物質・製法特許取得(注)2007年8月静岡県沼津市双葉町に本社社屋を新築2008年6月白金-金コロイドを利用したアデノウイルス抗原検査キット「イムノエース® アデノ」を発売2008年9月インフルエンザウイルス抗原検査キット「イムノエース®Flu」を発売2011年8月肺MAC症抗体検査キット※5「キャピリア®MAC抗体 ELISA」を発売2012年5月静岡県伊豆の国市に「神島工場」を新設2012年7月静岡県伊豆の国市に本社を移転2012年7月ISO13485認証取得※62012年10月RSウイルス抗原検査キット※7「イムノエース®RSV Neo」を発売2013年3月A群β溶血連鎖球菌抗原検査キット※8「イムノエース®Strep A」を発売2015年11月マイコプラズマ抗原検査キット※9「イムノエース® マイコプラズマ」を発売2016年1月ヒトメタニューモウイルス(hMPV)抗原検査キット※10「イムノエース®hMPV」を発売2016年4月(株)アルノジャパンを設立し、CITIC(現Trustar) Groupが資本参加2016年4月(株)アルノを設立2016年7月(株)アルノが(株)アルノホールディングスを吸収合併2016年7月(株)アルノ、(株)タウンズ、(株)ビーエルの3社が(株)アルノを存続会社とする合併を行い、社名を(株)タウンズに変更2016年7月(株)アルノジャパンが(株)タウンズ株式を取得し、完全子会社化2016年12月(株)アルノジャパンが社名を(株)タウンズホールディングスに変更2020年4月業容拡大に伴い静岡県駿東郡清水町に清水町事業所(R&Dセンター)を開設2020年10月新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット※11「イムノエース®SARS-CoV-2」を発売2020年11月ノロウイルス抗原検査キット※12「イムノエース® ノロ」を発売2021年7月(株)タウンズホールディングスが(株)タウンズを吸収合併し、社名を(株)タウンズに変更2021年11月新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「イムノエース®SARS-CoV-2 Ⅱ」を発売2022年4月唾液を適用検体種とする新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「イムノエース®SARS-CoV-2 Saliva」を発売2022年6月A群β溶血連鎖球菌抗原検査キット「イムノエース®Strep A Neo(Type A)」を発売2022年8月SARS-CoV-2抗原/インフルエンザウイルス抗原の同時検出キット「イムノエース®SARS-CoV-2/Flu」を発売2023年4月亜鉛キット※13「アキュリード 亜鉛」、汎用分光光度分析装置※14「アキュリード」を発売2024年6月新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「イムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ」を発売2024年6月東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場(注)本特許は、2024年2月を以て特許期間が満了しております。 [用語集]※1 体外診断用医薬品:人に由来する試料(血液、体液、尿、便等)を検体とし、検体中の物質等を検出又は測定することにより、疾病の診断を補助する検査薬であり、厚生労働省より認証や承認を受け、臨床的有用性が認められた製品として市場に販売できること、保険適用の対象となるものと定義されます。一方、研究用試薬は厚生労働省より認証や承認を受けておらず、保険適用は非対象であり、研究を目的とした検査薬となります。※2 結核菌群抗原検査キット:当社のキャピリア®TB Neoは、結核菌群が菌体外に分泌するタンパク質であるMPT64を検出する体外診断用医薬品であります。患者より採取された喀痰を培養した後に、その培養液を用いて検査をします。※3 インフルエンザウイルス抗原検査キット:インフルエンザウイルスにより引き起こされる代表的な呼吸器疾患の1つであります。ヒトに感染するインフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類があり、重篤な呼吸器症状を表すのはA型とB型になります。当社のイムノエース®Fluは、抗原検出用キットとして、鼻腔や咽頭からの分泌液中のインフルエンザウイルスのA型とB型の抗原を検出する体外診断用医薬品であります。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体を用いて検査します。※4 アデノウイルス抗原検査キット:アデノウイルスは、50以上の多くの血清型があることが知られ、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎、感染性胃腸炎等に関与しているウイルスであります。当社のイムノエース®アデノは、咽頭結膜熱や流行性角結膜炎の診断補助に役立てられており、呼吸器疾患だけでなく、眼科領域でも幅広く利用されております。呼吸器症状を呈している場合は咽頭から、眼症状を呈している場合は角結膜から、キット付属のスワブ(綿棒)により採取された検体を用いて検査します。※5 肺MAC症抗体検査キット:肺MAC症は、非結核性抗酸菌の1種であるMAC(Mycobacterium Avium Complex)菌により引き起こされる肺疾患であります。結核症が減少傾向にあるなか、非結核性抗酸菌症は増加傾向にあります。結核症と類似の症状を呈しますが、治療方法と感染症法上の扱いが異なるため、各種検査により結核菌との鑑別が必要になります。当社のキャピリア®MAC抗体 ELISAは、患者より採取された血清を検体として、血中に存在するMAC菌に対する抗体(抗GPL-core抗体)を検出することにより、MAC菌の感染有無を検出する体外診断用医薬品であります。※6 ISO13485:医療機器や体外診断用医薬品の品質保証のための国際標準規格であります。『Medical devices-Quality management systems-Requirements for regulatory purposes』(医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項)と題されております。海外向け販売においては、製造販売元として当社に必ず求められる規格でもあります。※7 RSウイルス抗原検査キット:Respiratory syncytial virus(RSV)は年齢を問わず、生涯にわたり感染を起こしますが、特に乳幼児期において非常に重要な病原体であり、生後数週から数か月の期間に最も重篤な症状を引き起こします。また、患者の多くは乳幼児、小児であり、症状はインフルエンザと類似しており、適切な治療と感染防止のためには必要な検査が求められます。当社のイムノエース®RSV Neoは、鼻腔の分泌液中のRSV抗原を検出する体外診断用医薬品であります。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体を用いて検査します。また鼻腔内に滞留する分泌液(鼻汁)を吸引して取得した鼻腔吸引液を検体として検査することもできます。※8 A群β溶血連鎖球菌抗原検査キット:A群β溶血連鎖球菌は、Strep Aとも呼ばれ、上気道炎や化膿性皮膚感染症等の原因菌として多彩な臨床症状を引き起こします。一般的な疾患は咽頭炎であり、その患者の多くは小児でありますが、一方、劇症型溶血性連鎖球菌感染症は、咽頭炎に比べて患者数は圧倒的に少ないのでありますが、子供から大人まで広範囲の年齢層に発症します。当社のイムノエース®Strep A Neoは、咽頭の分泌液中のStrep.A菌抗原を検出する体外診断用医薬品であります。キット付属のスワブ(綿棒)により、上気道炎や咽頭炎を呈した患者から採取した検体を用いて検査します。※9 マイコプラズマ抗原検査キット:Mycoplasma pneumoniaeという微生物が原因で引き起こす呼吸器感染症であります。他の呼吸器症状と類似することが多く、診断が遅延することでマイコプラズマ肺炎を引き起こすことがあります。マイコプラズマ感染症には適切な抗菌薬の投与が必要であり、疑わしい場合は検査することが重要であります。当社のイムノエース® マイコプラズマは、キット付属のスワブ(綿棒)により咽頭後壁を擦過した検体中のマイコプラズマニューモニエ抗原を検出する体外診断用医薬品であります。※10 ヒトメタニューモウイルス(hMPV)抗原検査キット:2001年に急性呼吸器感染症を引き起こす新しいウイルスとして発見されました。患者の多くは小児であり、インフルエンザやRSウイルスと類似の症状を示すことが知られているため、適切な診療のために原因となる病気の鑑別が求められていました。当社のイムノエース®hMPVは、鼻腔の分泌液中のhMPV抗原を検出する体外診断用医薬品であります。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体
EDINETのXBRLから抽出した原文です(長文は先頭のみ)。全文はPDF・XBRLの原本をご確認ください。
TIMELY DISCLOSURE
適時開示(TDnet)
監査等委員会設置会社への移行および役員人事に関するお知らせその他 · 15:30
PDF定款一部変更に関するお知らせその他 · 15:30
PDF特別利益(補助金収入)計上のお知らせその他 · 15:30
PDF2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)決算短信 · 15:30
PDF2026年6月期 決算説明資料決算説明資料 · 15:30
PDF(訂正)「中期経営計画の更新に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせその他 · 15:30
PDF出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。
PEERS
同業他社(医薬品・売上高順)
EDINET DOCUMENTS
提出書類
i
財務数値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」等をXBRL/CSVから決定論的に抽出した開示値です。各数値はEDINETの原本(PDF / XBRL / CSV)にそのまま遡れます。投資判断は原本をご確認ください。
公式EDINET ↗