中
中外製薬株式会社
CHUGAI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
1.26兆円売上高(FY2025)
22.1%ROE
82.1%自己資本比率
100財務健全性スコア
KEY METRICS
主要財務指標
FY2025の売上高は1.26兆円(前年比+7.5%)。営業利益は5,988億円(営業利益率47.6%)、当期純利益は4,340億円。総資産2.47兆円に対し自己資本比率は82.1%、ROEは22.1%。医薬品の中央値(ROE 5.9%)を上回る水準。営業キャッシュ・フローは3,863億円の創出、現金及び現金同等物は4,266億円。従業員数は7,872人。
開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。株価(終値)6,795円2026-09-04
PER25.8倍
PBR5.52倍
配当利回り4.00%
時価総額(概算)11.18兆円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。売上高1.26兆円+7.5%
営業利益5,988億円+10.5%
当期純利益4,340億円+12.1%
総資産2.47兆円
純資産2.03兆円
営業利益率47.6%
ROE22.1%
自己資本比率82.1%
EPS263.7円
BPS1,230.9円
1株配当272円
配当性向103.1%
従業員数7,872人
INDUSTRY POSITION
業種内のポジション
ROE22.1%中央値 5.9%
営業利益率47.6%中央値 7.9%
自己資本比率82.1%中央値 65.4%
健全性スコア100.0点中央値 65.0点
帯は医薬品(30社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。
FINANCIAL HISTORY
業績推移
資産
負債・純資産
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 総資産 | 純資産 | EPS | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1.26兆円 | 5,988億円 | 5,978億円 | 4,340億円 | 2.47兆円 | 2.03兆円 | 263.7 | 22.1% | 82.1% |
| FY2024 | 1.17兆円 | 5,420億円 | 5,430億円 | 3,873億円 | 2.21兆円 | 1.90兆円 | 235.4 | 22.0% | 86.1% |
| FY2023 | 1.11兆円 | — | 4,438億円 | 3,255億円 | 1.93兆円 | 1.63兆円 | 197.8 | 21.3% | 84.1% |
| FY2022 | 1.26兆円 | — | 5,312億円 | 3,744億円 | 1.87兆円 | 1.42兆円 | 227.6 | 28.7% | 76.2% |
| FY2021 | 9,998億円 | 4,219億円 | 4,194億円 | 3,030億円 | 1.54兆円 | 1.19兆円 | 184.3 | 28.0% | 77.2% |
| FY2020 | 7,869億円 | 3,012億円 | 2,982億円 | 2,147億円 | 1.24兆円 | 9,800億円 | 130.7 | 23.4% | 79.3% |
| FY2019 | 6,862億円 | — | 2,079億円 | 1,576億円 | 1.06兆円 | 8,540億円 | 96 | 19.6% | 80.6% |
| FY2018 | 5,798億円 | — | 1,214億円 | 925億円 | 9,195億円 | 7,565億円 | 56.4 | 12.8% | 82.2% |
| FY2017 | 5,342億円 | — | 970億円 | 727億円 | 8,525億円 | 6,929億円 | 44.4 | 10.9% | 81.2% |
| FY2016 | 4,918億円 | — | 744億円 | 536億円 | 8,063億円 | 6,465億円 | 32.7 | 8.4% | 80.1% |
| FY2015 | 4,988億円 | — | 873億円 | 611億円 | 7,874億円 | 6,273億円 | 112 | 10.0% | 79.5% |
| FY2014 | 4,611億円 | — | 762億円 | 510億円 | 7,395億円 | 5,978億円 | 93.5 | 8.7% | 80.6% |
| FY2013 | 4,260億円 | — | 778億円 | 509億円 | 6,972億円 | 5,329億円 | 93.5 | 9.3% | 83.6% |
営業CF3,863億円
投資CF-2,013億円
財務CF-3,079億円
現金及び現金同等物4,266億円
MAJOR SHAREHOLDERS
大株主
| 順位 | 氏名・名称 | 持株比率 |
|---|---|---|
| 1 | ROCHE HOLDING LTD(常任代理人 西村あさひ法律事務所) | 61.1% |
| 2 | 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 8.6% |
| 3 | 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 3.5% |
| 4 | STATE STREET BANK AND TRUSTCOMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 1.4% |
| 5 | THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 1.3% |
| 6 | JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 0.7% |
| 7 | SMBC日興証券株式会社 | 0.7% |
| 8 | JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 0.6% |
| 9 | 住友生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) | 0.6% |
| 10 | HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店) | 0.5% |
INTERIM RESULTS
中間期の業績(半期報告書)
| 中間期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 | 自己資本比率 | EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2025中間(〜2025-06-30) | 5,785億円 | 2,733億円 | 2,718億円 | 1,944億円 | 47.3% | — | 118.1 |
| FY2024中間 | 5,529億円 | 2,582億円 | 2,587億円 | 1,863億円 | 46.7% | — | 113.2 |
| FY2023中間 | 5,797億円 | 2,109億円 | 2,137億円 | 1,567億円 | 36.4% | — | 95.3 |
半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。
HUMAN CAPITAL
人的資本
平均年齢42歳
平均年間給与1,351万円
平均勤続年数15年
管理職に占める女性比率21.2%
男女の賃金の差異(全労働者)81.4%
男女の賃金の差異(正規雇用)81.2%
提出会社(単体)ベースの開示値です。
REMUNERATION
役員報酬
| 役員区分 | 報酬等の総額 | 員数 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外取締役を除く) | 6億円 | 4 | 1億円 |
| 監査役(社外監査役を除く) | 78百万円 | 3 | 26百万円 |
| 社外取締役 | 69百万円 | 3 | 23百万円 |
| 社外監査役 | 53百万円 | 3 | 18百万円 |
ANNUAL REPORT TEXT
有報本文
事業の内容1,144字
3【事業の内容】当企業集団は、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)、子会社15社及び親会社の子会社2社により構成されており、主な事業内容と企業集団を構成する各会社の当該事業に係る位置づけの概要は次のとおりであります。 医薬品事業18社国内事業:当社が製造した医薬品を、全国の特約店を通じて販売しております。製造については、一部医薬品の原材料をエフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド[本社:スイス]から購入しております。また、中外製薬工業㈱及びジェネンテック・インコーポレーテッド[本社:米国]に医薬品の製造を委託しております。研究業務については、㈱中外医科学研究所に医薬品の研究業務の一部を委託しており、また同社に研究用施設等の管理業務を委託しております。開発業務については、㈱中外臨床研究センターに臨床開発業務の一部を委託しております。また、中外製薬ビジネスソリューション㈱は当社の事務処理業務を請け負っております。 海外事業:欧州では、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが販売統轄会社として位置づけられております。エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドが当社一部製品を輸入し販売しております。欧州において、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド及び中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッドが英国における販売活動を、中外ファーマ・フランス・エスエーエスが欧州における輸入販売及びフランスにおける販売活動を、中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチがドイツにおける販売活動を行っております。台湾において、台湾中外製薬股份有限公司が医薬品の販売を行っております。中国においては、日健中外製薬有限公司が医薬品の販売を行い、医薬品学術情報を提供しております。また、泰州日健中外製薬工業有限公司が医薬品の生産を行っております。海外での研究開発活動は、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外製薬有限公司(中国)及び台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究を行っております。また、中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー(米国)及び中外ベンチャー・ファンド・エルピー(バミューダ)がスタートアップへの投資活動を行っております。 企業集団の関係概要図は次のとおりであります。2025年12月31日現在・子会社のうち、上場している会社はありません。・当社は、2025年11月にレナリスファーマ株式会社を取得し、同年12月に当社を存続会社とし、レナリスファーマ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等7,025字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことをMission(存在意義)とし、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーター」となることをEnvisioned Future(目指す姿)に掲げています。事業活動は、当社グループのCore Values(価値観)である「患者中心」、「フロンティア精神」、「誠実」に沿って推進しています。経営の基本方針は、社会との共有価値を創造し、社会とともに発展することです。この方針に基づき、患者中心の高度で持続可能な医療の実現に向けた価値創造モデルを策定し、2024年には重要課題(マテリアリティ)を総合的に見直しました。この結果、重点的に取り組むべき16項目を特定し、評価にあたっては、「環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)」と、「企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)」の両面から精査しています。ロシュとの戦略的アライアンスに加え、独自のサイエンス力と技術力を生かし、革新的創薬を柱とするイノベーションに集中することで、ESGやSDGsに代表される社会課題解決をリードする、世界のロールモデルを目指しています。これらの取り組みは、社会全体の持続性向上に寄与するとともに、当社グループの長期的な発展を支える基盤になると確信しています。 (2)目標とする経営指標当社グループはイノベーションの創出による企業価値の向上を重視し、革新的な新薬の創出に優先的に経営資源の配分を行っています。長期にわたる投資効率の指標としてCore ROICを重点的に管理するとともに、短中期的にも安定的な利益成長を達成できるよう、機動的で柔軟な事業運営に努めています。また、株主が提供した自己資本に対する収益性を測るROEも重要な指標であると考え、Core ROICを基盤としつつ、ROEも重視することで、事業価値及び株主価値の最大化をともに追求していく方針です。個別の開発テーマ等の投資判断におきましては、資本コストを踏まえた投資価値評価を行い、収益性と効率性を重視した意思決定を行っています。当社は、2021年に成長戦略「TOP I 2030」(後述)を策定し、「R&Dアウトプット倍増」「自社グローバル品毎年上市」という目標の達成を目指して取り組んでいます。「TOP I 2030」の推進にあたり、中期(3年)経営計画を廃止し、長期目標からバックキャストして現状とのギャップを埋めるための中間(3~5年後)目標を中期マイルストンとして設定・管理しています。これにより、計画の進捗や環境変化に応じてアジャイルかつ柔軟に軌道修正を図りながら、長期的な目標達成を目指しています。中期マイルストンの進捗や研究開発パイプラインの見通しの説明を通じて中長期的な事業活動の進捗の状況を開示し、その達成に向けた道筋を示すとともに、引き続き、単年度業績予想の公表や各説明会等の場で経営状況を説明し、当社の掲げる経営戦略の進捗を適時報告してまいります。 (3)環境認識と対処すべき課題世界には、未だ治療法のない疾患が数多くあります。加えて、世界人口の増加と各国における高齢化進展に伴い、医薬品への期待・ニーズは一層高まっています。また、ライフサイエンスや生成AI等のデジタル技術の飛躍的な進歩によって、異業種も含めた医療課題解決に向けたイノベーション創出機会が拡大しています。一方、各国において医療費等の社会保障費増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策はますます厳しくなり、持続可能な医療の実現が世界共通の課題となっています。限られた資源のもとで高度かつ持続可能な医療を実現するため、「真に価値あるソリューションだけが選ばれる」VBHC(Value Based Healthcare)の流れは着実に加速しています。また、デジタルをはじめとする多様なプレーヤーがヘルスケア領域に参入することで、既存業界の枠を超えた競争もこれまで以上に熾烈化してきています。加えて、国際政情不安による地政学リスクの増加、エネルギー価格、インフレ等による事業運営の不確実性の高まりとともに、地球環境保全や情報セキュリティ対策、AI(人工汎用知能)等の加速度的な技術革新への対応等、事業運営にあたり取り組むべき課題自体も広範になっております。 そのような中、革新的な医薬品の提供を使命とする私たちの最重要課題は、「イノベーションの追求」であると考えています。患者さん一人ひとりにとって最適な医療の実現に向けて、新たな治療ターゲットの探索や創薬技術のさらなる革新により、アンメットメディカルニーズに応える新薬の創出が求められます。さらに、ビッグデータやAIなどのデジタル技術の進化を柔軟に取り入れ、従来の創薬力にとどまらない能力を獲得・強化することが競争優位性を確保する鍵となります。また、グローバル規模での財政圧力の増加によって製薬企業の経営環境が厳しさを増す中、限られた資源をイノベーションに集中投資できる体制への変革が一層求められています。当社グループは、独自のサイエンス力と技術力、ロシュとの戦略的アライアンスを基盤として、国内トップクラスの成長を実現してまいりました。ロシュの充実したパイプラインにより日本市場における安定した収益基盤を確保しながら、自社創製品の後期開発や販売ではロシュのグローバル・プラットフォームを活用する、高い生産性を実現するビジネスモデルにより、自社創薬に資源を集中し、革新的な研究開発プロジェクトを連続的に創出しています。その結果、これまで6品目/9つのプロジェクトで当社創製医薬品(アクテムラ、アレセンサ、ヘムライブラ、エンスプリング、ネモリズマブなど)が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)*」に指定されるなど、当社グループの創薬力は世界的に高い評価を受けています。今後も、革新的新薬をいち早く創出・患者さんにお届けすることで、当社の企業価値向上と社会課題解決を目指してまいります。 * 画期的治療薬(Breakthrough Therapy):重篤または致命的な疾患や症状に対し、既存治療を上回る改善が期待される治療薬候補 (4)2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」当社グループは、ミッションステートメントに掲げたEnvisioned Future(目指す姿)の実現を目指し、2030年に到達すべきトップイノベーター像を具現化するとともに、その実現に向けた成長戦略「TOP I 2030」を策定し、2021年から展開しています。2024年7月にはこれまでの進捗と成果について振り返り、戦略を精緻化しました。 2030年トップイノベーター像 1)「世界の患者さんが期待する」世界最高水準の創薬力を有し、世界中の患者さんが「中外なら必ず新たな治療法を生み出してくれる」と期待する会社2)「世界の人財とプレーヤーを惹きつける」世界中の情熱ある人財を惹きつけ、ヘルスケアにかかわる世界中のプレーヤーが「中外と組めば新しい何かを生み出せる」と想起する会社3)「世界のロールモデル」サステナビリティを事業活動の中心に据え、社会課題解決をリードする企業として世界のロールモデルである会社 「TOP I 2030」の二つの柱は、「世界最高水準の創薬の実現」と「先進的事業モデルの構築」です。独自のサイエンス力と技術力を駆使して数々の革新的新薬を生み出してきた当社は、今後さらに創薬力を大きく向上させ、世界のアンメットメディカルニーズに応えるソリューションを継続的に世に送り出せる体制構築・強化を目指します。具体的には、R&Dアウトプットを2030年までの10年間で2倍に拡大し、革新的な自社開発グローバル品を毎年上市できる会社を目指します。そして、環境変化や技術進化を踏まえた先進的事業モデルの構築にも取り組んでまいります。特にデジタルを活用したプロセスや価値創出モデルの抜本的な再構築によって、バリューチェーン全体にわたる生産性の飛躍的向上と、一人ひとりの患者さんにとっての価値・製品価値の拡大を目指してまいります。 「TOP I 2030」では、戦略の二本柱を実現するための具体策として、「創薬」「開発」「製薬」「Value Delivery」の各バリューチェーンとそれを支える「成長基盤」を合わせた「5つの改革」を掲げています。 ①創薬改革 創薬においてはR&Dプリンシプルに基づき、低分子・抗体など既存技術の革新に加え、中分子など新たなモダリティへの挑戦を通じて、従来は困難とされてきた標的へのアプローチや、現状の技術では対応困難な作用機序の実現を目指しています。また、有効性・安全性・DMPK*1・物性などあらゆる面で妥協のない高品質な開発候補分子の創出に取り組むことで、臨床開発における高い成功確率の実現に繋げてまいります。私たちには国内アカデミアとのコラボレーションによって多くの医薬品を創製してきた歴史があり、現在は国内外のアカデミアやスタートアップとの連携にも積極的に取り組んでいます。2024年1月からは米国を拠点とするコーポレートベンチャーキャピタルとして中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーも活動を開始し、自社単独での創薬にこだわるのではなく、外部の技術や標的をより積極的に探索し、自社の強みと融合させることで、創薬機会の拡大を目指します。未解決の医療ニーズに応え、治癒・早期介入・予防につながる革新的な創薬を追求し、患者さんのQOL向上に引き続き貢献してまいります。 *1:生体内における薬剤の挙動のこと(薬物代謝/薬物動態) ②開発改革 「TOP I 2030」の取り組みが進むにつれ、臨床へ移行するプロジェクトが増加していきます。臨床開発力とヒト予測力*2の融合による適切・迅速なGo/No-Go判断を行い、医薬品として実用化できる可能性が高いと判断された時点で、複数の適応症で同時開発を進め、プロジェクト全体の価値の早期最大化を目指します。また、より早期の段階からTrue endpoint*3の実証に取り組み、後期開発に繋げることで患者さんへの提供価値を最大化します。後期開発においてはデジタル技術やリアルワールドデータ(RWD)を活用し、臨床試験のあり方そのものを見つめ直すことで、業界をリードする新規価値の創出と更なるオペレーションモデルの変革を図っています。さらにはロシュとの協働を通じて、開発戦略や試験計画への提言を行うことで成功確率の向上に寄与し、グローバルでの製品価値最大化にも貢献していきます。これらの取り組みにより、プロジェクトの価値最大化と生産性向上を追求してまいります。 *2:ヒトの身体の中での薬の動態や生体反応をモデリング&シミュレーションすること*3:患者さんのQOL向上に寄与する真の価値 ③製薬改革 「R&Dアウトプット倍増」の目標に合わせて、中分子を始めとする新たな創薬アイディアを医薬品として患者さんへ届けるために、世界水準の製薬技術を追求します。創薬・早期開発~製薬の機能間連携を今まで以上に強化し、高活性かつ薬剤化することの難易度が極めて高い化合物の原薬・製造・分析技術を確立することで、生産体制を整えていきます。抗体分野においてもさらなる技術振興に取り組むことで、臨床開発品の選定から治験申請までの期間を短縮し、開発のスピードアップを実現します。生産においては、デジタルやロボティクス活用を含めた生産技術力の強化によって効率化を図ると同時に、災害や地政学リスクに備え、頑健で競争力のある供給体制の構築に注力しています。スマートファクトリーの実現に向けた各種取り組みと、上市後CMO*4など外部パートナーとの協働を通じたデュアルサイト戦略を基本とし、必要な設備投資にも積極的に取り組むことで、安定供給とグローバル水準の品質実現を目指してまいります。 *4:医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization:CMO) ④Value Delivery改革 Value Delivery機能においては、これまで以上に「患者さん中心の最適な治療選択に貢献する迅速なエビデンス創出」と「革新的な顧客エンゲージメントモデル確立による高度な価値提供」を追求します。具体的には、ロシュやアカデミアとの協働を通じて質の高い臨床研究と製造販売後調査を実施し、市販後早期に価値の高いエビデンスを提供することを目指しています。また、非臨床・トランスレーショナルリサーチの知見を活用し、副作用リスクの予測や重篤化回避に取り組むなど、個々の患者さんに寄り添った適正使用の取り組みを推進しています。新たな顧客エンゲージメントモデルの確立においては、顧客との接点に劇的な変化が起こっている環境を踏まえ、リアル・リモート・デジタルを組み合わせたマルチチャネル戦略を展開しています。今後さらに多様化する顧客のニーズに合わせ、柔軟なアプローチを選択できる体制を構築し、価値提供の最適化を図ってまいります。組織の効率化に向けては、優先的に資源投入すべき業務の洗い出しと、成長・新規領域への資源シフトを進めており、それを実現するために、成熟品を中心とした第三者への譲渡など、スリム化も継続して検討していきます。また、デジタル活用やアウトソーシング・業務集約など、これまでの慣習・プロセスに捉われない抜本的な変革を進めてまいります。 ⑤成長基盤改革 各バリューチェーンにおける改革と並行して、イノベーションの創出と成長戦略の実現を支える「全社基盤」として、特に下記5つの領域を重点分野として継続強化に取り組んでまいります。 「人・組織」:経営戦略に基づいた人財マネジメント方針の徹底を通じて、人的資本の強化を進めていきます。年齢・属性に拘わらずチャレンジを後押しする人事制度の運用を徹底するとともに、社員一人ひとりのキャリア開発を含めた自律的な学び/成長の支援、デジタル人財やサイエンス人財など、戦略遂行上の要となる高度専門人財の獲得や
事業等のリスク11,437字
3 【事業等のリスク】1.当社グループにおけるリスクマネジメント(1)ERM導入によるリスク管理の高度化当社グループでは、企業価値の最大化を図るため、事業活動に係るあらゆるリスクを可視化し、統合的に管理を行うERM(Enterprise Risk Management=全社的リスクマネジメント)のフレームワークを導入しています。具体的には、リスク選好に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク(=戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスク)」と「オペレーショナルリスク(=事業の円滑な運営を阻害するリスク)」に分け、一元的に把握・整理・可視化することで、効果的・効率的な運用によるリスク管理の高度化を図っています。また、適切な情報開示により、社外のステークホルダーへの説明責任を強化していきます。 (2)ITシステム活用によるリスク管理の効率化全社的なリスク情報の把握・分析・フィードバックを効率的に推進するため、独自のリスクマネジメントシステムを開発し、グローバルで運用しています。このシステムには、各部門がリスクマップや年間リスク対応計画、インシデント報告、BCPマニュアル等を登録し、データベース化して一元管理することで、グループ全体のリスク分析や各部門での対策の状況をモニタリングしています。 2.中外製薬リスクアペタイト ステートメント当社グループでは、社会との共有価値を創造し、企業価値を高める企業活動の根幹となるミッションステートメント(=企業理念)を基点とした事業経営において、経営目標の達成や戦略遂行に影響を与える事象を「リスク」と捉えています。戦略の意思決定や事業の円滑な運営を適切に行うために、リスクへの対応方針である「リスクアペタイト ステートメント」を定め、健全なリスクカルチャーの醸成を図るとともに、従業員の一人ひとりがこれに基づいて判断・行動することを徹底します。 ●イノベーションの追求に伴うリスク・私たちの存在価値と成長の源泉は「イノベーションの追求」です。最先端のサイエンスと技術、デジタルによる革新を追求することで世界のアンメットメディカルニーズに対する新たなソリューションを生み出し、高度で持続可能な医療の実現を通じて社会との共有価値を創造する「ヘルスケア産業のトップイノベーター」を目指します。そのために、自社を取り巻く経営環境や自社の強み、患者ニーズやサイエンス・技術の見通し等を分析し、社会の期待や要請を適時・適切に捉えるとともに、経営戦略や各々のプロジェクトに潜在するリスクを特定し、経営資源の選択と集中、外部パートナーとの協働・連携の強化、デジタル技術の活用など然るべき対策を講じながら、リスクをとって積極果敢にイノベーション創出の機会を追求します。・また、イノベーション創出には、従業員の多様性や人権を尊重することで、すべての従業員の能力が最大限発揮できる働きやすい環境の実現と、戦略目標達成・イノベーションを牽引するリーダー人財・高度専門人財の早期発掘・育成・獲得及び活躍促進が不可欠です。そのため、私たちは、挑戦を奨励する組織文化・制度設計・意思決定を大切にしながら、高度かつ多様な人財が活躍し、イノベーションが創出されることを妨げるあらゆるリスクを低減することに努めます。 ●製品の有効性・安全性/品質保証/安定供給を阻害するリスク・私たちが患者さんに価値を安定的にお届けするにあたっては、何よりも製品の有効性や安全性、そしてそれらを担保する品質が重要であると考えます。・そのため、私たちの製品やイノベーションの追求には、予期せぬ副作用が生じるリスクが潜んでいることを意識しながら、有効性と安全性を十分に検証し、経済性も考慮のうえで高い品質を保証しなければなりません。・私たちは、デジタル技術を活用しながら、自社のビジネスプロセス(研究、開発、製薬、マーケティング、メディカルアフェアーズ、医薬安全性、知的財産・信頼性保証)における適正な分業・協業や、グローバルサプライチェーンマネジメントの強化、グローバル品質システムの維持・向上を図るとともに、生産性向上や在庫管理の最適化など、経済性の側面での対策も進めながら、有効性・安全性が確保され、品質が保証された製品の安定供給を阻害するリスクを回避・低減することに努めます。 ●コンプライアンスに反するリスク・私たちは、「企業倫理は業績に優先する」という考えのもと、法規制の遵守にとどまらず、社会的価値観や倫理観、公正さに基づく判断・行動を徹底します。そのために、ミッションステートメント(=企業理念)やグループ コード・オブ・コンダクト、その他社内規程/ガイドラインを制定しており、これに反する判断・行動を認めず、コンプライアンスに反するリスクは一切受け入れません。また、サプライチェーン全体におけるコンプライアンスを徹底するため、自グループ内のみならず、ビジネスパートナーに対しても、高い倫理観に基づく誠実な活動を求めます。 ●企業市民としての社会的責任に関するリスク・私たち企業は、地球環境や社会システムのうえで成り立っており、これらを維持・発展させることは、企業市民としての私たちの責任であると考えます。・私たちは、地域社会や国際社会が抱える課題に向き合い、中外製薬としてどのように貢献すべきかを考え、様々なステークホルダーと連携・協働しながら、事業活動のあらゆる場面において、環境保全や人権の尊重に努めることで、地球環境問題や社会的な差別・人権侵害の解消に貢献するとともに、医療・福祉を中心とした社会貢献活動に積極的に取り組むことで、企業市民としての役割・責任を果たせず、社会からの信頼を損なうリスクを低減することに努めます。 3.主要なリスク当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により重大な影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針です。なお、これらは当社グループにかかるあらゆるリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。また、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営戦略に関連する潜在リスク(戦略リスク)① 技術・イノベーションについて当社グループは、ロシュとの戦略的アライアンスのもと、自社の強みである独自のサイエンス力と技術力をさらに強化することで、革新的な医薬品の創出に努めています。そして、成長戦略「TOP I 2030」においては、RED機能(研究・早期開発)への経営資源の集中を推進しています。特にこれまでの低分子・抗体医薬では解決できなかったアンメットメディカルニーズ(有効な治療方法が見つかっていない疾病に対する治療薬への要望)を満たすことが期待される中分子技術の開発に注力するとともに、生成AIを含むデジタル技術を活用し研究開発プロセスの効率化に積極的に取り組んでいます。しかしながら、医薬品の研究開発には、常に不確実性(自社創薬・技術開発の遅れや失敗)が存在します。このため、当社が目指す価値の創出や戦略の実行が遅延する影響が想定されます。さらにサイエンス、医薬品開発、デジタルという日進月歩の分野では、破壊的な新技術・ソリューションや競争優位性の高い革新的な製品などの出現により、自社技術・プロジェクトの価値低下や開発計画の見直しが生じるリスクがあります。また、当社グループは業務活動において、当社グループ所有、あるいは適法に使用許諾を受けたものであるとの認識の下で様々な知的財産権を使用していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者による侵害や第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当社技術・製品の価値や競争力の低下、さらには特許係争や特許権侵害訴訟に至るケースも考えられ、他社特許による技術の実施不能、製造・販売の差し止めや高額な損害賠償金の請求や実施料の支払いの発生など戦略遂行に重大な影響を与える可能性があり、他企業への委託・共同研究、他者との共創等の増加に伴い知的財産にかかわる情報の流出や漏洩が生じるリスクもあります。こうしたリスクに対しては、最先端のサイエンス・技術の探求を怠らず、経営資源の選択と集中により自社技術の優位性を高めるとともに、マルチモダリティ戦略の追求や中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーによる投資を含む外部連携の強化により多様性を高めることに努めています。中分子医薬の開発にあたっては関連する社内組織(創薬・開発・製薬)の連携強化、知的財産権については、外部の専門家やライセンス先との連携強化を含む、万一の特許訴訟に備えた知財戦略のさらなる強化、関連法規等の動向の継続的な注視、分析や、ノウハウを含めた営業秘密にかかわる情報管理の強化を行うことで、影響を最小化する積極的な知財対応を図ってまいります。当社グループはリスクアペタイトに基づき、リスクをとって積極果敢にイノベーション創出を追求するとともに、職場環境や組織文化、人財育成などの面からもイノベーションを奨励する仕組みを強化し、イノベーション創出を妨げるリスクの低減に努めます。 ② 制度・規制・政策ⅰ.医療制度・薬事規制・政策の変化国内外において高齢化の進展や医療費高騰などによる財政逼迫を背景とした薬剤費引き下げ政策の強化が進められています。加えて、米国による医薬品関税や医薬品最恵国価格等の政策変更は、業界全体でサプライチェーンの大幅な見直しや米国と主要国との相対的な医薬品価格差の縮小につながりうる動きであり、日本におけるドラッグラグ・ドラッグロスの悪化をもたらすことが危惧されます。 社会保障関係費については、高齢化による自然増に加え足元の経済・物価動向等を踏まえた増加分を反映する方針が示され、医療費抑制の取り組みが一層強化されることが予想されます。日本においては昨今の安全保障政策やこども・子育て政策の強化に伴う費用増大が進む一方、減税や社会保険料負担の軽減の議論も生じる環境において、社会保障財政への影響も一層大きくなることが懸念されます。2026年度薬価制度改革では、新薬の薬価算定方法や薬価維持制度等は先送りとなり、2021年度に導入された中間年改定も含めて毎年薬価改定が実施される中、薬価引き下げ政策やバイオシミラー(バイオ後続品)等の振興政策が拡大すると、これまで以上に収益の低下等を招き、研究開発への投資を妨げるリスクがあります。さらに、度重なる薬価制度や運用の変更は市場の予見性を低下させ、企業の経営計画に大きな影響を与えるリスクがあります。また、海外においても、医療制度・薬事規制改革の内容や環境動向を適時適切に把握し、開発・薬事計画などの対応を進めているものの、規制対応等についての国内外の複雑な調整により、計画の修正や開発が遅延することが懸念されます。一方、こうした政策により今後ますます「Value Based Healthcare(価値に基づく医療)」が進展し、真に価値のあるソリューションだけが選ばれる傾向がより一層強まると考えられます。当社グループは、引き続き患者さんを含むビジネスパートナーへの高い価値の証明に注力し、継続的な次世代品の開発・知財対応、製品ポートフォリオ管理の強化、導出先とのグローバルな価格戦略や市場展開戦略の整合性確保を図ります。そして、日本のみならずグローバルインテリジェンス機能の強化等に取り組んでまいります。 ⅱ.環境規制の更なる厳格化環境保全活動はすべての事業活動を支える重要な基盤であり、長期的視点で環境リスクを低減するだけでなく将来コストの低減、イノベーションを生み出す施設・設備体制構築にもつながるため、企業価値向上に大きく影響するものと考えています。一方で、企業を取り巻く環境規制の更なる厳格化により、規制対応のために設備投資計画の見直し・遅延や、追加的な費用計上など環境投資の増大やサプライチェーンの見直しが生じる可能性があります。規制動向のタイムリーな把握に加え、最新技術の動向把握と的確な取り入れを行っていくとともに、世界的な環境コンセンサスを踏まえた挑戦的な「中期環境目標2030」を掲げ、ロシュや外部パートナーとの連携による革新的な地球環境保全活動とエビデンスに基づく能動的な情報開示により、環境課題の解決をリードする世界のロールモデルを目指していきます。 ③ 市場・顧客についてⅰ.市場・顧客の価値変化近年、競合品やバイオシミラー(バイオ後続品)の浸透加速による競争激化に加え、再生医療、細胞/遺伝子治療、核酸医薬など新たな治療手段(モダリティ)の進展や、予防・診断・治療・予後まで一貫した価値提供が求められるようになり、「治療」の価値が変化してきています。さらに、近年、製薬企業における医薬品の情報提供体制、すなわち顧客タッチポイントのあり方も大きく変容しています。このような状況において、市場での地位や製品競争力が低下し収益が悪化するリスク、あるいは顧客が期待するニーズやそれに伴う顧客タッチポイントの急速な変化等により、医薬品の情報提供体制の抜本的な見直しを迫られる可能性があります。こうしたリスクに対応するべく、当社グループでは連続的な新薬の創出と製品ラインアップの多様化に努めるとともに、営業資源を適切に配分し、顧客が必要とするデータや情報提供を加速し、顧客エンゲージメントを強化してまいります。そのためにもDXの推進による効率化と環境変化に迅速に対応できるフレキシブルな組織体制の構築を目指します。 ⅱ.経済安全保障・地政学リスクの高まりによる事業制限各国間の緊張の高まりによる先端技術、機微データ、戦略物資、人権への規制強化をはじめとした各国の経済安全保障政策の変化や、国際紛争等による物流への影響など、近年、経済安全保障・地政学リスクの高まりに端を発した企業活動への影響が高まっています。 これら国際情勢の急激な変化や武力衝突の発生によって、関連地域における事業制限・撤退(生産・R&D・販売拠点の喪失、利益減少、将来の機会損失)、関連地域におけるサプライチェーン停滞・供給遅延、経済安全保障規制の強化による研究開発活動や調達への制約などのリスクが生じる可能性があります。これらの経済安全保障・地政学リスクに対して、当社グループでは、各国法制や政策の動向など外部情報をタイムリーに入手し、事業影響分析を行う社内体制の強化に取り組んでいます。有事に備えた従業員安全管理体制の再整備、事業継続計画(BCP)の策定、研究開発活動への影響の分析やサプライチェーン全体の可視化に努めるとともに、安全在庫の確保や供給バックアップ体制(デュアルサイト化)の強化などを行っています。 ④ 事業基盤についてⅰ.ロシュとの戦略的提携当社グループはロシュとの戦略的提携により、日本市場におけるロシュ・グループの唯一の医薬品事業会社となり、また日本以外の世界市場(韓国・台湾除く)ではロシュに当社製品の第一選択権を付与し、多数の製品及びプロジェクトを同社との間で導入・導出しています。独自のビジネスモデルによって安定的な収益基盤を確立し、飛躍的な成長を遂げてまいりました。これまでの戦略的提携における合意内容が変更となった場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、ロシュの創薬・グローバルネットワークが不調に陥り、ロシュからの導入品による安定的な収益源が低下するリスクやロシュに導出した自社品のグローバル市場浸透の遅延や収益低下などのリスクがあります。当社グループとしてはイノベーションを追求し、革新的な医薬品を連続的に創出するとともに、ロシュとの連携によりグローバル開発・マーケティング計画の策定及び実行の支援を強化するとともに、ロシュ・グループ全体の価値最大化に資する導出戦略の実行と、ロシュ戦略を踏まえた最適な導入戦略の実行と第三者からの導入の探索に努めてまいります。 ⅱ.人財獲得の遅れ、人財のミスマッチや不足・余剰、イノベーションの創出阻害当社は2025年に新たな人事制度を導入し、ジョブ型人事制度の全社展開により、適所適材に基づく人財配置の加速、タレントマネジメントの高度化を進めています。本制度では、会社主導による異動から手挙げによる異動(ジョブポスティング)へのシフトにより、社員が年齢や属性に関係なく自らのキャリアをデザインし、その実現に向けて成長する人財を適切に処遇し、「挑戦・成長」を推奨する組織文化の醸成を図っています。また、サイエンス人財やデジタル人財など戦略遂行上の要となる高度専門ポジションを大幅に拡充し獲得・定着・育成に注力しています。一方、人財獲得ニーズの競合等による獲得の遅れや社内育成に要する時間、環境変化により求められる業務・質の変化による人財のミスマッチや不足、余剰等が発生するリスク、あるいは期待される組織文化が醸成されず、イノベーションの創出が阻害されるリスクなどが想定されます。こうしたリスクに対応するべく、戦略遂行上の要となる人財要件を明確に定義・更新し、社外にも積極的に開示することで、計画的に獲得を目指す一方、社内では人財育成・スキル獲得に向けて、人財ポートフォリオの可視化やスキルマネジメントの強化などに努めています。今後も、組織・人財への投資を強化し、環境動向を見極めた組織体制と戦略的な採用計画を実施するとともに、イノベーション創出を促進する人事戦略・組織風土改革の実行に努めてまいります。 ⅲ.デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進阻害すべてのバリューチェーンで生産性の飛躍的向上を図るべくデジタル投資を加速する一方、デジタル技術の導入や社内進展が遅れ、戦略実行が遅延するリスク、社内のデジタルケイパビリティ不足、デジタル活用に伴うリスクの理解不足等によりDXの停滞やトラブルが発生するリスクがあります。例えば、生成AIの活用が遅れることによる競争力低下のリスクや生成AIのアウトプットの過信リスクが想定されます。技術動向把握のアンテナ機能を拡充するとともに、専門部署強化と外部専門人財の積極活用によるケイパビリティの強化、生成AIの全社的活用推進とコンプライアンスリスク評価体制の強化に取り組みます。 (2)事業遂行におけるリスク(オペレーショナルリスク)① 品質・副作用についてⅰ.製品品質に関するリスク当社グループは、患者さんに価値の高い製品・サービスを安定的に提供することを重要課題と認識しております。この目標を達成するため、製品や情報の質、業務プロセスの質、そしてそれらを支える人財の質を通じて事業の信頼性確保に努めております。また、社外パートナー企業との定期的な品質・風土に関する議論の場を設けるなど、サプライチェーン全体での品質向上に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により製品品質に懸念が生じた場合には、患者さんへの影響はもちろんのこと、販売中止・製品回収、訴訟や損害賠償、社会的信頼の低下などを招く可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。このリスクに対
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析9,439字
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比連結損益(Core実績)売上収益12,57911,706+7.5%製商品売上高10,7789,979+8.0%その他の売上収益1,8011,727+4.3%売上原価△3,515△3,381+4.0%売上総利益9,0658,325+8.9%研究開発費△1,801△1,769+1.8%販売費及び一般管理費△1,032△1,022+1.0%その他の営業収益(費用)027-営業利益6,2325,561+12.1%当期利益4,5103,971+13.6% 連結損益(IFRS実績)売上収益12,57911,706+7.5%営業利益5,9885,420+10.5%当期利益4,3403,873+12.1% Core EPS(円)274.02241.31+13.6%Core 配当性向(%)99.340.6 - <連結損益の概要(IFRSベース)>当連結会計年度の売上収益は1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)、営業利益は5,988億円(同10.5%増)、当期利益は4,340億円(同12.1%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費14億円、無形資産の減損損失17億円、事業再構築費用133億円、経営判断による自社開発一括中止費用等164億円、及び事業所閉鎖に伴う固定資産売却益を含む事業所再編費用84億円(収益)が含まれています。 <連結損益の概要(Coreベース)>当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高が増加し、1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となりました。売上収益のうち、製商品売上高は1兆778億円(同8.0%増)となりました。国内製商品売上高は、後発品浸透や薬価改定等の影響を受けたものの、新製品のフェスゴ、ピアスカイ、主力品のバビースモ、エンスプリング、ヘムライブラが伸長し、前年同期を上回りました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ及びアクテムラ輸出が増加したため、前年同期を上回りました。その他の売上収益は、一時金収入が減少したものの、ヘムライブラに関する収入の増加等により1,801億円(同4.3%増)となりました。製商品原価率は、為替影響及び製品別売上構成比の変化等により32.6%と前年同期比で1.3ポイント改善しました。結果、売上総利益は9,065億円(同8.9%増)となりました。 研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により1,801億円(同1.8%増)、販売費及び一般管理費は諸経費等の増加により1,032億円(同1.0%増)となりました。その他の営業収益(費用)は0億円(前年同期は27億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)、Core当期利益は9期連続の増益を達成し、4,510億円(同13.6%増)となりました。 ※Core実績について当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。株主還元を行う際の指標には、Core EPS及びCore配当性向を指標として使用しております。Core EPSは、Core実績をもとに算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり、Core配当性向は、Core EPS対比の配当性向です。 <製商品売上高の内訳>(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比製商品売上高10,7789,979+8.0%国内製商品売上高4,7244,611+2.5%オンコロジー領域2,4652,477△0.5%スペシャリティ領域2,2582,134+5.8%海外製商品売上高6,0545,368+12.8% [国内製商品売上高]国内製商品売上高は、後発品浸透及び薬価改定等の影響を受けたものの、新製品及び主力品が伸長し、4,724億円(前年同期比2.5%増)となりました。 オンコロジー領域の売上高は、2,465億円(同0.5%減)となりました。後発品浸透及び薬価改定の影響により、主力品の抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」の売上が減少しました。また、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」は、本剤を含む配合皮下注製剤である新製品の抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」への置き換えが進んだことを主因に売上が大幅に減少しました。一方、「フェスゴ」の売上が大幅に増加したことに加え、2025年3月に発売した抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ」が順調に市場浸透したほか、主力品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」が堅調に推移しました。スペシャリティ領域の売上高は、2,258億円(同5.8%増)となりました。後発品浸透及び薬価改定の影響を受けたものの、主力品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」、血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」の売上が堅調に推移したことに加え、新製品のpH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ」が好調に市場浸透しました。 [海外製商品売上高]海外製商品売上高は6,054億円(前年同期比12.8%増)となりました。ロシュ向け輸出については、「ヘムライブラ」、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」が前年同期比で伸長しました。 ② 財政状態の状況(単位:億円) 2025年期末実績2024年期末実績前期末比純営業資産(NOA)及び純資産純運転資本5,2704,487783長期純営業資産5,8334,989844純営業資産(NOA)11,1039,4761,627ネット現金9,7979,963△166その他の営業外純資産△643△425△218純資産合計20,25719,0151,242 連結財政状態計算書(IFRS実績)資産合計24,68622,0842,602負債合計△4,429△3,069△1,360純資産合計20,25719,0151,242 当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ1,627億円増加し、1兆1,103億円となりました。うち、純運転資本は営業債務が増加した一方で、営業債権の増加及び未収入金の増加等により前連結会計年度末に比べ783億円増加し、5,270億円となりました。また、長期純営業資産は宇都宮工場におけるバイオ原薬製造棟(UT3)や注射剤棟(UTA)への投資、無形資産の増加等により前連結会計年度末から844億円増加し、5,833億円となりました。次項「③ キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ166億円減少し、9,797億円となりました。その他の営業外純資産は主にリース負債の増加により前連結会計年度末から218億円減少し、△643億円となりました。これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,242億円増加し、2兆257億円となりました。 ※純営業資産(NOA)及び純資産について連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。 ※純営業資産(NOA)について純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。 ③ キャッシュ・フローの状況(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比フリー・キャッシュ・フロー営業利益5,9885,420+10.5%調整後営業利益6,5155,848+11.4%営業フリー・キャッシュ・フロー4,5214,934△8.4%フリー・キャッシュ・フロー2,7333,868△29.3%ネット現金の純増減△1662,573-% 連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)営業活動によるキャッシュ・フロー3,8634,476△13.7%投資活動によるキャッシュ・フロー△2,013△2,274△11.5%財務活動によるキャッシュ・フロー△3,079△1,410+118.4%現金及び現金同等物の増減額△1,136815-%現金及び現金同等物の期末残高4,2665,402△21.0% 営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、6,515億円(前年同期比11.4%増)となりました。調整後営業利益から純運転資本等の増加797億円や有形固定資産の取得による支出763億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは4,521億円(同8.4%減)の収入となりました。純運転資本等の増加要因は前項「② 財政状態の状況」に記載したとおりです。営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税1,911億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは2,733億円(同29.3%減)の収入となりました。フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払2,994億円等を調整したネット現金の純増減は166億円の減少となりました。また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は1,136億円減少し、当連結会計年度末残高は4,266億円となりました。 ※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,193,060△7.2合計1,193,060△7.2 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は売価換算(仕切単価ベース)であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。 b. 商品仕入実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,727△29.4合計1,727△29.4 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は実際仕入高であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。 c. 受注の状況当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 d. 販売の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,257,941+7.5合計1,257,941+7.5 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先当連結会計年度前連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド724,05357.6652,72555.8アルフレッサ ホールディングス株式会社及びそのグループ会社152,29212.1141,98112.1 2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。3.販売高は売上収益(製商品売上高とその他の売上収益)であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、これまで、運転資金並びに設備投資及び研究開発活動を自己資金で充当しております。2021年度に始動しましたTOP I 2030 は「R&Dアウトプットの持続的な創出」に代表されるイノベーションへの継続的な経営資源の配分を掲げています。引き続き資金流動性の確保と事業活動から創出されるキャッシュ・インフローの最大化に努めるとともに、継続的なイノベーション投資に必要な財務健全性を維持していく方針です。また、計画外の急な資金需要が生じた場合の財源につきましては、金融機関からの借入や短期社債等を利用するなどの体制を整えており、既存の手許資金も含めて十分な流動性を確保しております。今後についても資本財源は事業活動を通じて獲得した資金を基盤とする方針であり、継続的なイノベーションへの投資を通じ、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。なお、資本配分としての配当につきましては、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。 ③ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度のCore売上収益は、ロシュ向け輸出の増加及び国内の新製品及び主力品の伸長により1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となり、4年連続で1兆円を超えました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により32.6%(同1.3%ポイント改善)、研究開発費・販売費及び一般管理費・その他の営業収益(費用)の合計は2,833億円(同2.4%増)となりました。この結果、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)となりました。また、長期にわたる投資効率の指標として重点的に管理しているCore ROIC*の実績は、税引後営業利益の増加により43.9%(前年比1.0%ポイント増)となりました。 2021年に開始した成長戦略「TOP I 2030」の5年目となる2025年は、創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤という5つの改革分野において、概ね順調な進展が見られました。創薬においては、R&Dアウトプット倍増という非常にチャレンジングな目標達成に向け、様々な取り組みを進めております。抗体、低分子に続く第3のモダリティである中分子は、今期新たに2プロジェクトが前臨床開発段階に進み、ポートフォリオの拡充は順調に進展しています。また、強みとする抗体医薬品においても、次世代抗体技術の開発とプロジェクトの創出が進んでおります。このような自社での創薬研究を加速すべく、ロボティクスによるラボオートメーション化や、AI等のデジタル基盤活用など、創薬力を最大限に発揮する体制を整備しました。加えて、オープンイノベーションにも注力しており世界のアカデミア・バイオテック企業との提携を通じてイノベーション機会を追求しています。2024年に活動を開始した中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーは、既に7件の投資を実行しました。組織強化の面では、米国のアカデミアやベンチャー企業とのネットワークをさらに強化するために米国サウスサンフランシスコにパートナリングオフィスを開設しました。このように進捗は見られますが、先に述べたチャレンジングな目標達成のためには更なる強化の余地があると考えており、取り組みを加速していきます。 開発については、2025年は合計6プロジェクトが承認され、新薬・適応拡大を含め5プロジェクトが承認申請に移行しました。また、第三者から第Ⅲ相臨床試験実施中の製品を導入したほか、ロシュ品・自社品含めて計6プロジェクトの第Ⅲ相国際共同治験、及び4プロジェクトの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。なお、2025年は早期臨床開発段階にある自社品パイプラインのうち5プロジェクトの自社開発一括中止を決定しました。早期開発プロジェクトの優先順位を見直し機動的かつ戦略的な開発加速を図るためです。非臨床段階から最適な開発ルートを見定め、精度の高いGo/No-Go判断の実行と効果的な開発計画の策定によって開発を加速させることで、毎年上市の達成に向けて取り組んでいきます。製薬では、R&Dアウトプット倍増に対応する頑健かつ競争力のある開発供給体制の実現を目指しています。中分子プラットフォーム技術の構築において着実な進展がありました。開発した独自技術を複数のプロジェクトに適用し、短期間で高難度・高活性の治験薬の製造供給を完遂するなど、技術確立が進みました。また、低・中分子及びバイオ医薬品の製法開発機能の強化及び環境対策推進を目的として、浮間事業所(東京都北区)における新たな研究棟UKXの建設を決定しました。開発プロジェクトが増える中で、同時に速やかな臨床試験入りや開発加速を実現するためには、製法開発機能の強化・拡充が喫緊の課題です。Value Deliveryにおいては、多様化する顧客ニーズに対応し、患者さんや医療関係者が求める情報を的確かつ迅速に提供すべく、人・デジタルを融合したエンゲージメントモデルの進化と組織体制の変革が進んでおり、顧客満足度調査においても昨年に続き高い評価をいただいております。また、
サステナビリティに関する考え方及び取組13,629字
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。詳細につきましては当社ホームページをご参照下さい。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 中外製薬ウェブサイト「サステナビリティサイト」(2025年活動情報は2026年5月頃公開予定)https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/index.html (1)サステナビリティ課題全般当社は、サステナビリティを事業活動の中心に据えて社会課題の解決をリードし、その活動を通じて創出される価値を様々なステークホルダーと共有し、社会と共に発展する「共有価値の創造」を経営の基本方針としています。私たちの掲げるミッションは「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献すること」です。そのミッションに基づき、私たちだからこそ生み出せるイノベーションで、「患者中心の高度で持続可能な医療」を実現することによって共有価値を創造します。 ① ガバナンス当社のサステナビリティ全体の責任者は、取締役会ならびに経営会議の議長である代表取締役 CEO が担当しています。当社は、サステナビリティに関連する課題は経営上の重要な課題として認識しており、取締役会においては、サステナビリティに関する方針の審議や各個別課題の進捗のモニタリングなどにより、サステナビリティに関する取り組みについて監督しています。 また、執行面の責任については経営会議メンバー全員が関与・コミットする体制となっており、サステナビリティに関する具体的な計画や政策、投資については、経営会議で審議を実施した上で、全社の経営戦略及び業務執行上の重要な意思決定を行っています。 より具体的かつ専門的な事案については、経営会議の諮問機関として四つの委員会が推進する体制となっています。地球環境保全をはじめとするサステナビリティ全体に関する事項の俯瞰的・統合的な方針や戦略の策定ならびに実行についてはサステナビリティ委員会、法令順守や各種コンプライアンスに関連することはコンプライアンス委員会、リスクマネジメントについてはリスク管理委員会、サステナビリティに関するコミュニケーションについては広報IR委員会で議論する体制となっています。各委員会の委員長は、いずれも経営会議のメンバーで構成されています。 <サステナビリティ委員会>サステナビリティ委員会は、当社グループ全般(中外製薬株式会社及び国内外の関係会社)と社会の長期的な発展と持続可能性を目指し、そのための方針・戦略策定、及びその実行の推進を行うことで、企業価値の持続的向上を図ることを目的とする経営専門委員会です。ESG推進統括役員を委員長とし、広報IR統括役員、人事統括役員、リスク管理統括役員、コンプライアンス統括役員、経営企画部担当役員からなる委員により構成されています。全社的なサステナビリティに関する方針の策定、マテリアリティやその指標等の策定、リスク及び機会の特定と対応、環境、人的資本、社会貢献など、サステナビリティの推進に関連する事項について協議する場となっています。 サステナビリティ委員会の2025年活動内容及び2026年活動計画については経営会議・取締役会へ報告を行いました。 <取締役のサステナビリティスキル>当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、サステナビリティを含む経営上の重要な課題をマテリアリティ(重要課題)として整理しています。マテリアリティ(重要課題)は取締役会での議論や意見を踏まえて策定しており、マテリアリティ(重要課題)がスコープとする幅広い社会課題に対して、取締役の知識・スキルを確保するため、有識者による勉強会を定期的に開催しています。 <サステナビリティと役員報酬の連動>当社はサステナビリティに関する取り組みを業務執行取締役における報酬に組み込んでおり、2021年から運用しています。当社の業務執行取締役の報酬の指標は、固定部分と業績連動に分けられており、業績連動部分の賞与において、財務成果だけでなく、環境対策などESG課題の達成状況も業績連動の指標に反映しています。 役員株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照下さい。 ② 戦略当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、「患者中心の高度で持続可能な医療」の実現を目指しています。この経営の基本方針に基づき、当社の価値創造のプロセス全体を表現したのが「価値創造モデル」です。 価値創造の源泉を活用しながら、サステナビリティを含む経営上の重要な課題を整理し、経営の方向性や方針を定める上での基軸(重要な要素)となるのがマテリアリティ(重要課題)です。当社は、2019年に初めてマテリアリティ(重要課題)を特定しました。以降、社内外との対話を通じ、社会からの期待・要望や戦略の進捗のもと、随時アップデートし、価値創造戦略の基盤として活用してきました。 2024年には、ダブルマテリアリティ(環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ))の考え方に基づき、リスクと機会を分析し、総合的にマテリアリティの見直しを行いました。 見直しにあたり、医療関係者、患者団体、アカデミア、金融市場関係者、公益財団法人、NGOなど、幅広い外部ステークホルダーからの視点を積極的に取り入れると共に、事業活動を取り巻く将来の環境動向・リスクを踏まえ、当社が社会から期待され、求められている課題を網羅的に抽出しました。また、将来にわたる事業環境の展望・分析に加え、サステナビリティに関するグローバルなイニシアチブであるSDGs、GRI(Global Reporting Initiative)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)などを活用したギャップ分析を実施し、当社が十分に満たせていない事項なども精査して取り入れ、マテリアリティを価値創造の方針を考える基軸と捉え直し、従来の26項目から、16項目の重要課題を特定・集約しました。 また、「Challenges」、「Co-creation」、「Commitments」という3つの軸によるストーリーとして整理しています。 「Challenges」として、独自のサイエンス力と技術力、新たな発想で、革新的な医薬品とサービスの創出へ挑戦します。その挑戦を支えるべく、「Co-creation」として、ロシュをはじめ多様なパートナーと真に求められている新しい価値を共創します。そして、「Commitments」として、持続可能な社会に向け、ヘルスケアを中心とした社会課題の解決に取り組み、誠実かつ先進的に行動します。これら3つの軸による価値創造を進めることにより、患者中心の高度で持続可能な医療を実現していきます。 「Challenges」においては、革新的な医薬品とサービスを連続的且つ継続的に創出することは当社の中核的な事業活動であり、社会課題解決に向けて重要な活動であると認識しています。独自の技術を核とした創薬技術の確立や、開発品のポートフォリオの拡充に加え、患者さん一人ひとりに最適なソリューションを創出して提供することを重要な課題と捉えています。また、保険医療のアクセスに関わる課題を解決すると共に、高い品質と安定的な製品供給、そして、患者さん及び臨床試験被験者の安全性を確保することが極めて重要な責務です。 「Co-creation」について、当社が解決を目指す高度かつ複雑な社会課題の解決に向けては、多様なパートナーとの連携による価値創出が不可欠と捉えています。特に当社が重要視するのが、当社のイノベーション創出を支える社員です。当社は人的資本に関する取り組みを強化しており、育成と成長、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、ウェルビーイングなどに関する様々な施策を展開しています。また社外のパートナーとの連携も強化しており、オープンイノベーションの推進や戦略的な投資、政府機関等での活動にも積極的に参画しています。また、デジタルトランスフォーメーションは、成長戦略におけるキードライバーの一つとして位置づけており、プライバシー保護に取り組みながら、デジタルテクノロジーの積極的かつ責任ある利活用を推進しています。 「Commitments」については、コーポレート・ガバナンスとステークホルダーエンゲージメントを重視しながら、高い倫理観に基づく事業活動と高度なリスクマネジメントを展開します。地球環境の保全に留まらず、再興を目指して地球市民として世界最高水準の環境に関する取り組みを推進していきます。 これら重要課題を踏まえ、当社が中長期で目指す姿として、2030年のトップイノベーター像を策定し、その実現に向けた成長戦略として「TOP I 2030」を設定しています。成長戦略についての詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。 ③ リスク当社が考えるサステナビリティに関する主要なリスクについては、全社的リスクマネジメントプロセスの中で可視化して特定しています。リスク選考に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けてリスク管理を行っています。リスク管理の体制については、「リスク管理ポリシー」及び「リスク管理規程」を制定し、経営専門委員会として「リスク管理委員会」、各部門及び国内外の子会社ごとに「部門リスクコンプライアンス委員会」を設置しています。その中でも、サステナビリティに関するリスクとしては、制度・規制・政策に関連するリスク、ITセキュリティ・情報管理に関するリスク、大規模災害、サプライチェーン、パンデミックなどの外部環境の動向に左右される事項、ならびに人権や地球環境問題などの企業市民としての社会的責任が大きい事項について、注視して取り組んでいます。当社の考えるリスクの詳細と、当社グループにおけるリスクマネジメントについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。 ④ 指標及び目標当社では重要課題について、外部環境の変化や、戦略の進捗、社会からの要請を踏まえて定期的に見直しを行い、それらを加味した単年度計画を立案し、進捗を管理することで、機動的な戦略遂行・計画の修正を行っています。また、経営の基本方針である「共有価値の創造」のプロセス全体を表現した価値創造モデルを策定しております。戦略の進捗ならびに外部環境変化の評価に基づき、機動的な資源配分の見直しや経営計画の修正を行い、目指す姿の実現に向けてアジャイルな対応を図っています。 価値創造モデルにおいては、価値創造の源泉となる経営資源(資本)を整理しています。具体的には、①人財(人的資本)、②技術・知的財産(知的資本)、③ロシュや外部との協働(社会関係資本)、④製薬・設備(製造資本)、⑤環境・エネルギー(自然資本)、⑥財務・経営関連(財務資本)の6つを重要な源泉としており、それぞれに現状を定量・定性の両面から捉え、それを踏まえた重点テーマと課題を特定、認識し、対策を進めています。その中で、とりわけ重視しているのが、イノベーションを起こし、当社の価値創造の原動力となる人的資本と、事業を支える重要な基盤となる自然資本です。 価値創造の源泉 カテゴリ重点テーマ価値創造の源泉課題認識と対策人財(人的資本)●社員の働きがい・生きがいの向上●イノベーション創出に資する人財の獲得・育成●DE&Iの継続的な推進●社員 組織風土(エンゲージメント、社員が活きる環境)●高度専門人財の獲得・育成●一人ひとりが主体性を発揮し、活躍できる環境構築●イノベーション創出への環境・仕組み構築と企業文化の維持向上技術・知的財産(知的資本)●マルチモダリティの進展●世界最高水準の創薬技術・基盤特許の拡充●デジタルによる創薬基盤強化●バイオロジーの深化●抗体エンジニアリング技術、低分子・中分子創薬技術●研究プロセス・ライブラリー●研究・製薬に関わる知的財産●研究開発投資への集中●マルチモダリティ技術補完と知財戦略充実●疾患バイオロジーの理解深耕、外部との協働ロシュや外部との協働(社会関係資本)●ロシュ・グループ等を通じた自社品のグローバル展開●技術、サイエンスおよびDXにおける外部協働●ステークホルダーとの対話●ロシュ品の独占販売権・インフラ●アカデミアとのネットワーク、スタートアップへの投資●患者団体・患者・投資家等との対話●ロシュとの協働における継続的かつ高い貢献●アカデミアやスタートアップ等との協働●患者団体等との共有価値創造に向けた活動製薬・設備(製造資本)●モダリティや技術進化、DXに対応した研究・生産の先鋭化●柔軟かつスピーディーな開発・次世代生産体制●安定供給・品質確保の徹底●研究拠点(横浜、浮間、シンガポール)●生産拠点(浮間、藤枝、宇都宮)●品質マネジメントシステム●R&Dアウトプット増大に対応する体制構築●品質・供給リスクへの継続的対応、リスク低減環境・エネルギー(自然資本)●気候変動対策や生物多様性保全への貢献●サーキュラーエコノミーに対応した資源循環●脱炭素・水資源管理に向けた技術・運用知見●環境マネジメントシステム●外部とのネットワーク●環境負荷とコストのベストミックスの推進●EHSリスクの低い製造プロセスの開発●外部パートナーとの連携財務・経営関連(財務資本)●収益構造の継続進化●戦略投資を確保するキャッシュ・フロー拡大●収益構造●継続的な再投資●資本市場での継続的な評価向上 (2)人的資本への取り組み① 当社における人的資本の位置づけ当社では、患者中心の高度で持続可能な医療の実現を目指す上でカギとなるのは「人財」だと考えています。イノベーションを起こすのは人財であり、社員一人ひとりが価値創造の原動力だからです。当社の成長戦略「TOP I 2030」で掲げる「R&Dアウトプット倍増」、「自社グローバル品 毎年上市」という高い目標を達成するためには、今まで以上に人財の「個」の力を高め、
コーポレート・ガバナンスの概要11,525字
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方当社は、世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことを存在意義(Mission)とし、「ロシュとの協働のもと、独自のサイエンス力と技術力を核として、患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーターとなる」ことを目指す姿(Envisioned Future)に掲げております。当社は、この経営の基本目標の実現に向け、ロシュ・グループの一員でありながら、独立した上場企業として経営の自主性・独立性を確保しつつ、さまざまなステークホルダーの負託に適切かつ公平に応えるため、「中外製薬株式会社コーポレートガバナンス基本方針」の定めるところにより、コーポレート・ガバナンスの充実に継続的に取り組みます。 ① コーポレート・ガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由当社は、独立した客観的な立場から取締役に対する実効性の高い監督を行うことを確保するため、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を採用しております。監査役の機能と併せ、独立社外取締役をはじめ非業務執行取締役の選任により取締役会の機能を強化し、経営の意思決定・監督機能のさらなる充実を図ることが合理的と判断し、現在の体制を採用しております。また、経営の透明性及び公正性を担保するため、取締役会の任意の諮問機関として、指名委員会、報酬委員会及び特別委員会をそれぞれ設置しております。取締役会から委ねられた業務の執行にあたっては、最高経営責任者(CEO)が全社の経営戦略及び業務執行に関する意思決定について責任を担う体制としています。それらの重要な意思決定は、最高経営責任者(CEO)をはじめとする業務執行取締役及び主要な執行役員からなる経営会議にて行い、経営会議での重要な決定事項は取締役会に報告しております。また、業務の執行状況については四半期ごとに取締役会へ報告しております。なお、経営会議には常勤監査役も出席し、適正なガバナンスの観点から意見の表明を行っております。さらに、グローバルな環境動向を踏まえたビジネス展開の助言を受けるために、国内外の各界専門家などで構成される諮問機関として、中外・インターナショナル・カウンシル(CIC)を設置しております。当社の設置する機関については次イ.からホ.のとおりであります。 イ.取締役会取締役会は、株主に対する受託者責任及び説明責任を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、収益力・資本効率などの改善を意識した経営を行います。その責務を果たすため、経営の基本方針、目指す姿、成長戦略等の経営戦略や経営計画その他当社の経営の重要な意思決定を行い、業務執行取締役による適切なリスクテイクを支える環境を整備するとともに、独立社外取締役をはじめ非業務執行取締役は、独立した客観的な立場から、業務執行状況の報告や内部監査の機能を活用して業務執行の監督を行っております。特に、成長戦略の戦略目標は株主に対するコミットメントとして認識し、その実現に向けて取り組みの進捗を確認するなどの努力を行っています。また、適時・適切な情報開示が行われるよう体制を整備するとともに、グループ全体を含め適切な内部統制や全社的リスク管理体制を構築し、その運用状況の監督を行っています。適切なリスクテイクを伴った迅速果断な経営判断を行うため、さまざまな知識、経験、能力を有する者により構成し、取締役会全体として必要な専門性、能力、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む適切な多様性と規模を確保しております。また、東京証券取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において確保するため、当社の独立性判断基準を策定し開示するとともに、客観的かつ株主をはじめとするすべてのステークホルダーの視点を踏まえた監督機能を発揮するため、取締役のうち3分の1以上を独立社外取締役として選任しております。 最高経営責任者を含む業務執行取締役候補者については、当社の経営を的確、公正かつ効率的に遂行できる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者を、非業務執行取締役候補者については、グローバル水準のガバナンスやマネジメントの視点を取締役会に取り入れるなど、当社の経営に関する重要な意思決定の助言及び業務執行の監督機能を適切に発揮するため、社外の企業経営者、医学専門家その他の学識経験者など、その経験、知識、専門性を考慮して、それぞれ選任しております。提出日現在において、取締役会は、業務執行取締役3名(代表取締役社長奥田修、取締役上席執行役員谷口岩昭、取締役上席執行役員飯倉仁)、独立社外取締役3名を含む非業務執行取締役6名(独立社外取締役桃井眞里子、独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役寺本秀雄、非業務執行取締役トーマス・シネッカー、非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハム、非業務執行取締役ボリス・エル・ザイトラ)の9名で構成され、議長は、取締役会にて予め定めた取締役が務めることとしており、代表取締役社長奥田修が議長を務めております。なお、当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役9名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、取締役会は、業務執行取締役3名(代表取締役社長奥田修、取締役上席執行役員谷口岩昭、取締役上席執行役員飯倉仁)、独立社外取締役3名を含む非業務執行取締役6名(独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役寺本秀雄、独立社外取締役三谷絹子、非業務執行取締役トーマス・シネッカー、非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハム、非業務執行取締役ボリス・エル・ザイトラ)の9名で構成され、代表取締役社長奥田修が議長を務める予定です。 2025年度における具体的な検討内容は以下のとおりであります。テーマ検討内容経営戦略・サステナビリティ関連・TOP I 2030 ・経営戦略・経営計画に関する意思決定及びモニタリング(年間計画、創薬戦略、自社品ポートフォリオ戦略など)・M&A・投資案件・中期環境目標2030・DE&I目標の進捗・活動計画・サステナビリティ委員会報告ガバナンス関連・取締役会付議基準の見直し・取締役会の実効性評価・実効性向上に向けた施策の策定・役員人事・報酬関連・IR活動報告・指名委員会・報酬委員会・特別委員会報告リスクマネジメント・内部統制・コンプライアンス関連・地政学リスク対応・管理体制・内部統制報告・内部監査報告・リスク管理委員会・コンプライアンス委員会報告 ロ.監査役会監査役は、取締役会と協働して会社の監督機能の一翼を担い、株主の負託を受けた独立の機関として、会社の健全で持続的な成長を確保し、取締役の職務執行の監査を行うことにより、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を構築し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を支える経営の健全性確保に努めております。監査役会は、監査に関する重要な事項について監査役から報告を受け、協議または決議を行っております。また、監査役会は、監査役に必要な知識・経験・専門能力を有する者によって構成し、監査役会全体として専門性等のバランスを確保いたします。監査役の過半数を独立社外監査役とし、独立性及び客観性を確保しています。なお、独立社外監査役のうち1名は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する者を選任しております。また、常勤監査役は、社内において高度な情報収集力を発揮できる者とします。 監査役候補者については、経営上の意思決定や業務の執行状況に関し、適正な監査を遂行することができる知識・経験、及び必要な財務・会計・法律に関する知識を有する者を、独立社外監査役候補者については、会計・法律、企業経営、内部統制、監査実務等に関する豊富な知識・経験を有する者を、それぞれ選任しております。監査役会は、常勤監査役2名(山田茂裕、樋口雅義)、独立社外監査役3名(増田健一、早稲田祐美子、柚木真美)の5名で構成され、議長は、監査役会にて予め定めた常勤監査役が務めることとしており、常勤監査役山田茂裕または常勤監査役樋口雅義が議長を務めております。 監査役会の活動状況等につきましては、「(3)[監査の状況]① 監査役監査の状況」に記載しております。 ハ.指名委員会指名委員会は、取締役候補者に関する議案を審議するとともに、最高経営責任者を含む業務執行取締役の後継者計画及び取締役の選解任等に係る審議を行っております。社内委員1名及び独立社外取締役1名以上を含む社外委員3名以上で構成するものとし、社内委員は代表取締役またはその経験者のなかから、社外委員は、独立社外取締役を含む非業務執行取締役またはその経験者のなかから取締役会が選任することとしております。提出日現在において、社内委員は代表取締役社長奥田修、社外委員は独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役桃井眞里子、非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハムの3名であり、各委員の互選により選定された独立社外取締役立石文雄が議長を務めております。なお、当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役9名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、指名委員会の構成は、社内委員は代表取締役社長奥田修、社外委員は独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役三谷絹子、非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハムの3名となり、独立社外取締役立石文雄が議長を務める予定です。 2025年度における具体的な検討内容は以下のとおりであります。開催月議題1月・株主総会に付議する取締役候補者案・役付取締役候補者案及び代表取締役候補者案(2025年3月27日付)・名誉顧問選任案3月・議長の互選10月・代表取締役CEOの選解任基準及び再任プロセス・代表取締役CEOの再任及び意思表明の確認・役付取締役候補者案及び代表取締役候補者案(2026年3月26日付)・名誉顧問選任案・2026年主要執行役員体制の報告・代表取締役CEO後継者候補についての報告 ニ.報酬委員会報酬委員会は、取締役の報酬に関する方針及び取締役の個別の報酬について審議を行っております。独立社外取締役1名以上を含む社外委員3名以上で構成するものとし、社外委員は、独立社外取締役を含む非業務執行取締役またはその経験者の中から取締役会が選任しております。提出日現在において、社外委員は、独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役寺本秀雄、非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハム、非業務執行取締役トーマス・シネッカーの4名であり、各委員の互選により選定された非業務執行取締役テレッサ・エイ・グラハムが議長を務めております。なお、当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役9名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が原案どおり承認可決された後も上記の委員に変更はございません。 2025年度における具体的な検討内容は以下のとおりであります。開催月議題3月・2024年度業務執行取締役の個別賞与支給額(2025年3月支給)・代表取締役CEOの2025年度報酬額案・取締役上席執行役員の2025年度報酬額案・社外取締役を含む非業務執行取締役の2025年度報酬額案・株主総利回り比較結果に基づく2022年度付与業績連動型譲渡制限付株式報酬の解除率の報告3月・議長の互選 ホ.特別委員会特別委員会は、親会社であるロシュと少数株主との利益が相反する可能性のある重要な取引・行為等について、取引の必要性と合理性、取引条件等の妥当性、公正性の観点から審議・検討し、取締役会に答申・報告を行っております。取引の重要度に鑑み、取締役会決議事項は取締役会に先立って審議し、経営会議決裁事項は定期的に報告を受けております。また、報酬委員会から諮問を受けた案件につき、審議・検討して取締役会に答申します。なお、特別委員会は、利益相反を適切に管理するため、年複数回の開催を原則としております。特別委員会は、その独立性・客観性を確保するため、独立社外取締役または独立社外監査役からなる3名以上で構成するものとし、委員は取締役会が選任しています。提出日現在において、特別委員会の委員は、独立社外取締役立石文雄、独立社外取締役寺本秀雄、独立社外監査役増田健一の3名であり、各委員の互選により選定された独立社外取締役寺本秀雄が議長を務めております。なお、当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役9名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が原案どおり承認可決された後も上記の委員に変更はございません。 2025年度における具体的な検討内容は以下のとおりであります。同年の特別委員会において、少数株主の利益を毀損する旨の指摘がなされた取引案件はありませんでした。開催月議題3月・議長の互選・議長の代行順位6月・2025年上半期 ロシュ関連取引の報告12月・2025年下半期 ロシュ関連取引の報告 (取締役会、指名委員会、報酬委員会及び特別委員会の出席状況)2025年度における当社取締役会、指名委員会、報酬委員会及び特別委員会の、各取締役及び監査役の出席状況は以下のとおりであります。 役職名氏 名出席回数/開催回数取締役会指名委員会報酬委員会特別委員会業務執行取締役代表取締役社長奥田 修11回/11回議長3回/3回 取締役上席執行役員谷口 岩昭11回/11回 取締役上席執行役員飯倉 仁11回/11回 非業務執行取締役社外取締役桃井 眞里子11回/11回3回/3回 社外取締役立石 文雄11回/11回3回/3回議長2回/2回3回/3回社外取締役寺本 秀雄11回/11回 2回/2回3回/3回議長取締役クリストフ・フランツ3回/3回 1回/1回 取締役トーマス・シネッカー6回/8回 1回/1回 取締役テレッサ・エイ・グラハム10回/11回3回/3回2回/2回議長 取締役ボリス・エル・ザイトラ8回/8回 監査役常勤監査役大箸 義章2回/2回 常勤監査役山田 茂裕11回/11回 常勤監査役樋口 雅義9回/9回 社外監査役増田 健一11回/11回 3回/3回社外監査役早稲田 祐美子11回/11回 社外監査役柚木 真美11回/11回 (注)1.取
役員の報酬等7,675字
(4)【役員の報酬等】① 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(百万円)報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる役員の員数(名)定例報酬賞与譲渡制限付株式報酬勤務継続型業績連動型取締役(社外取締役を除く)585201179106994社外取締役6969---3計6544492057監査役(社外監査役を除く)7878---3社外監査役5353---3計131131-6 (注)1.金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。2.上記には、当事業年度中に退任した取締役1名、監査役1名を含んでおります。3.上記の賞与の額は、当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額であります。実額は2026年3月26日開催予定の第115回定時株主総会後に開催する取締役会の決議事項になっております。4.上記の譲渡制限付株式報酬(勤務継続型、業績連動型)の額は、各譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上した額であります。 ② 提出会社の役員ごとの報酬等の総額等氏名(役員区分)会社区分連結報酬等の種類別の総額(百万円)連結報酬等の総額(百万円)定例報酬賞与譲渡制限付株式報酬勤務継続型業績連動型奥田 修(代表取締役)提出会社1371358584441 (注)1.金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。2.代表取締役の報酬等の総額等を記載しております。3.上記の賞与の額は、当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額であります。実額は2026年3月26日開催予定の第115回定時株主総会後に開催する取締役会の決議になっております。4.上記の譲渡制限付株式報酬(勤務継続型、業績連動型)の額は、各譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上した額であります。5.上表記載の代表取締役以外の役員で、報酬等の総額が1億円以上である者はおりません。 ③ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法(本有価証券報告書提出日現在)取締役及び監査役の報酬は、優秀な人財の確保と適切な動機づけにより当社の企業価値の持続的向上を実現することを企図して設計しております。当社は、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議で定めた取締役報酬規程及び取締役報酬基準において、取締役の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法を定めています。各項目については以下に記載しております。 業務執行取締役の報酬については、報酬と業績及び株主価値との連動性をより一層明確にし、取締役の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、固定報酬である定例報酬に加えて、各事業年度の業績等に応じて支給される短期インセンティブとしての賞与及び中長期的な業績に連動する長期インセンティブとしての譲渡制限付株式報酬(勤務継続型、業績連動型)により構成されます。これらの個人別の報酬等の内容(総報酬額及び各報酬の割合)は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することとしております。また、社外取締役を含む非業務執行取締役の報酬については、固定報酬である定例報酬のみとし、個人別の金額は、人財獲得における市場競争力確保を可能とする報酬水準決定のため、報酬委員会の答申に従い、取締役会の委任を受けた最高経営責任者(CEO:奥田修)が決定することとしております。業務執行取締役を排した報酬委員会において審議・検討し、その答申が尊重され決定に至る手続きとすることにより、透明性及び客観性を確保しております。取締役会は、取締役会及び報酬委員会における審議や報告等を通じて、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は決定方針に沿うものであることを確認しております。なお、監査役の報酬は、固定報酬である定例報酬のみとしております。 <報酬水準>取締役の報酬水準については、優秀な人財の確保と適切な動機づけを可能とする市場競争力のある報酬水準を目標としており、事業年度ごとに、外部専門機関の調査結果に基づき、国内大企業及び国内医薬品企業からなる報酬ベンチマーク企業群の水準を参考に、各取締役の役割及び職責等を踏まえ、報酬委員会の審議を経て決定しております。 <報酬構成>当事業年度における業務執行取締役の業績連動報酬割合(賞与+譲渡制限付株式報酬の割合。100%支給時を前提として算出)については、最高経営責任者(CEO)は、「基本報酬(30%)、賞与(30%)、株式報酬(40%)」を目安とし、他の業務執行取締役は、最高経営責任者(CEO)の構成割合に準じて職責等を勘案して各報酬の構成割合を決定しております。 当社の取締役及び監査役の報酬の構成 固定報酬業績連動報酬定例報酬賞与長期インセンティブ(株式報酬)勤務継続型譲渡制限付株式報酬業績連動型譲渡制限付株式報酬業務執行取締役●●●●非業務執行取締役(社外取締役を含む)●---監査役●--- <業績連動報酬に係る指標及び支給額の決定方法>(ⅰ)賞与短期インセンティブとなる賞与は、役位別に定められる基準額に対し、各事業年度の公表予想をベースとした全社業績及び個人業績による総合評価に応じた評価係数を乗じ決定しております。全社業績の評価指標は、各事業年度のCore営業利益、売上収益、研究開発業績及び全社課題等の達成状況、個人業績の評価指標については、担当業務の業務目標達成に向けた施策及びESGにかかる課題等の達成状況とし、報酬委員会における審議を経て、取締役会にて基準額の0%~200%の範囲で支給額を決定しております。当該評価指標を選択した理由並びに主要な評価指標に係る目標及び実績は、下表のとおりです。 (ⅱ)譲渡制限付株式報酬長期インセンティブとなる譲渡制限付株式報酬は、3~5年間の譲渡制限期間が付された勤務継続型譲渡制限付株式と業績連動型譲渡制限付株式をそれぞれ50%の割合で付与します。付与する株式数は、役位・職責等に応じて定められる基準額を、取締役会における割当決議前日の株式会社東京証券取引所の当社株式の普通取引の終値で除した株式数を付与し、譲渡制限期間中、継続して当社の取締役の地位にあったことを条件として、付与した株式について譲渡制限期間が満了した時点で譲渡制限を解除します。業績連動型については、さらに国内医薬品企業の株主総利回りと当社の株主総利回りの比較結果(評価期間:3事業年度)に基づき譲渡制限を解除する株式数を0%~100%の範囲で決定します。なお、2023~2025年度を評価期間とする当社の株主総利回りは+129%、国内医薬品企業11社中1位という結果から、当事業年度の業績連動型の解除率は100%としております。当該評価指標を選択した理由並びに主要な評価指標に係る目標及び実績は、下表のとおりです。 指標選択した理由期初目標実績賞与Core営業利益事業年度計画との連動、持続的かつ確実な財務的・社会的価値の向上5,700億円6,232億円売上収益11,900億円12,579億円研究開発業績①主要R&Dアウトプット 目標達成(Post-PoC)②主要R&Dアウトプット 目標達成(Pre-PoC)③PC移行プロジェクト数当社で定める目標を達成担当業務の業務目標達成に向けた施策(注)1役員毎役員毎ESGにかかる課題等の達成状況(注)2ESG評価(専門機関の評価等)当社で定める目標を達成譲渡制限付株式報酬勤務継続型-株主との価値共有や中長期の業績との連動性の重視及び企業価値の持続的向上--業績連動型株主総利回り(TSR)-11社中1位で解除率100% (注)1.担当業務の業務目標達成に向けた施策においては、経営人財後継候補者の選定・育成計画の策定・実行、DE&Iの推進等の課題の達成度等のタレントマネジメント施策や、対話とフィードバックのサイクルを通じた、イノベーションを創出し続けるカルチャーの醸成、及び主体的行動、成長・挑戦を促す風土づくりといった組織風土改革施策等が含まれます。2.ESGにかかる課題等の達成状況においては、専門機関の評価に加えて、ESGに関する2030年環境指標達成に向けた課題及び単年度目標の達成度等を目標に掲げています。 <報酬委員会の活動概要>取締役の個別報酬については、役員報酬制度に関する専門的知見や経営者報酬を取り巻く環境変化等を十分に把握したうえで審議を進めるため、外部専門機関の調査結果を踏まえながら、報酬委員会にて審議することで、ステークホルダーに対する説明責任を果たしうる決定プロセスの透明性及び客観性を担保しております。報酬委員会の活動詳細については、「(1)[コーポレート・ガバナンスの概要] ① コーポレート・ガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由 ニ.報酬委員会」に記載しております。 [役員報酬等にかかる株主総会の決議年月日及び決議内容] 報酬の種類報酬限度額株主総会決議年月日決議時点の役員の員数取締役定例報酬年額750百万円以内2007年3月23日第96回定時株主総会取締役13名(うち社外取締役7名)賞与譲渡制限付株式報酬年額345百万円以内2017年3月23日第106回定時株主総会業務執行取締役4名監査役定例報酬年額180百万円以内2024年3月28日第113回定時株主総会監査役5名(うち社外監査役3名) ④ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法(2026年3月26日開催予定の第115回定時株主総会後)2026年3月26日開催予定の第115回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役に対する株式報酬制度の改定の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法は、以下のとおりとなります。 取締役及び監査役の報酬は、優秀な人財の確保と適切な動機づけにより当社の企業価値の持続的向上を実現することを企図して設計しております。当社は、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議で定めた取締役報酬規程及び取締役報酬基準において、取締役の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法を定めています。各項目については以下に記載しております。 業務執行取締役の報酬については、報酬と業績及び株主価値との連動性をより一層明確にし、取締役の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、固定報酬である定例報酬に加えて、各事業年度の業績等に応じて支給される短期インセンティブとしての賞与及び中長期的な業績に連動する長期インセンティブとしての信託型株式報酬(勤務継続型、業績連動型)により構成されます。これらの個人別の報酬等の内容(総報酬額及び各報酬の割合)は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することとしております。また、社外取締役を含む非業務執行取締役の報酬については、固定報酬である定例報酬のみとし、個人別の金額は、人財獲得における市場競争力確保を可能とする報酬水準決定のため、報酬委員会の答申に従い、取締役会の委任を受けた最高経営責任者(CEO:奥田修)が決定することとしております。業務執行取締役を排した報酬委員会において審議・検討し、その答申が尊重され決定に至る手続きとすることにより、透明性及び客観性を確保しております。取締役会は、取締役会及び報酬委員会における審議や報告等を通じて、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は決定方針に沿うものであることを確認しております。なお、監査役の報酬は、固定報酬である定例報酬のみとしております。 <報酬水準>取締役の報酬水準については、優秀な人財の確保と適切な動機づけを可能とする市場競争力のある報酬水準を目標としており、事業年度ごとに、外部専門機関の調査結果に基づき、国内大企業及び国内医薬品企業からなる報酬ベンチマーク企業群の水準を参考に、各取締役の役割及び職責等を踏まえ、報酬委員会の審議を経て決定しております。 <報酬構成>1事業年度における業務執行取締役の各報酬の構成割合(賞与及び信託型株式報酬について、いずれも100%支給時を前提として算出)については、最高経営責任者(CEO)は、「基本報酬(1)、賞与(1)、株式報酬(1.3)」を目安とし、他の業務執行取締役は、最高経営責任者(CEO)の構成割合に準じて職責等を勘案して各報酬の構成割合を決定しております。 当社の取締役及び監査役の報酬の構成 固定報酬業績連動報酬定例報酬賞与長期インセンティブ(株式報酬)信託型株式報酬(勤務継続型)信託型株式報酬(業績連動型)業務執行取締役●●●●非業務執行取締役(社外取締役を含む)●---監査役●--- <業績連動報酬に係る指標及び支給額の決定方法>(ⅰ)賞与短期インセンティブとなる賞与は、役位別に定められる基準額に対し、各事業年度の公表予想をベースとした全社業績及び個人業績による総合評価に応じた評価係数を乗じ決定しております。全社業績の評価指標は、各事業年度のCore営業利益、売上収益、研究開発業績及び全社課題等の達成状況、個人業績の評価指標については、担当業務の業務目標達成に向けた施策及びESGにかかる課題等の達成状況とし、報酬委員会における審議を経て、取締役会にて基準額の0%~200%の範囲で支給額を決定しております。当該評価指標を選択した理由並びに主要な評価指標に係る目標は、下表のとおりです。(ⅱ)信託型株式報酬業務執行取締役の当社の中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を更に高め、またこれまでの譲渡制限付株式報酬制度以上に安定的かつ効率的な制度運営を実現するために、信託型株式報酬制度へと改定することといたしました。長期インセンティブとなる信託型株式報酬は、業務執行取締役の報酬額に相当する金銭を当社が信託へ拠出し、当該金銭を原資として信託を通じて当社株式が取得され、役位・職責等及び業績目標の達成度等に応じて、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭について役員報酬として交付及び給付を行います。 毎事業年度、業務執行取締役に基準ポイントを付与した後、4事業年度後に当社株式を交付等します。評価指標は相対TSRとし、当該指標に連動する業績連動型と、中長期の企業価値向上への動機づけとリテンションを目的に一定期間の在籍を条件に支給する勤務継続型により構成します。勤務継続型と業績連動型をそれぞれ30%、70%の割合で基準ポイントを付与します。付与する基準ポイントは、役位・職責等に応
従業員の状況3,742字
5【従業員の状況】(1)連結会社の状況2025年12月31日現在従業員数(人)7,872 (注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。2.当社グループは、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、グループ全体での従業員数を記載しております。 (2)提出会社の状況2025年12月31日現在従業員数(人)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(円)5,10442才7カ月15年5カ月13,507,769 (注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。2.当社は、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、当社全体での従業員数を記載しております。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3)労働組合の状況当社グループには、当社及び国内関係会社(株式会社中外医科学研究所、株式会社中外臨床研究センター、中外製薬工業株式会社、中外製薬ビジネスソリューション株式会社)を対象とした中外製薬労働組合が組織されており、2025年12月末現在の組合員数は4,861名であります。労使は、相互信頼をベースとした協力的な関係を維持しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1マネジャーに占める女性労働者の割合(%)(注)2男性労働者の育児休業取得率(%)(注)3男性労働者の育児休業日数(日)(注)4労働者の男女の賃金の差異(%)(注)5全労働者うち正規雇用労働者うちその他の雇用労働者21.219.293.437.781.481.276.3―管理職一般職94.785.3役員相当123.8G492.5部長相当95.7G387.6課長相当96.6G292.2G1108.1 <男女の賃金差異について>・当社は、年齢・属性に捉われず誰もが活躍でき、役割・成果に応じたメリハリのある評価・処遇の実現を目指した人事制度を運用しており、処遇は男女同一であり、現在の賃金差異は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。・管理職においては、職務等級制度により、ポジションに基づき賃金が決まることから94.7%と賃金差異は小さく、役職の階層別では95%を超える水準となっています。・差異の要因の一つである女性マネジャー比率の向上に向け、2022年に2030年末時点のKPIを設定し、女性マネジャーの登用やキャリア形成支援を強化しています。具体的には、若手女性社員を対象とした自部門外の女性マネジャーとの対話プログラム「ななめCheck-in」を実施し、64名の参加者がキャリア形成や仕事と育児の両立に関する示唆を得る機会となりました。また、女性の後継候補人財に対し全経営役員が育成と登用を支援する「スポンサー制」も導入しています。こうした施策を通じて、「マネジャーという役割に前向きになれた」「自身のキャリアの視野が広がった」などの声が寄せられ、挑戦意欲の醸成につながっています。これらの結果、女性マネジャー比率は2022年の15.9%から2025年には19.2%まで上昇しています。・2025年から導入した新人事制度においては、職務等級制度とジョブポスティングの仕組みを組み合わせることで、社員が年齢や属性にかかわらず主体的にキャリアを構築できる環境を整備しました。ジョブポスティング応募者に占める女性の割合は30.0%、合格者に占める女性割合は35.2%と、全社の女性社員比率(33.9%)と同水準であり、性別に関わらず挑戦できる機会が確保されていることが示されています。 ・一般職の賃金差異(85.3%)については、ライフイベントによる男女の育児休業・短時間勤務取得状況の差や、時間外勤務時間等の差異が主な要因です。特に、育児休業・短時間勤務者の割合が多いG3(87.6%)においては、その影響が顕著にみられます。当社では、男性の育児休業取得率は90%を超える高い水準にあるため、男女共に育児参画する企業文化の定着を目指し、男性の育児休業の長期取得に向けた目標を設定し、継続的に意識啓発や環境整備を進めています。外部講師によるセミナーや、長期育児休業を取得した男性社員による座談会を通じて、本人・上司・同僚の声を共有し、職場の理解を促しました。また、「夫婦セミナー」を開催し、社外の配偶者も参加可能とすることで、男女共に育児に参画し活躍できる社会の実現を目指しています。これらの取り組みにより、男性の育休取得平均日数は2022年の18.9日から2025年には37.7日に増加しました。 ・これらの取り組みにより、男女の賃金差異は2022年の77.7%から2025年には81.4%へと改善しています。女性活躍推進の目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。 (注)1.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」の規定に基づいて算出しています。但し、管理職の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。2.マネジャーに占める女性労働者の割合(%)は、部下のいる管理職(マネジャー)、プロジェクトリーダー、高度専門職等のポジションを担う者であり、当社基準で算出しています。対象は中外製薬株式会社及び連結子会社を含めた人数です。3.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。4.男性労働者の育児休業取得日数(日)は、「公表前事業年度に復職した労働者の平均育児休業取得日数」を算出しています。分子:公表前事業年度に育児休業を終了し、復職した労働者の合計育児休業取得日数(日)、分母:当該育児休業取得人数(人)5.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。・育児休業取得者、短時間勤務者(パートタイマ―を含む)の労働時間の補正は行っていません。・一般職には4つの等級(G1~G4)があります。・その他雇用労働者は、契約社員(シニア社員を含む)及びパートタイマーです。・2025年内の海外勤務者、及び入社者(キャリア入社者、新卒入社者、転籍者)は含めていません。・2025年12月末付の労働者数に基づき算出しています。 ② 連結子会社 当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)6男性労働者の育児休業取得率(%)(注)7労働者の男女の賃金の差異(%)(注)8全労働者うち正規雇用労働者うちその他の雇用労働者中外製薬工業株式会社14.195.773.175.743.4―中外製薬ビジネスソリューション株式会社32.3―75.772.372.9常時雇用する労働者数:300人以下101人以上
関係会社の状況1,888字
4【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権に対する所有(又は被所有)割合関係内容役員の兼任等資金取引営業上の取引設備の賃貸借(親会社) % ロシュ・ホールディング・リミテッドスイスバーゼル市百万スイス・フラン107持株会社(61.12)有─―─(連結子会社) 株式会社中外医科学研究所神奈川県横浜市百万円100医薬品事業100.00有─研究用材料の購入及び研究用器材施設などの管理委託社屋及び研究用設備の賃貸株式会社中外臨床研究センター東京都中央区百万円50医薬品事業100.00有運転資金の貸付臨床試験に関する業務の委託社屋の賃貸中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド米国ニュージャージー州米ドル1医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り医薬品の研究開発の委託─中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー米国マサチューセッツ州米ドル6,000,000医薬品事業100.00有――─中外ベンチャー・ファンド・エルピー(注)3バミューダハミルトン市米ドル57,520,415医薬品事業100.00[0.10]無――─中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド英国ロンドン市英ポンド8,677,808医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売、開発・申請─中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッド英国ロンドン市英ポンド16,000,000医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売─中外ファーマ・フランス・エスエーエスフランスピュトー市ユーロ1,196,319医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の輸入販売、流通、薬事規制対応─中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチドイツフランクフルト市ユーロ25,100医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売─台湾中外製薬股份有限公司台湾台北市新台湾ドル33,376,000医薬品事業100.00有─当社製造の医薬品の販売、開発・申請─日健中外製薬有限公司中国江蘇省米ドル30,000,000医薬品事業100.00有─当社製造の医薬品の開発・申請、販売、学術情報の提供─泰州日健中外製薬工業有限公司中国江蘇省中国元125,000,000医薬品事業100.00[100.00]有─当社製造の医薬品の包装委託─中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッドシンガポールシンガポールドル21,500,000医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り医薬品の研究開発の委託─中外製薬ビジネスソリューション株式会社東京都北区百万円66医薬品事業100.00有─当社の事務処理業務の委託社屋の賃貸 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権に対する所有(又は被所有)割合関係内容役員の兼任等資金取引営業上の取引設備の賃貸借(連結子会社) % 中外製薬工業株式会社(注)3東京都北区百万円80医薬品事業100.00有運転資金の貸付医薬品の製造委託土地社屋及び製造用設備の賃貸 (注)1.連結子会社の主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。2.議決権に対する所有(又は被所有)割合の[ ]内は、間接所有割合で内数であり、小数点第3位以下を切り捨てて記載しております。3.上記のうち、中外製薬工業株式会社及び中外ベンチャー・ファンド・エルピーは特定子会社に該当しております。4.当社は、2025年11月にレナリスファーマ株式会社を取得し、同年12月に当社を存続会社とし、レナリスファーマ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施しております。5.当社と一部の関係会社は、効率的な資金活用のために、CMS(キャッシュ・マネージメント・システム)を導入しております。中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッド、中外ファーマ・フランス・エスエーエス及び中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチについては、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドを介して資金の貸付・借入を行っております。6.上記のうち、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社、及び連結財務諸表に重要な影響を与えている債務超過の状況にある会社はありません。7.親会社の所有関係は次のとおりであります。(参考:アライアンス基本契約等については、「第2 事業の状況 5.重要な契約等(1)エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの戦略的アライアンス」をご参照ください。)
配当政策976字
3【配当政策】資本配分に関する基本方針当社は、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」というミッションのもと、患者さんにとって真に価値あるソリューションを提供し、株主に安定的なリターンを提供できるよう、資本を適切に配分してまいります。 共有価値創造に向けての資本配分1.革新的な医薬品の創出及び提供当社は、独自のサイエンス力と技術力を核とした研究開発や高品質な製品・治験薬を安定的に供給する為の生産設備など、革新的な医薬品の創出及び提供に向けて資本を適切に配分します。2.価値創造エンジンの拡大創薬基盤強化による価値創造エンジンの拡大に向けて、オープンイノベーションを含む戦略的投資に積極的に取り組みます。3.その他の投資機会地球環境保全を始めとする社会課題の解決や当社の持続的成長に資するその他の投資機会も適切に評価します。 株主還元当社は、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標といたします。当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。当事業年度は、中間配当として1株当たり125円(普通配当50円、創業100周年記念配当75円)を実施し、期末配当は1株当たり147円(普通配当72円、創業100周年記念配当75円)を2026年3月26日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。これによりCore配当性向は99.3%(日本基準による単体配当性向は111.5%)となります。当社は、「取締役会の決議によって、毎年6月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。なお、当事業年度の剰余金の配当は以下のとおりであります。 決議年月日配当金の総額(百万円)1株当たり配当額(円)2025年7月24日取締役会決議205,7131252026年3月26日定時株主総会決議(予定)241,920147 (注)金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
研究開発活動3,606字
6 【研究開発活動】当社グループは、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開しており、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。国内では、中外ライフサイエンスパーク横浜において創薬研究を行う一方、浮間研究所において工業化技術の研究を行っています。また、海外では、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外製薬有限公司(中国)、台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が創薬研究に取り組んでいます。当連結会計年度におけるCoreベースの研究開発費は1,801億円(前年同期比1.8%増)、売上収益研究開発費比率は14.3%となりました。 2025年1月1日から2025年12月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりです。 「がん領域」・抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2025年2月に切除不能な胞巣状軟部肉腫に対して、同年9月に再発または難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型に対して、適応拡大の承認をそれぞれ取得しました。加えて、同年5月に切除不能な胸腺がんを対象として適応拡大の承認申請を行い、同年12月に承認を取得しました。また、第Ⅲ相国際共同治験「CONTACT-02試験」の結果に鑑み、前立腺がん[二次治療](カボザンチニブ併用)を対象とする国内における開発を中止しました。さらに、これまで実施された臨床試験結果に鑑み、早期乳がん(周術期)を対象とする開発を、第Ⅲ相国際共同治験「IMpower030試験」の結果に鑑み、非小細胞肺がん(周術期)を対象とする開発をそれぞれ中止しました。・抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「AF802/RG7853」(製品名:「アレセンサ」)は、2025年6月に、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の固形がんを対象として適応拡大の承認申請を行いました。・抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7828」(製品名:「ルンスミオ」)は、2025年5月に、再発または難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(「ポライビー」との併用)を対象として適応拡大の承認申請を行いました。・抗悪性腫瘍剤/抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2025年8月に、神経線維腫症Ⅱ型を対象として適応拡大の承認申請を行いました。また、第Ⅲ相臨床試験「BEAT-SC試験」の結果に鑑み、小細胞肺がん[一次治療](「テセントリク」との併用)を対象とする開発を中止しました。・抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体「RG6026」は、2025年8月に、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び再発または難治性マントル細胞リンパ腫を対象として国内第Ⅱ相臨床試験を開始しました。・KRAS G12C阻害剤「RG6330」は、2025年10月に、非小細胞肺がん[一次治療]を対象として第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験を開始しました。・PI3Kα阻害剤「RG6114」は、2025年7月に、PIK3CA遺伝子変異陽性乳がん(パルボシクリブ、フルベストラント併用)を対象として国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始しました。・「MINT91」は、2025年4月に、固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。・pan-KRAS阻害剤「AUBE00」は、2025年6月に、固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。・抗TIGITヒトモノクローナル抗体「RG6058」は、第Ⅲ相国際共同治験「SKYSCRAPER-01試験」、「SKYSCRAPER-03試験」、「SKYSCRAPER-07試験」、及び「SKYSCRAPER-14試験」の結果に鑑み、非小細胞肺がん[一次治療]、非小細胞肺がん(ステージⅢ)、食道がん(いずれも「テセントリク」との併用)、及び肝細胞がん[一次治療](「テセントリク」、「アバスチン」との併用)を対象とする開発をそれぞれ中止しました。 ・抗HER2/CD3バイスペシフィック抗体「RG6194」は、戦略上の理由から、固形がんを対象とする開発を中止しました。・RAS阻害剤「LUNA18」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。・抗CD137アゴニストスイッチ抗体「STA551」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。・抗潜在型TGF-β1モノクローナル抗体「SOF10」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。・抗CLDN6/CD3/CD137トリスペシフィック抗体「SAIL66」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。「免疫疾患領域」・免疫抑制剤「セルセプト」は、2025年3月に、難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)を対象として公知申請を行い、同年9月に適応拡大の承認を取得しました。・抗TL1A抗体「RG6631」は、2025年4月に潰瘍性大腸炎を対象として、同年9月にクローン病を対象として、第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。・当社は、IgA腎症を対象として国内第Ⅲ相臨床試験を実施中のエンドセリン/アンジオテンシンⅡ受容体二重拮抗薬「スパルセンタン」について、2025年11月に、レナリスファーマ株式会社の完全子会社化を通じて、日本、韓国、台湾における独占的な開発・販売権を取得しました。「神経疾患領域」・ウイルスベクター製品「RG6356/SRP-9001」(製品名:「エレビジス」)は、2025年5月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(エクソン8及び/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な方)の治療を目的とした再生医療等製品として国内で条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得しました。・抗アミロイドベータ/TfR1融合蛋白「RG6102」は、2025年11月に、アルツハイマー病を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2025年4月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。「血液疾患領域」・血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、2025年6月に、Ⅲ型フォン・ヴィレブランド病を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。・pH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「SKY59/RG6107」(製品名:「ピアスカイ」)は、ロシュが海外で実施した臨床試験の結果に鑑みて、鎌状赤血球症を対象とする開発を中止したことを受け、パイプラインから除外しました。「眼科領域」・眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7716」(製品名:「バビースモ」)は、2025年5月に、脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大の承認を取得しました。また、同年5月に、非増殖糖尿病網膜症を対象として国内第Ⅲ相臨床試験を開始しました。「その他の領域」・アンジオテンシノーゲンに対するRNAi治療薬「RG6615」は、2025年11月に、高血圧症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。・抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「GYM329/RG6237」は、2025年5月に、肥満症を対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。・抗補体C1sリサイクリング抗体「RAY121」は、2025年3月に、第Ⅰ相臨床試験を開始しました。・抗IL-8リサイクリング抗体「AMY109」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。・「BRY10」は、これまでに得られているデータに鑑み、慢性疾患を対象とする開発を中止しました。 ※本章において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。
主要な設備の状況905字
2【主要な設備の状況】当社グループにおける主要な設備は次のとおりであります。(提出会社) 2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)(注)1従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び備品合計浮間地区(東京都 北区)医薬品の研究6,941(69)18,06724,56449,571674藤枝地区(静岡県 藤枝市)医薬品の研究350(217)6,70910,88517,944-宇都宮地区(栃木県 宇都宮市)子会社に賃貸している土地等2,087(122)09263,013-中外ライフサイエンスパーク横浜(神奈川県 横浜市)医薬品の研究40,803(159)83,97738,443163,223900 (中外製薬工業株式会社) 2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)(注)1従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び備品合計浮間工場(東京都 北区)医薬品の製造--12,33722,05134,388725藤枝工場(静岡県 藤枝市)医薬品の合成--23,48949,46872,957429宇都宮工場(栃木県 宇都宮市)医薬品の製造--19,65018,30637,956527 (注)1.帳簿価額の内訳には、建設仮勘定は含まれておりません。2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。3.当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため「セグメントの名称」の記載を省略しております。4.現在休止中の主要な設備はありません。5.上記の他、主要な賃借設備として以下のものがあります。全て建物の賃借であります。 (提出会社)事業所名(所在地)設備の内容従業員数(人)当期賃借料(百万円)本社事務所(東京都中央区)統轄業務施設2,0882,533関東南統括支店(東京都品川区)販売業務施設297243関西統括支店(大阪市淀川区)販売業務施設258138 (注)当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため「事業の種類別セグメントの名称」の記載を省略しております。
監査の状況4,538字
(3)【監査の状況】① 監査役監査の状況イ.監査役監査の組織、人員当社は常勤監査役2名、社外監査役3名で構成される監査役会を設置しております。また、社外監査役1名は、公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。 各監査役の専門性及び経験は、以下のとおりです。役職名氏 名専門性及び経験常勤監査役山田 茂裕研究開発、法務・知的財産・リスクマネジメント、国際経験常勤監査役樋口 雅義研究開発、法務・知的財産・リスクマネジメント、医学薬学、国際経験社外監査役増田 健一法務・知的財産・リスクマネジメント、国際経験社外監査役早稲田 祐美子法務・知的財産・リスクマネジメント社外監査役柚木 真美財務・会計・税務、国際経験 また、監査役の独立性の保持と監査機能の充実を図るため、監査役会直属の組織として、監査役を補佐する監査役室を設けております。監査役室の業務執行からの独立性を確保するため、監査役室に所属する使用人の人事異動、人事評価、懲戒処分等、雇用に係る重要事項についてはあらかじめ監査役会の同意を得るものとしております。 ロ.監査役会の活動状況2025年度における監査役会の開催回数は11回であり、一回あたりの平均所要時間は約2時間35分でした。各監査役の出席状況については、以下のとおりであります。役職名氏 名出席回数/開催回数常勤監査役大箸 義章2回/2回常勤監査役山田 茂裕11回/11回常勤監査役樋口 雅義9回/9回社外監査役増田 健一11回/11回社外監査役早稲田 祐美子11回/11回社外監査役柚木 真美11回/11回 (注)1.大箸義章は2025年3月27日開催の第114回定時株主総会の終結の時をもって退任したため、退任までに開催された監査役会への出席状況を記載しております。2.樋口雅義は2025年3月27日開催の第114回定時株主総会において選任され就任しておりますので、就任後に開催された監査役会への出席状況を記載しております。 監査役会では、法令・定款及び監査役会規則における決議・協議を行うとともに、監査役及び監査部・会計監査人等からも報告・説明を受け活発に意見交換を行い、取締役の職務の執行状況及び内部統制システムの整備・運用状況について確認・検討いたしました。具体的な検討内容は以下のとおりです。 具体的な検討内容決議・協議事項(19件)・監査方針・監査計画、監査役会監査報告書・監査役選任議案同意、監査役報酬・株主総会提出議案及び書類の調査結果・会計監査人の再任、会計監査人の報酬同意、会計監査人又はネットワーク・ファームによる非保証業務の事前了解に関する手続き規程・監査役室に所属する使用人の人事評価報告・共有事項(47件)・経営会議、経営専門委員会(サステナビリティ委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、広報IR委員会)、その他意思決定会議体等の内容・監査役面談の内容・当社関連の主要ニュースリリースの内容・子会社監査役による国内子会社の監査状況・監査部による内部監査計画、監査結果・会計監査人による期中レビュー結果・機能別組織における活動レクチャー なお、2025年度における重点監査項目は以下のとおりであります。・リスク・コンプライアンス・ガバナンスへの対応状況・トップイノベーターに向けた組織・人財マネジメント状況・Vision・戦略実現に向けた取り組み状況 ハ.監査役の活動状況2025年度における活動状況は以下のとおりであります。常勤監査役は監査役会での議長を務めるほか、重要会議へ出席しております。また、面談及び往査を通じた対話に力を入れており、約100名の社内組織長及び関係者と対話を行い、積極的に社内の状況把握に努めております。内部監査組織である監査部とは、双方の監査計画及び課題認識について共有・意見交換することに加え、子会社監査役から各社の内部統制状況について報告を受ける等、緊密に連携を図っております。会計監査人とは、監査計画及び監査状況の報告を受けるとともに、往査結果の共有やリスク認識に関する意見交換等、緊密に連携を図っております。状況把握の結果は監査役の気づきとして、取締役との面談時に共有・提言し、意見交換を行っております。 主な活動内容常勤監査役社外監査役取締役会への出席11回/年経営会議、経営専門委員会(サステナビリティ委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、広報IR委員会)、その他意思決定会議体等への出席原則毎回出席監査役会において情報共有代表取締役、業務執行取締役との面談各3回/年各2回/年最高財務責任者との面談4回/年本部長、ユニット長、基本組織長、国内・海外子会社社長等との面談約100名を対象に各1回/年監査役会において情報共有国内研究所・工場・統括支店・支店、海外子会社への往査20拠点/年一部参加及び監査役会において情報共有社外取締役との連携役員交流会1回/年監査活動情報共有会2回/年監査役会において情報共有子会社監査役との連携:子会社監査状況の報告と意見交換、子会社社長等との監査役面談からの気づきの共有7回/年監査役会において情報共有監査部との連携内部監査計画・結果、内部統制(J-SOX)の整備・運用状況報告と意見交換9回/年内部監査結果に関する各担当者からの詳細報告と意見交換、監査役面談からの気づきの共有8回/年監査役会において情報共有会計監査人との連携会計監査計画・報酬説明、監査結果・非保証業務の実施状況等の報告と意見交換5回/年期中レビュー結果報告、関連制度変更を含む各種トピックスに関する情報共有と意見交換、本社における会計監査及び工場における内部統制評価・実地棚卸への同席12回/年監査役会において情報共有内部統制部門との連携内部統制システムに関する取締役会決議の実施状況報告1回/年内部通報状況報告2回/年監査役会において情報共有重要書類の閲覧:決裁書、重要な会議の資料及び議事録等の閲覧随時監査役会において情報共有 ② 内部監査の状況内部監査組織としては、公認内部監査人や公認不正検査士を擁する監査部(現在19名)を設置しています。監査部は、業務活動の有効性・効率性及びコンプライアンスなどの観点から子会社を含むグループ全体の業務執行状況の監査を実施し、経営会議に報告・提言すると共に、取締役会及び監査役会にも直接報告を行うことで内部監査の実効性を確保しています。さらに、子会社監査役については、監査部員が担当する体制をとっています。子会社監査役は、上半期報告・期末報告などを通じて監査役と連携を行い、グループ企業のガバナンス強化に努めております。また、金融商品取引法に基づく財務報告の信頼性を確保するため、一般に公正妥当と認められる内部統制の基準に準拠して有効な内部統制が整備・運用されていることを評価しています。監査の相互補完及び効率性の観点から、監査部、監査役、会計監査人の三者は双方向的な情報交換を定期的に行い、緊密な連携を図りながら監査にあたっています。 ③ 会計監査の状況イ.監査法人の名称有限責任 あずさ監査法人 ロ.継続監査期間15年間 ハ.業務を執行した公認会計士公認会計士の氏名等所属する監査法人指定有限責任社員業務執行社員公認会計士山田 真有限責任 あずさ監査法人指定有限責任社員業務執行社員公認会計士北村 雄二朗有限責任 あずさ監査法人指定有限責任社員業務執行社員公認会計士宇津木 辰男有限責任 あずさ監査法人 (注)1.継続監査年数につきましては、全員7年以内であるため、記載を省略しております。2.同監査法人はすでに自主的に業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することがないよう措置をとっております。 ニ.監査業務に係る補助者の構成監査業務に係る補助者は公認会計士19名、その他52名で構成されています。 ホ.監査法人の選定方針と理由当社は、財務経理部・監査部等の社内関連部門において、IFRSを中心とした専門性、製薬会社に対する会計監査経験、監査方針及び手続き、監査報酬等に加え、親会社であるロシュとの連携の視点も踏まえ、会計監査人候補となる監査法人を選定しております。その結果を受け、監査役会は「会計監査人の評価基準」に基づき独立して評価を行い、会計監査人として相当だと判断しております。なお、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると判断した場合、監査役全員の同意により会計監査人を解任します。また、監査役会は、会計監査人の適格性、独立性を害する事由等の発生により、適正な監査の遂行が困難であると判断した場合、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任の議案の内容を決定します。 ヘ.監査役及び監査役会による監査法人の評価監査役会は、監査役会で策定した「会計監査人の評価基準」に基づき、監査品質、監査チームの専門性・独立性、監査報酬等の評価項目について監査法人及び財務経理部・監査部等から情報を収集した上で詳細な検証を実施し、監査法人を総合的に評価しております。 ④ 監査報酬の内容等イ.監査公認会計士等に対する報酬の内容 区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社144―152―連結子会社17―17―計161―169― (注)金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。 前連結会計年度、当連結会計年度とも、非監査業務の内容については、該当事項はありません。 ロ.監査公認会計士等と同一ネットワーク(KPMG)に対する報酬(イ.を除く) 区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社―115―105連結子会社85248522計8513985127 (注)金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。 前連結会計年度、当連結会計年度とも、当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務コンサルティング業務等です。 ハ.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容前連結会計年度、当連結会計年度とも、該当事項はありません。 ニ.監査報酬の決定方針会計監査人から監査実績、監査計画及びそれらを踏まえ算出された監査報酬額について説明を受け、当社の事業規模、業務の特性、監査時間等を勘案した上で、監査役会の同意を受けて決定しております。 ホ.監査役会が会計監査人の報酬に同意した理由監査役会は、会計監査人から前事業年度の監査計画と実績の比較、当事業年度の監査計画・監査予定時間・報酬単価等について説明を受け、社内関連部門の見解を確認の上検討した結果、会計監査人の報酬等の額は合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。
株式の保有状況764字
(5)【株式の保有状況】① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は保有する投資株式について以下のとおり区分しております。純投資目的:専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的に株式を保有する場合純投資目的以外:純投資目的に区分されない株式を保有する場合 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、当社の持続的な中長期的な企業価値の向上に資するため、医薬品販売等における取引または金融取引等の取引関係の維持・強化など経営戦略の一環として、必要と判断する企業の株式のみ保有し、また資本効率やリスク・リターンの観点などから適切な水準となるよう縮減に努めることを基本方針としております。個別の政策保有株式について、保有目的の適切性、保有に伴う資本効率や取引の合理性等を具体的に精査し、保有の適否について取締役会で定期的に検証しております。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式16364非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式該当事項はありません。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
沿革1,694字
2【沿革】1925年3月上野十蔵、中外新薬商会を創業、医薬品の輸入販売を開始1927年医薬品製造に着手1943年3月株式会社に組織変更、商号を中外製薬株式会社(本社・東京都)に変更1944年4月㈱松永製薬所を吸収合併、松永工場開設(広島県)1946年9月鏡石工場建設(福島県)1956年3月株式を東京証券取引所(現在 ㈱東京証券取引所)に上場1957年4月浮間工場建設(東京都)1960年9月綜合研究所建設(東京都・高田研究所)1971年2月血液分析器及び試薬を発売、臨床検査薬機器分野へ進出3月藤枝工場建設(静岡県)1987年6月富士御殿場研究所建設(静岡県)1988年9月中惠薬品股份有限公司設立(台湾)1989年12月ジェン・プローブ・インコーポレーテッド買収(米国)1990年6月ローヌ・プーラン社(フランス、現在 サノフィ)との合弁企業として、中外ローヌ・プーラン設立(フランス、後 中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーへ社名変更)1990年7月宇都宮工場建設(栃木県)1993年5月中外ファーマ・ユーケー・リミテッド設立(英国)1994年1月ロンドン駐在事務所(1986年3月開設)を現地法人化し、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド設立(英国)1995年7月中外バイオファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド設立(米国)1997年3月中外診断科学㈱設立(東京都)12月中外ファーマ・マーケティング・リミテッド設立(英国、現在 中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド)2001年4月筑波研究所開設(茨城県)中外ファーマ・フランス・エスエーエス設立(フランス)2002年3月持株会社中外ユー・エス・エー・インコーポレーテッド設立(米国、現在 中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド)9月中外診断科学㈱の全株式を富士レビオ㈱に譲渡9月ジェン・プローブ・インコーポレーテッドをスピンオフ10月エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの戦略的アライアンスに基づき、中外製薬㈱と日本ロシュ㈱が合併し、ロシュ・ホールディング・リミテッドが親会社となる2003年12月高田研究所と松永工場を閉鎖2004年12月一般用医薬品事業をライオン㈱に譲渡、永光化成㈱の殺虫剤製造事業をライオンパッケージング㈱に譲渡2005年3月筑波研究所を閉鎖6月鏡石工場及び東北中外製薬㈱(福島県)をニプロ㈱に譲渡2006年5月浮間工場、藤枝工場、宇都宮工場及び鎌倉工場(神奈川県)における医薬品等の製造に関する事業を、会社分割により、子会社である中外製薬工業㈱(東京都)に承継2010年12月中外製薬工業㈱ 鎌倉工場を閉鎖2012年1月中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド設立(シンガポール)2014年3月日健中外製薬有限公司設立(中国)2015年海外子会社組織を統合・再編7月欧州:開発機能と販売機能を統合(再編後名称:中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド) 中国:医薬品学術情報提供機能と販売機能を統合(再編後名称:日健中外製薬有限公司) 台湾:開発機能と販売機能を統合(再編後名称:台湾中外製薬股份有限公司) 10月米国:米国の持株会社と開発子会社を統合(再編後名称:中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド)2016年6月泰州日健中外製薬工業有限公司設立(中国)2019年1月中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーの全株式を中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが取得し、社名を中外ファーマ・ヨーロッパ・ロジスティクス・エスエーエス(2024年3月に中外ファーマ・フランス・エスエーエスと統合)へ変更2019年2月中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチ設立(ドイツ)2022年4月中国における開発機能と販売機能等を統合(再編後名称:日健中外製薬有限公司)2022年10月中外ライフサイエンスパーク横浜建設(神奈川県)2023年3月富士御殿場研究所及び鎌倉研究所(神奈川県)を閉鎖2023年7月中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー設立(米国)
EDINETのXBRLから抽出した原文です(長文は先頭のみ)。全文はPDF・XBRLの原本をご確認ください。
TIMELY DISCLOSURE
適時開示(TDnet)
2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)決算短信 · 16:00
PDF2026年12月期第2四半期(中間期)連結決算〔IFRS〕補足資料その他 · 16:00
PDFエフ・ホフマン・ラ・ロシュの2026年中間決算発表についてその他 · 14:00
PDF出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。
PEERS
同業他社(医薬品・売上高順)
EDINET DOCUMENTS
提出書類
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財務数値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」等をXBRL/CSVから決定論的に抽出した開示値です。各数値はEDINETの原本(PDF / XBRL / CSV)にそのまま遡れます。投資判断は原本をご確認ください。
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