ス
株式会社ステムリム
StemRIM Inc.
—売上高(FY2025)
-32.9%ROE
78.0%自己資本比率
—財務健全性スコア
KEY METRICS
主要財務指標
FY2025の売上高は—。営業利益は-20億円(営業利益率—)、当期純利益は-19億円。総資産75億円に対し自己資本比率は78.0%、ROEは-32.9%。医薬品の中央値(ROE 5.9%)を下回る水準。営業キャッシュ・フローは-14億円の流出、現金及び現金同等物は70億円。従業員数は45人。
開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。株価(終値)312円2026-09-04
PER—
PBR3.31倍
配当利回り—
時価総額(概算)194億円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。売上高—
営業利益-20億円+5.0%
当期純利益-19億円+4.6%
総資産75億円
純資産73億円
営業利益率—
ROE-32.9%
自己資本比率78.0%
EPS-31.2円
BPS94.3円
1株配当—
配当性向—
従業員数45人
INDUSTRY POSITION
業種内のポジション
ROE-32.9%中央値 5.9%
営業利益率—中央値 7.9%
自己資本比率78.0%中央値 65.4%
健全性スコア—中央値 65.0点
帯は医薬品(30社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。
FINANCIAL HISTORY
業績推移
資産
負債・純資産
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 総資産 | 純資産 | EPS | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2025 | — | -20億円 | -20億円 | -19億円 | 75億円 | 73億円 | -31.2 | -32.9% | 78.0% |
| FY2024 | — | -21億円 | -21億円 | -20億円 | 91億円 | 89億円 | -33 | -26.7% | 83.4% |
| FY2023 | 24億円 | 1億円 | 1億円 | 2億円 | 107億円 | 104億円 | 2.8 | 1.9% | 85.9% |
| FY2022 | 23百万円 | -20億円 | -20億円 | -19億円 | 96億円 | 94億円 | -32.9 | -22.9% | 88.7% |
| FY2021 | 14億円 | -6億円 | -6億円 | -6億円 | 109億円 | 107億円 | -10 | -5.7% | 94.4% |
| FY2020 | 21億円 | — | 4億円 | 3億円 | 113億円 | 109億円 | 6.4 | 5.2% | 95.5% |
| FY2019 | 1億円 | — | -7億円 | -7億円 | 27億円 | 26億円 | -16.9 | -27.8% | 96.5% |
| FY2018 | 2億円 | — | -3億円 | -3億円 | 19億円 | 19億円 | -8.5 | -17.3% | 97.3% |
| FY2017 | 3億円 | — | -2億円 | -1億円 | 10億円 | 10億円 | -3.5 | -12.5% | 95.0% |
| FY2016 | 6億円 | — | 2億円 | 2億円 | 13億円 | 11億円 | 1,703.4 | 19.8% | 88.7% |
営業CF-14億円
投資CF-42百万円
財務CF41百万円
現金及び現金同等物70億円
MAJOR SHAREHOLDERS
大株主
| 順位 | 氏名・名称 | 持株比率 |
|---|---|---|
| 1 | 玉井 克人 | 15.9% |
| 2 | 玉井 佳子 | 8.7% |
| 3 | 冨田 憲介 | 8.1% |
| 4 | 塩野義製薬株式会社 | 7.5% |
| 5 | 五味 大輔 | 5.7% |
| 6 | 山﨑 尊彦 | 3.9% |
| 7 | みやこ京大イノベーション投資事業有限責任組合 | 3.1% |
| 8 | 金崎 努 | 2.8% |
| 9 | 岡島 正恒 | 1.2% |
| 10 | 有限会社イー・シー・エス | 1.2% |
INTERIM RESULTS
中間期の業績(半期報告書)
| 中間期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 | 自己資本比率 | EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2026中間(〜2026-01-31) | — | -10億円 | -10億円 | -9億円 | — | 74.6% | -14.9 |
| FY2025中間 | — | -11億円 | -11億円 | -10億円 | — | 80.6% | -17 |
半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。
HUMAN CAPITAL
人的資本
平均年齢40.6歳
平均年間給与687万円
平均勤続年数5.2年
提出会社(単体)ベースの開示値です。
REMUNERATION
役員報酬
| 役員区分 | 報酬等の総額 | 員数 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外取締役を除く) | 3億円 | 3 | 95百万円 |
ANNUAL REPORT TEXT
有報本文
事業の内容19,480字
3【事業の内容】 当社が創業以来、その実現を目指し研究開発に取り組んできた「再生誘導医薬®」は、怪我や病気により損傷し機能を失った生体組織の機能的再生・治癒を促進する、唯一無二の新しい作用メカニズムに基づく医薬品です。 再生誘導医薬®は、従来型の再生医療(※1)/細胞治療とは異なり、生きた細胞の投与を必要とせず、物質=医薬品の投与によって、患者自身の体内に存在する幹細胞(※2)を活性化する方法で、より簡便かつ安全に、治療効果の高い再生医療を実現します。再生誘導医薬®により、細胞製剤では難しい安定した品質による迅速な再生医療を実現する製品供給が可能となることから、広く普及可能な新しい再生医療の実現が可能となり得ます。 再生誘導医薬®の投与によって患者の体内で誘導される幹細胞は、血液循環を介して体内を巡り、損傷した組織に集積します。幹細胞は、神経や皮膚、骨、軟骨、筋肉、血管など、様々な種類の組織を構成する細胞に分化する能力を有するため、再生誘導医薬®という共通のプラットフォームによって、脳梗塞、頭部外傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄損傷などの中枢神経系疾患、心筋梗塞や心筋症などの循環器系疾患、難治性皮膚潰瘍などの上皮系疾患、慢性肝疾患や潰瘍性大腸炎などの消化器系疾患、難治性骨折や軟骨損傷などの骨格器系疾患、肺線維症などの呼吸器系疾患のように、多様な疾患に対して幅広い治療効果をもたらすことが期待されます。 (1)事業の内容① 事業モデル 当社は、医薬品の研究開発を主たる業務としております。自社研究若しくは大学等研究機関との共同研究を通じて、生体内における組織再生誘導メカニズム(※3)の解明と幹細胞の特性解析、幹細胞の制御技術(※4)に関する基礎研究を行い、その成果を活用したスクリーニング(※5)系によって、新規再生誘導医薬®シーズ(※6)の探索を行っております。 同定した候補物質については、自社単独若しくは共同研究を実施した大学等研究機関と共同で特許を出願し、研究開発活動の果実である知的財産の構築を進めております。大学等研究機関と共同で出願した特許については、当社が独占的な実施権の許諾を受け、以後の製品化に向けた研究開発を当社主導で進めております。 候補物質については、自社若しくは大学等研究機関/パートナー企業と共同で、製造方法の開発、非臨床薬効薬理試験(※7)、安全性試験(※8)、初期臨床試験等(※9)までを実施し、医薬品開発の成功可能性と知的財産価値を高めたうえで、国内・海外の製薬企業に対して、製品の開発権、製造権、販売権等をライセンスアウトすることで、(a)契約一時金、(b)開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収入、(c)製品上市後に売上高の一定割合が支払われるロイヤリティ収入、(b)売上高に対する目標値を達成するごとに支払われる販売マイルストーン収入等を得る事業モデルを採用しております。 また、パートナー企業とは、ライセンス契約に至る前の比較的早期の研究開発段階において、将来のライセンス契約を前提とした共同研究契約を締結することもあります(事業系統図の(共同研究))。この場合、当社は、パートナー企業から(a)契約一時金、(d)共同研究収入を得ることで、自社の費用負担を低減しつつ、かつパートナー企業の開発リソースも活用することで、研究開発を加速できるメリットを得られます。 このほか、研究進捗に応じてパートナー企業に対し研究データの使用権を許諾した際に収受する一時金等、(e)その他の一時金収入が発生する可能性があります。 当社の事業セグメントは、再生誘導医薬®事業のみの単一セグメントであり、事業の系統図及び事業収入の形態は以下のとおりであります。 (事業系統図) (事業収入の形態) 収入形態内容a.契約一時金共同研究やライセンス許諾の契約時に一時金として得られる収入b.マイルストーン収入医薬の開発段階毎に設定した目標(開発マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入。また、製品上市後に、売上高に対する目標値(販売マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入c.ロイヤリティ収入製品が上市された後に、ライセンス許諾の契約を締結した製薬会社より当該製品の売上高に対して予め契約によって設定した一定割合を得られる収入d.共同研究収入当社の知的財産を活用した共同研究の実施の対価として得られる収入e.その他一時金研究データ使用権の許諾等により得られる(a)以外の一時金収入 ② 再生誘導医薬®について/新しい再生医療 「再生誘導医薬®(Stem cell "Regeneration-Inducing Medicine™")」とは、生きた細胞や組織を用いることなく、医薬品(化合物)の投与のみによって、再生医療と同等の治療効果を得られる医薬品です。 これまでは、怪我や病気で身体の臓器や組織に大規模な損傷や不可逆的な病変による機能不全が生じた場合、一般的な医薬品によってこれを根治することは難しく、その回復には、正常な臓器と取り換える移植医療(心臓移植や腎臓移植等の臓器移植や輸血等)を行う他に方法がありませんでした。しかしながら、このような移植医療は、難治性疾患に対する根治療法となり得る一方で、臓器提供者(ドナー)の慢性的な不足と他人の臓器に対する免疫拒絶(※10)反応、また倫理的な問題等から、すべての患者が享受できる、広く普及可能な一般医療にはなり得ません。 この移植医療の限界を突破する技術として、近年注目を集めているのが再生医療/細胞治療です。再生医療/細胞治療は、患者本人若しくは健常なドナー(提供者)から採取した細胞を、生体外で大量に培養することで、治療に必要な十分量の移植用細胞を確保したうえで患者に移植する新しい移植医療技術です。この再生医療/細胞治療は、従来の移植医療が抱える普及への制約を解消し、かつ同等な治療効果を得ることが期待できる新しい医療と言えます。 しかしながら、この再生医療/細胞治療についても、その実用化に向けては数多くの解決すべき課題があります。 再生医療/細胞治療は、最終製品として生きた細胞自体を用いる必要があることから、①製造工程における品質管理の難しさ(均質な細胞製剤を安定的に製造することが難しい)、②安全性への懸念(生体外で大量培養する工程で細胞が変質・癌化するリスクがある)、③治療可能時期の制約(自家の細胞を治療に用いる場合、採取から十分量の移植細胞を得るまでに数週間におよぶ細胞培養期間が必要となり急性期~早期治療の機会は失われる)、④免疫拒絶反応(他人から提供された細胞を培養して治療に用いる場合、免疫拒絶の問題が生じる)、⑤保管・流通の制約(冷凍・冷蔵により細胞を生きたまま運搬・保存する際に非常に手間がかかり、保存期間も限られる)など、数多くの構造的な課題を抱えており、一般医療として普及するためには更なる技術革新が必要な状況にあります。 このような背景のもと、当社が大阪大学との共同研究を通じて先駆的な概念を構築し開発を進めてきた「再生誘導医薬®」は、製品として生きた細胞を一切用いることなく、『物質(化合物)の投与によって、再生医療/細胞治療を実現する』をコンセプトとする、新しい『再生医療』であります。 再生誘導医薬®は、下図に示す作用メカニズムによって、損傷した組織の再生を実現します。 (再生誘導医薬®のコンセプト) 1)静脈注射等で血液中に再生誘導医薬®を投与する。2)当該医薬品により患者自身の体内に存在する幹細胞、特に骨髄内に存在する間葉系幹細胞(※11)を刺激し、幹細胞を血液中に放出させる。3)骨髄から血液中に放出された間葉系幹細胞は、末梢血循環を介して身体中に運ばれ、損傷により低酸素状態になった組織から放出される特有の化学物質(ケモカイン(※12))を目印に患部に集積する。4)患部に集積した間葉系幹細胞は、抗炎症作用を発揮し損傷部位の炎症を鎮め、かつ組織の線維化(瘢痕形成)(※13)を抑制しながら、幹細胞の多分化能(※14)を発揮することで、行き着き生着した組織の環境に応じた、適切な種類の細胞に分化を遂げ、損傷した組織の機能的な再生を促進する。 体外で培養し加工した細胞を用いず、医薬品の投与によって患者自身の体内で間葉系幹細胞の集積誘導による再生医療を実現する再生誘導医薬®は、従来型の再生医療が抱える数多くの課題を克服する、革新的な再生医療技術であります。 <細胞治療と比較した場合の再生誘導医薬®のメリット>(ⅰ)品 質:工業生産可能な化合物医薬品であり品質管理された安定した製造が可能(ⅱ)安 全:生体外における細胞培養の工程がないため、細胞や培養液などの材料に由来する不純物による免疫反応、細胞を汚染しているウイルスやバクテリアによる感染症、細胞を培養する過程で生じる細胞の腫瘍化や癌化などのリスクがない(ⅲ)供 給:細胞とは異なり、原材料の供給が容易く、製造・保管・管理も容易。従来の医薬品と同じく医療機関(病院、薬局等)に常備しておき、必要な時にいつでも投与が可能。そのため、急性期治療(※15)への利用が可能(ⅳ)免疫拒絶:投与するのは本人の幹細胞を動員する化合物医薬品であり、他人の細胞を利用しないため、投与される細胞に対する免疫拒絶がない (2)研究開発の経緯■ 骨髄間葉系幹細胞の損傷組織への集積による体内組織再生誘導メカニズムの発見 再生誘導医薬®開発の発端は、大阪大学で進められていた遺伝性皮膚難病「栄養障害型表皮水疱症(以下、「表皮水疱症(※16)」という。)」の病態解明研究から得られた「骨髄由来間葉系幹細胞の損傷組織への集積による組織再生誘導メカニズム」の発見にあります。 当時既に、損傷臓器・組織の再生はそれぞれの臓器・組織に存在する“組織幹細胞”に依存していることは良く知られていました。しかし、表皮水疱症の患者では、皮膚の最外層にある表皮組織の接着に必要な7型コラーゲンが遺伝的に欠損しているため、生まれた直後から全身皮膚の表皮剥離を繰り返し(図1参照)、その結果、表皮内に存在する“表皮幹細胞”が大量に失われてしまいます。表皮幹細胞を失った表皮水疱症の患者は、剥離した表皮を再生できないと容易に予想されます。しかし、患者の表皮は再生能力を維持しているという診療上の観察事実から、骨髄から血液を介した皮膚への幹細胞補充メカニズム仮説が想起されました。 図1 骨髄と各臓器は血管を介して繋がっています。例えば、骨髄から血液に供給された赤血球は全身全ての臓器・組織に酸素を供給し、白血球は免疫作用を、血小板は止血作用を供給しています。その意味において、表皮水疱症の患者の皮膚に生体内で幹細胞が補充されるのだとしたら、血液を介して骨髄から補充されるのではないかという仮説は妥当に思われます。その後、当社創業者でもある大阪大学教授の玉井らによりその仮説が証明されました(出典:Am J Pathol 2008 Sep;173(3)803-14, PNAS 2011 Apr 19;108(16):6609-14,J Immunol. 2015 Feb 15;194(4):1996-2003)。即ち、壊死した表皮細胞の核から放出されたHMGB1蛋白が、骨髄内の“間葉系幹細胞”と名付けられた組織再生能力の高い幹細胞を刺激して血中へと動員すること、HMGB1蛋白により血中へと動員された間葉系幹細胞は表皮水疱症皮膚の壊死組織周囲にある血管内皮細胞が産生するケモカインSDF-1α(※17)の作用により壊死組織周囲に集積すること、壊死組織周囲に集積した骨髄由来間葉系幹細胞は、強い抗炎症作用、抗線維化作用、組織再生促進作用を発揮することにより、表皮水疱症の剥離表皮再生を誘導していることが明らかとなりました(図2参照)。 図2 HMGB1蛋白は生体内のあらゆる細胞の核内に存在していることから、これら壊死組織と骨髄間葉系幹細胞のクロストークによる組織再生誘導メカニズムは、皮膚のみならず、生体内のあらゆる臓器・組織の重度壊死性障害において、その再生誘導メカニズムとして作動していると考えられます。 ■ HMGB1蛋白の再生誘導医薬®としての可能性と想定されたリスク HMGB1蛋白は、生体内の全ての細胞の核内に存在し、DNAと結合して遺伝子発現を制御する核蛋白であることが40年以上前から知られていました。上述したHMGB1蛋白の骨髄間葉系幹細胞動員活性による組織再生誘導メカニズムの発見は、HMGB1蛋白を静脈内投与して血液中の間葉系幹細胞を人為的に増加させ、その抗炎症作用、抗線維化作用、組織再生促進作用により機能的組織再生を促進する、いわゆる再生誘導医薬®としての可能性を生み出しました(出典:Sci Rep. 2015 Jun5;5:11008)。 一方、損傷組織で壊死細胞から細胞外に放出されたHMGB1蛋白は、ヒストンやDNA、あるいは細菌・ウイルス由来因子(※18)と結合すると好中球やマクロファージ(※19)を活性化し、炎症反応を誘導することが近年明らかにされました。即ち、細胞外のHMGB1蛋白は壊死組織や感染組織において自然免疫を活性化し、壊死組織や感染組織除去反応を誘導すると共に、それに続く組織再生反応を活性化する極めて重要な生体内分子であると言えます。しかし、敗血症のような重篤な感染症では、HMGB1蛋白が細菌由来LPS(※20)と血中で結合して全身性に強い病的炎症反応を喚起することが報告されています。これらの事実は、HMGB1蛋白を医薬として静脈内投与した際に、重度な感染症を合併している患者では局所性あるいは全身性に強い炎症反応を喚起してしまうリスクがあることを示しています。 ■ 安全性の高いHMGB1ペプチド医薬の開発 HMGB1蛋白はA-box及びB-boxと呼ばれる二つのDNA結合ドメイン(※21)を持ち、炎症反応を誘導する自然免疫活性化ドメインはB-box内に存在することが明らかにされていました。(出典:J Intern Med. 2004 Mar;255(3):351-66.)これらの事実を背景として、当社は大阪大学と共同でHMGB1蛋白の骨髄間葉系幹細胞活性化ドメイン(以下、「KOI2ドメイン」という。)の探索を進め、KOI2ドメインはA-box内に存在することを明らかにしました。即ち、自然免疫活性化ドメインを含まないKOI2ドメインの化学合成ペプチド(HMGB1ペプチド、一般名:レダセムチド、以下、「レダセムチド」という。)は、炎症反応を喚起せずに間葉系幹細胞動員活性のみを持つ、安全性の高い再生誘導ペプチド医薬となることが期待されました。 大阪大学よりHMGB1蛋白及びレダセムチドの独占的実施権を得た当社は、大阪大学及び塩野義製薬株式会社(以下、「塩野義製薬」という。)のそれぞれとレダセムチド創薬の共同研究を推進し、表皮水疱症、脳梗塞、心筋梗塞、虚血性心筋症、拡張型心筋症、脊髄損傷といった、現在有効な治療法の無い難治性疾患の動物モデルにレダセムチドの静脈内投与が有効であること、炎症反応は全く喚起されないことを証明し、医薬特許取得を精力的に進め、レダセムチド医薬開発権を塩野義製薬にライセンスいたしました。 また、ヒトでの安全性及び有効性を確認する目的で行われた、大阪大学における健康成人を対象としたレダセムチド第Ⅰ相医師主導治験では、レダセムチドの安全性及び間葉系幹細胞血中動員活性が証明されました。 現在、栄養障害型表皮水疱症において第Ⅱ相医師主導治験追加試験が実施中、急性期脳梗塞においてグローバル後期第Ⅱ相試験が実施中、虚血性心筋症において第Ⅱ相医師主導治験が実施中、変形性膝関節症、慢性肝疾患において第Ⅱ相医師主導治験が完了というステータスになっております。各研究開発進捗の詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績等の状況」をご参照ください。 ■ 第2世代再生誘導医薬®(TRIM3,TRIM4,TRIM5)の開発 上述したように、骨髄内に存在する間葉系幹細胞は生体内の壊死細胞が放出するHMGB1蛋白の血中濃度上昇を感知して活性化し、末梢循環を介して壊死組織周囲に集積して組織再生を促進していることが明らかとなりました。これらの発見から、HMGB1蛋白以外の壊死細胞由来因子にもHMGB1蛋白と同様の骨髄間葉系幹細胞活性化作用、組織再生誘導作用がある可能性が想起されました。そこで当社は、大阪大学と共同で壊死細胞から血中放出される可能性のある生体内蛋白を網羅的に探索し、その活性ドメインペプチドの骨髄間葉系幹細胞活性化作用を評価することにより、レダセムチドと同等あるいはそれ以上の骨髄間葉系幹細胞活性化作用を持つ生体内物質を複数同定いたしました(TRIM3,TRIM4,TRIM5)。現在、当社はこれらの第2世代再生誘導医薬®候補物質の疾患モデル動物に対する薬効評価を進めています。 (3)技術の優位性 間葉系幹細胞を利用した細胞治療が、様々な疾患に対して行われているのは、間葉系幹細胞が有する、様々な細胞種に分化する能力(分化能力)、サイトカイン(※22)・ケモカイン・成長因子(※23)を分泌する能力(トロフィック能力)、免疫応答(※24)を調整する能力(免疫調整能力)、損傷組織に遊走する能力(細胞遊走能力(※25))、線維化を調整する能力(線維化調整能力)があるためと考えられています。(図3参照; Cell Transplantation, Vol. 25, pp. 829–848,2016より引用。図の一部改変。出典:Nat Immunol. 2014 Nov;15(11):1009-16, Stem Cell Trans Med. 2012 Feb;1(2):142-9) 図3 すなわち生体内においては、組織や臓器に損傷を受けると、細胞レベルのダメージを生じ、不可逆的な障害を受けた細胞は壊死します。更に、傷口から侵入した細菌などを制御する他、壊死した細胞を除去するために、損傷組織には受傷直後から炎症細胞が集まります。間葉系幹細胞は血流を介し損傷組織まで遊走し(細胞遊走能力)、免疫反応を調節し、過剰な炎症による組織損傷の拡大を抑えます(免疫調整能力)。また、損傷組織の細胞に対し成長因子やサイトカインを分泌することで、細胞の増殖や組織の修復を促進します(トロフィック能力)。更に、間葉系幹細胞自身が、様々な種類の細胞に分化することによって(分化能力)、間葉系幹細胞由来の細胞が損傷組織の細胞に置き換わり組織を再生します。このような間葉系幹細胞の能力は、様々な組織や臓器の再生で効果を発揮するため、多種多様な疾患に対して間葉系幹細胞を細胞治療や再生医療に利用することができると考えられます。 一方で次のような課題も存在します。 ・ES細胞、iPS細胞[生命倫理上の課題(ES細胞)] ES細胞はヒトの生命の萌芽である胚を破壊して作る必要があるため、倫理的課題があります(参考文献:ヒトES細胞の樹立に関する指針平成31年文部科学省・厚生労働省告示第4号)。更に近年では、ES細胞のように多能性を有しほ
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等3,863字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社は、人体が本来備えている組織修復能力を引き出す「再生誘導医薬®」をはじめとした最先端生命科学研究の成果をもとに、新しいコンセプトの治療薬を生み出し続けることで、世界の健康と幸福の実現に貢献することを経営理念として掲げております。 (2)目標とする経営指標等 現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりません。現在、当社の主要な開発品目であるレダセムチドについては、栄養障害型表皮水疱症、脳梗塞を適応症とする開発が先行する段階にあり、慢性肝疾患、変形性膝関節症、心筋症を適応症とする開発が続いております。当社は、これらの開発を推進することはもちろん、更なる他の適応症への展開や後発パイプラインの開発推進、新たな開発候補品の探索等を行い、開発パイプラインを質・量ともに充実させることが、企業価値を高め、経営を安定させる上で不可欠の目標と認識しております。当該目標達成のために、共同研究や事業提携を推進するとともに、より充実した研究・開発体制の確立のための設備導入等の施策を実施してまいります。 (3)経営環境及び対処すべき課題等 当社が属する再生医薬品分野は、世界的にも普及段階まで至っておらず、このような最先端医療分野は環境変化のスピードが極めて早いと考えられ、潜在的な競争相手に先行し、他社の知的財産権を上回る開発をする必要性があります。 このような経営環境の下、当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記①~④の4点があります。 ① 既存事業の展開支援と新規事業の開発推進 レダセムチドについては、塩野義製薬への導出が完了していることから、今後も引き続き、導出先企業による臨床開発が滞りなく進められ、さらに、将来幅広い適応症に対して開発が展開されるよう、導出先企業に対する側面支援を継続していくことが、当社の重要な役割であると考えております。また、大阪大学において虚血性心筋症を対象として実施されている医師主導治験、新潟大学において慢性肝疾患を対象として実施されている医師主導治験、弘前大学において変形性膝関節症を対象として実施されている医師主導治験に対する継続的な支援も、引き続き、当社の重要な役割であると認識しております。 レダセムチド以外の再生誘導医薬®開発候補品については、再生誘導医学協働研究所における産学連携による大阪大学をはじめとした各大学とのコラボレーションの推進など、次世代の開発候補品選定に向けた積極的な研究開発投資を続けながら候補物質スクリーニングを多面的に展開してきたことで、これまでに顕著な活性を有する複数の新規候補化合物を同定するに至っております。それらの再生誘導医薬®開発候補品の導出活動を促進し、新たな事業提携に繋げていくことが、今後の当社の重要な経営課題であると考えております。 具体的には以下のような内容になります。 ■ 新規再生誘導医薬®の開発について 開発リスクの分散と企業価値の向上を目指して、当社では、新規再生誘導医薬®候補物質の探索研究を積極的に進めております。これまでの研究を通じて同定した複数の候補物質について、疾患モデル動物を用いた薬効試験で治療効果を確認し、その一部につき特許出願を完了するなど、着実に成果を積み重ねております。この探索研究を更に推し進め、既存の開発品を補完する新たな薬効プロファイルを有する新規再生誘導医薬®の開発を進めます。 ■ 間葉系幹細胞を標的とした遺伝子治療技術開発について 脳梗塞、心筋梗塞といった後天的組織障害の治療に対して、再生誘導医薬®は循環血流を介した骨髄由来間葉系幹細胞供給という極めて画期的な治療効果を発揮します。しかし、表皮水疱症、血友病、代謝異常症など、先天的機能障害の根治的治療を実現するためには、それぞれの病態における根本原因である遺伝子異常の改善、すなわち遺伝子治療が必要であることは言うまでもありません。遺伝子治療の成功は、生体内のどの細胞をどのように遺伝子治療するかにかかっており、特に長期間の根治的な治療効果を得るためには、それぞれの臓器・組織で長期間細胞を供給し続ける組織幹細胞の遺伝子治療が必要不可欠です。再生誘導医薬®開発の経験を活かし、生体内で長期間機能する可能性のある骨髄間葉系幹細胞を標的とした、遺伝子治療の開発を目指します。直近では、現在治療法の全くない遺伝性皮膚難病に苦しむ患者に向けて、低侵襲性生体組織採取法による高度な根治的治療の研究を進めています。■ 生体組織の網羅的単一細胞機能評価技術を基盤にした生体幹細胞高機能化医薬開発について 創薬成功確率を高める鍵は、開発候補品を投与した後の各臓器・組織の生体反応を如何に正確かつ漏れなく把握できるかにあります。当社は大阪大学と共同で、生体内間葉系幹細胞の単一細胞レベルの遺伝子発現解析、網羅的遺伝子構造解析の研究を進め、その技術を確立しています。 以上の技術を利用して、現在当社と大阪大学は、第1、第2、第3世代の再生誘導医薬®が生体の各臓器・組織の個々の細胞に与える網羅的遺伝子発現変化、網羅的遺伝子構造変化について、詳細なデータベースの蓄積を進めております。現在、本邦はもとより世界的視点から見ても、単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析、網羅的遺伝子構造解析が可能な施設はNIH(アメリカ国立衛生研究所)などの限られた大規模研究施設に限定されており、ベンチャー企業レベルでその技術を有していることは当社の創薬開発技術が世界に通用し得ることを示すものと確信しております。今後、当社の創薬研究のみならず、国内外のアカデミア研究者や製薬企業とこの技術を共有することにより、国内外の創薬開発の確率向上、安全性及び有効性評価に大きく貢献するとともに、組織幹細胞のもつ組織再生作用を安全に最大化する、世界に類の無い再生誘導医療®の開発を進めて行く予定です。 ■ 細胞治療分野の再生誘導技術基盤における今後の展開について 当社が注力してきた再生誘導技術基盤は、効率よく循環血流中に幹細胞を動員し、動員した幹細胞を損傷組織に集積させ、分化能を損なわせることなく、自己の幹細胞を活用し損傷組織の再生を誘導する技術です。これらの技術基盤は、医薬品で生体の組織再生を促進するという、細胞治療領域において計り知れないポテンシャルを有するものと考えております。 当社は、当該技術基盤を用いて、低コストかつ高い安全性を保ちながら機能回復や組織再生を可能にすることにより、「細胞治療の常識を変えていく」ことを課題として開発を推進していきます。 ② 臨床応用の加速 再生誘導医薬®は生体内に存在する間葉系幹細胞を活性化することにより、損傷組織の機能的再生を促進しますが、生体内における間葉系幹細胞については、正確な局在、機能、性質、種類など不明な点も数多く存在します。 一方で、大阪大学と当社は、これまで10年以上の長期間にわたり、再生誘導医薬®の共同研究を続け、数多くの知見やノウハウを手にしています。また、これまでに再生誘導医薬®における表皮水疱症、急性期脳梗塞、慢性肝疾患及び変形性膝関節症を対象とした臨床治験が実施されております。大阪大学と当社が蓄積してきた基礎研究の膨大なデータと臨床研究及び治験のデータの相互評価及び相互利用によって、今後も引き続き再生誘導医薬®における臨床応用を加速させることが、当社の重要な経営課題であると認識しております。 ③ 研究助成金の獲得 医薬品の研究開発には、多額の先行投資が必要とされ、同時に少なからぬ開発リスクが伴います。当社では、プロジェクトが非臨床試験若しくは早期臨床開発段階に達した時点で、製薬企業との提携若しくは候補品の導出を行い、比較的早期に自社の開発費負担を低減させることを基本戦略としておりますが、それでもなお、候補物質スクリーニング法の開発と薬効メカニズム検討のための基礎研究、候補化合物の探索研究、パイロット製造、薬効薬理・安全性試験など、臨床試験に至るまでの過程で多大な研究開発費を自社で負担する必要が生じます。 これまで当社は、公的研究助成金を積極的に活用することで、これらリスクの高い早期探索研究に要する研究開発費の負担を補ってまいりました。既存プロジェクトの導出が完了し、今後、探索研究段階にある新規プロジェクトの数が増加していくことからも、引き続き、公的研究助成金を積極的に獲得し活用していくことが、当社の重要な経営課題であると認識しております。 ④ 優秀な人材の育成及び獲得 当社が取り組む再生誘導医薬®の分野は、今後、国内外バイオ・製薬企業との競争が激化することが予想され、より一層の研究開発の加速と競合他社との差別化が必要になると考えております。そのため、独創的な研究活動を支える優秀な研究人材の育成及び獲得は、当社の喫緊の経営課題であると認識しております。また、当社においては、従業員を対象にストック・オプションとしての新株予約権を付与するなど、研究進捗に対するインセンティブ報酬制度を取り入れておりますが、これらを継続して実施することは経営課題解決に向けた重要な施策であると認識しております。
事業等のリスク9,233字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社は、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社の事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)再生医療事業全般に係るリスク① 医薬品パイプラインの開発及びそれに伴う収益獲得の不確実性 医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い年月を要しますが、臨床試験で有用な効果を発見できないこと等により、研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場の展開においては、各国の薬事関連法等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市できずに延期になる、又は上市を断念する可能性があります。 これは、当社のパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、当社が研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品の候補の上市が延期又は中止された場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす場合があります。 ② 再生誘導医薬®の開発に関するリスク(ⅰ)先端医療に関する事業であることに由来するリスク 当社が研究開発を進める再生誘導医薬®とは、患者本人の体内に存在する幹細胞の働きを高めることで、怪我や病気によって損傷した組織や臓器の自己修復/再生を促進させる新しいタイプの医薬品です。再生誘導医薬®は、細胞の採取や生体外培養を一切必要とせず、医薬品の投与のみによって、患者本人の体内に存在する幹細胞を損傷部位に動員し、組織の機能的な再生を促します。医薬品により「再生医療」を実現する再生誘導医薬®は、細胞を一旦生体外に取り出し培養したのちに体内に戻す、従来型の「再生医療」の実用化に伴う課題を一気にクリアし、難病に苦しむ世界中の患者の手に届く、革新的な治療手段となり得るものと考えております。 しかしながら、現在において、再生誘導医薬®が医療用医薬品として当局から製造承認を受けたものはありません。また、他の再生医療技術についても、現時点では本格的な普及段階には至っておらず、主に特定の医療機関や研究機関が用いる高度な医療技術として比較的限定された範囲での臨床研究・臨床試験を中心として行われております。 こういった現状の背景には、最先端の医療・医薬品に特有の課題やリスクが存在します。まず再生医療の基盤となる学問や技術が急速な進歩を遂げている中で再生医療そのものに関する研究開発も非常に速いスピードで進んでおり、日々新しい研究開発成果や安全性・有効性に関する知見が生まれてきております。 当社の再生誘導医薬®は現時点では新規性の高い再生医療技術であり、また学術的に見ても安全性・有効性・応用可能性ともに他の再生細胞薬等よりも優れていると自負しておりますが、一方で常に急激な技術革新の波に追い越されるリスクや想定していない副作用が出るリスクが存在し、またそのために当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク 再生誘導医薬®に関連する法規制についても、最新の技術革新の状況に対応すべく常時変更や見直しがなされる可能性があります。例えば、法律・ガイドライン等の追加・改正により、これまで使用が認められてきた原材料が突然全く使用できなくなるといったリスクや当社の想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要するといったリスクも否定できません。また世界的な医療費抑制の流れの中で、当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となる可能性もあります。当然このような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また現在、米国や日本をはじめとする医療先進国においては先端医療に係る各種の推進政策が実施されております。これらの推進政策は、当社が推進する再生誘導医薬®に大きな影響を与える可能性がありますが、その影響の内容・大きさはまだ定かではないことから、当社の今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。③ 副作用発現、製造物責任 医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社は、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入する予定ですが、最終的に当社が負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。 また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社及び当社の製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じて当社の事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競合 医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況であります。これら競合相手との競争において必ずしも当社が優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 医療費抑制策 世界各国において、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向が当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)固有のパイプラインに関するリスク① 特定のパイプラインに関する提携契約への依存、収益の不確実性 当社は、塩野義製薬株式会社に、レダセムチド又は同化合物を有効成分として含有する医薬品の医薬品用途、及びそれらの製法又は製剤に関連する全世界における特許に基づき、全世界において当該医薬品の医薬品用途での独占的な開発、製造、使用又は販売するための再実施許諾権付のライセンスを付与しており、これらの提携契約による収益を中心とした事業収益計画を有しています。 しかしながら、このような提携契約は、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。現時点ではこれらの契約が終了となる状況は発生していませんが、本契約が終了した場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、製品上市前の収益として、所定の成果達成に基づくマイルストーン収益を見込んでいますが、この発生時期は開発の進捗に依存した不確定なものであり、開発に遅延が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では今後、後続パイプラインによる収益化に努め、現状の提携契約に基づく収益への依存度を低減していく方針ですが、それらの収益化についても、開発の進捗に依存した不確実なものであり、これらの開発に遅延が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他事業活動に関するリスク① マイナスの繰越利益剰余金の計上 当社は、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社も過去5事業年度において第18期(2023年7月期)は、営業利益及び当期純利益を計上しておりますが、第16期(2021年7月期)、第17期(2022年7月期)、第19期(2024年7月期)及び第20期(2025年7月期)と営業損失及び当期純損失を計上しています。 当社は、レダセムチドを始めとするパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しております。しかしながら、開発の進捗状況によっては、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。仮に、当社事業が計画通りに進展せず収益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。 ② 剰余金の分配について 当社は、当面は、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、配当等の株主還元は行わない方針としております。しかし、株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を行うことを考えております。 剰余金の分配には、配当可能利益が必要となりますが、「① マイナスの繰越利益剰余金の計上」に記載したとおり、当社事業の進捗いかんによっては、繰越利益剰余金がマイナスとなり、配当可能利益が確保できる時期が著しく遅れる可能性があります。この場合、剰余金の分配を行う時期についても遅延する可能性があります。③ 収益計上が大きく変動する傾向 当社の事業収益は、レダセムチドを始めとする現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストーン収入に大きく影響されるため、過年度の事業収益、当期純損益は不安定に推移しています。この傾向は、現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。 ④ 再生誘導医薬®の市場規模に係るリスク 当社が研究開発を進める再生誘導医薬®は、投与によって患者の体内で誘導される幹細胞が、血液循環を介して体内を巡り、損傷した組織特異的に集積し、神経や皮膚、骨、軟骨、筋肉、血管など、様々な種類の組織に分化する能力を有するため、再生誘導医薬®という共通のプラットフォームによって、脳梗塞や脊髄損傷などの中枢神経系疾患、心筋梗塞や心筋症などの循環器系疾患、難治性皮膚潰瘍などの上皮系疾患、難治性骨折などの間葉系疾患など、組織損傷を伴う数多くの難病に対して幅広い治療効果をもたらすことが期待されます。 よって、再生誘導医薬®は、大きな市場を獲得できると考えており、当社収益にも大きく寄与するものと考えております。しかしながら、何らかの事情により当社の想定通りに適応範囲が拡大できない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 小規模組織及び少数の事業推進者への依存 当社は、提出日現在、取締役4名、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。)及び、2025年7月末現在、従業員68名(執行役員、臨時雇用者含む)の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針であります。 また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 特定の提携契約に依存した事業計画について 当社は、現時点で、特定の製薬企業との限られた共同研究契約及びライセンス契約を主軸とする事業計画を有しております。 しかしながらこのような提携契約は、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性及び当社の想定と異なる事態が生じる可能性があります。 このような事態が発生した場合には、他の製薬企業との新たな提携等により当社事業計画への影響を最小限に食い止める所存ではありますが、これが適時に実現できる保証はなく、このため当社の希望通りの事業活動ができず、若しくは制約を受け、その結果、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社が現時点で有している提携契約としては、2014年11月に塩野義製薬株式会社との間で締結した、レダセムチド又は同化合物を有効成分として含有する医薬品の医薬品用途、及びそれらの製法又は製剤に関連する全世界における特許に基づき、全世界において当該医薬品の医薬品用途での独占的な開発、製造、使用又は販売するための再実施許諾権付のライセンス契約があります。 塩野義製薬株式会社とは2010年4月よりレダセムチドに関する共同研究を開始しております。一般論として、候補物質に係る研究を進め、およそ2億円から3億円の投資である非臨床試験の研究ステージから、最終的には少なくとも数百億円規模の投資となる臨床開発ステージに進むことは、巨大な製薬企業といえども、大きな決定です。塩野義製薬株式会社がステージを進めることを決定するためには、多面的な審査をうけ、塩野義製薬株式会社の要求する基準を充足する必要があります。 当社プロジェクトは当該基準をクリアし、2014年11月にレダセムチドに係るライセンス契約を締結しております。当社は当該ライセンス契約に基づき、これまでに契約一時金、マイルストーン収益として、総額4,046百万円を受領しております。 ライセンス契約によるライセンスアウト後の収入については、所定条件の達成が条件となることから、ライセンスアウト後の開発の進捗状況によっては予定された収益の計上時期が遅れる、それが得られない等の事態があり得ます。 なお、塩野義製薬株式会社とのライセンス契約に係る開発の進捗状況としては、先行する栄養障害型表皮水疱症の追加第Ⅱ相医師主導治験が2022年7月より開始され、2023年3月には一例目となる患者への投与が開始し、2025年7月に最終症例の治験組み入れが完了いたしました。また、急性期脳梗塞については日本、米国、欧州及び中国においてグローバル後期第Ⅱ相試験の実施中、慢性肝疾患、変形性膝関節症においては第Ⅱ相医師主導治験が完了し、虚血性心筋症においては2024年3月より第Ⅱ相医師主導治験が開始されております。 これらの治験の実施においては前述のとおり相当の費用が発生することが見込まれるため、当然将来的な上市を期待した上で、治験を実施することになりますが、必ずしも望ましい結果が得られるとは限りません。仮に、治験の結果が望ましいものとならなかった場合、当社事業にも重要な影響を及ぼす可能性があります。 これらを含め、当社の事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合若しくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の財務状況が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金繰り 当社は、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期にわたって先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当事業年度においては、営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、かつ現状では、当社は継続的なロイヤリティ収入などの安定的な収益源を有しておらず、今後の収益獲得については、レダセムチドの開発の進捗状況や、その他のパイプラインのライセンス交渉等の結果に大きく左右されるため、未だ、営業活動から安定的に資金が得られる状況にあるとは言えません。 このため、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資本市場からの資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 ⑧ 設備投資に係るリスク 当社は、研究事業拡大のために、2020年6月に大阪大学と共同で再生誘導医学協働研究所を開設し、2021年1月に本社研究所を拡張し、同建屋内に動物実験施設を新設いたしました。当社として研究開発を推進する上でその意義は大きく、今後事業進展の拡大に寄与するものと考えております。 しかしながら、現時点において当該設備投資の効果が十分に実現する保証はありません。仮に、当社が想定したとおりに事業を展開できない場合、減損会計の適用による減損処理が必要となるなど、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新株発行による資金調達 当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑩ 株式の希薄化について 当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 また、当社は取締役(社外取締役を含む)及び監査役に対する中長期的なインセンティブの付与及び株主価値の共有を目的として譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、また、役職員に対して、業績向上意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を採用しています。今後、譲渡制限付株式報酬制度に基づき新株式が発行された場合又は発行済みの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。今後も優秀な人材の確保のため、株式価値の希薄化に配慮しつつも同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後割当が行われる譲渡制限付株式及び付与される新株予約権等によっても、当社の1株当たりの株式価値は希薄
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析10,625字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。 ① 経営成績等の状況 当事業年度(2024年8月1日~2025年7月31日)の再生医療・医薬品業界においては、引き続き新規モダリティや新薬創出のための研究開発が進展し、革新的な治療法の実用化が加速しています。 米国FDAでは、医薬品の審査プロセスを迅速かつ柔軟にするための取り組みが進められており、政策的に重要な治療分野における早期承認の促進が期待されています。その一環として、国家の重点領域に資する医薬品を対象に審査期間を大幅に短縮できる「National Priority Vouchers」制度の導入が予定されているほか、申請を段階的に受け付けて並行審査を行うローリングレビューや、AIや臓器チップといった先端技術を活用した評価手法の導入も検討されています。これにより、従来よりも短期間で承認可否を判断できる体制の整備が進んでいます。さらに希少疾患領域では、単群試験に基づく限られたデータでも条件付き承認を可能とする制度改正が提案されており、アンメットメディカルニーズの高い分野における患者アクセスの改善が期待されています。こうした米国での取組は日本における承認審査に直接影響を与えるものではないものの、国際的な安全性・有効性・社会的受容性の裏付けとなり、国内開発品の実用化へ向けた間接的な追い風となることが期待されます。 また、日本政府においても創薬力強化を目的とした支援策が講じられており、文部科学省では、医学研究・ライフサイエンス研究の研究開発支援の強化、革新的シーズを創出するための分野横断的な基礎研究の推進、感染症有事を見据えた体制整備等が挙げられています。厚生労働省では、創薬エコシステム強化や新規モダリティ対応、有望なシーズの医薬品・医療機器の実用化促進等を重点施策としています。経済産業省では、医薬品・再生医療等製品の国産化促進、バイオ産業の拠点整備・技術支援、バイオベンチャー等の実用化支援等が重点施策として挙げられています。 このような創薬力強化に向けた動きが加速する一方、安全性・有効性に関する問題や、品質管理の難しさ、製造コストの増大等、再生医療・医薬品業界には依然として多くの課題が残されています。加えて、2025年5月に施行された再生医療等安全性確保法の改正によって、再生医療・遺伝子治療に関する承認審査が更に厳格化されることにより、開発期間の延伸やコストの増加といった課題が懸念されており、実用化へのハードルが一層高まる可能性もあります。 このような状況のもと、当社では、再生誘導医薬®開発品レダセムチド(HMGB1より創製したペプチド医薬)における臨床試験が進捗するとともに、レダセムチドに続く第二世代の再生誘導医薬®TRIM3、TRIM4について、非臨床開発及びライセンスアウトに向けた事業開発活動が引き続き進捗いたしました。 再生誘導医薬®は、従来の再生医療とは異なり、体外で人工的に培養した細胞の移植や投与を一切必要とせず、医薬品の投与によって患者自身の体内で間葉系幹細胞の集積誘導による再生医療を実現する、全く新しい作用メカニズムに基づく医薬品です。投与するのはペプチド、タンパクなどの物質であり、従来の医薬品と同じ方法で製造、輸送、保管、投与が可能であるため、再生医療・細胞治療と比較し、より手軽かつ安価に損傷組織の再生を促すことが可能であり、かつ再生医療・細胞治療と同等もしくはそれ以上の効果を発揮することが可能です。「生きた細胞を一切用いることなく、物質(化合物)の投与によって、再生医療/細胞治療を実現する」をコンセプトとする再生誘導医薬®は、移植治療や従来型の再生医療が抱える数多くの問題を克服する革新的な再生医療技術として、日本のみならず世界的な再生医療業界のゲームチェンジャーになることが期待されます。(*)「再生誘導」、「再生誘導医薬」、「再生誘導医学」、「再生誘導医療」は当社の登録商標です。 各パイプラインにおける対象疾患ごとの進捗は以下のとおりです。 ■レダセムチド(TRIM2:HMGB1より創製したペプチド医薬)a)対象疾患:栄養障害型表皮水疱症 研究進捗:2015年8月 第Ⅰ相医師主導治験 開始2017年3月 第Ⅰ相医師主導治験 終了2017年12月 第Ⅱ相医師主導治験 開始2019年9月 第Ⅱ相医師主導治験 終了2020年3月 第Ⅱ相医師主導治験追跡調査 終了2022年7月 追加第Ⅱ相臨床試験 開始2023年3月 追加第Ⅱ相臨床試験 第一症例の登録2025年7月 追加第Ⅱ相臨床試験 最終症例の登録 進捗状況: 2022年7月より追加第Ⅱ相臨床試験が開始され、2023年3月に第一例目の患者への投与が開始、2025年7月に最終症例の患者への投与が完了しております。本試験は難治性潰瘍を伴う栄養障害型表皮水疱症患者を対象に、レダセムチドの難治性潰瘍に対する有効性を検討することを目的としており、有効性評価の指標として、治験薬投与開始から52週以内における難治性潰瘍の閉鎖の有無を評価する予定です。また2020年3月に終了した栄養障害型表皮水疱症患者を対象とした医師主導治験及び追跡調査(第Ⅱ相試験)においては、第Ⅱ相試験に参加した栄養障害型表皮水疱症患者全例(9例)の解析で、レダセムチド投与により主要評価項目(全身皮膚の水疱、びらん、潰瘍の合計面積の治療前値からの変化率)で、統計学的に有意な改善が確認されております。レダセムチド投与終了後の最終観察時点(投与開始28週後)においても、9例中7例が治療前値を下回る改善を示し、そのうち4例は50%以上の著明な改善を示しました。また、有効性維持の評価を目的とした追跡調査の観察時点(投与開始52週後)においても有効性を確認したことから、栄養障害型表皮水疱症に対するレダセムチド治療効果の長期持続性も確認されました。副次評価項目(安全性評価)では懸念となる有害事象は観察されず、本治験において栄養障害型表皮水疱症患者におけるレダセムチド投与の有効性と安全性が確認されております。 表皮水疱症治療薬について、対象となる栄養障害型表皮水疱症は、全国の患者数が400名前後と推定される希少難治性疾患であり現在有効な治療法が存在せず、大規模な第Ⅲ相試験を計画することが困難であります。そのため、追加第Ⅱ相臨床試験の結果を踏まえ医薬品の承認申請を行う予定です。 なお、レダセムチドは2023年5月に厚生労働省より栄養障害型表皮水疱症を対象とした希少疾病用医薬品の指定を受けました。レダセムチドが希少疾病用医薬品の指定を受けたことは、表皮水疱症に対して有効である可能性及び現在の開発計画の妥当性について厚生労働省から一定の評価を受けたことになります。また、塩野義製薬においては、レダセムチドをできるかぎり早く医療の現場に提供できるよう、他の医薬品に優先して承認審査を受けることやその他の支援措置を享受することが可能になり、審査期間の短縮による早期の承認取得、販売開始が期待されます。 b)対象疾患:急性期脳梗塞 研究進捗:2019年4月 第Ⅱ相企業治験 開始2021年10月 第Ⅱ相企業治験 終了2023年4月 グローバル後期第Ⅱ相臨床試験(日本及び米国) 開始2023年7月 グローバル後期第Ⅱ相臨床試験(欧州及び中国) 開始2025年2月 グローバル後期第Ⅱ相臨床試験 治験計画の変更2025年4月 グローバル後期第Ⅱ相臨床試験 中間解析 進捗状況: 2023年4月10日より日本において、2023年4月28日より米国において、2023年7月25日より欧州及び中国において、グローバル後期第Ⅱ相臨床試験がそれぞれ開始しており、本治験は、血管内再開通療法が実施できない急性期脳梗塞患者に対するレダセムチドの有効性及び安全性を評価するためにレダセムチド(1.5mg/kg:高用量群)、レダセムチド(0.75mg/kg:低用量群)またはプラセボを5日間投与する試験になります。2025年4月に実施された中間解析では事前に一定の無益性基準を設け、各用量群においてプラセボ群と比較してその基準を満たした場合は中止、満たさない場合は継続とする判断をすることとしておりました。盲検性を保つために独立した評価委員会で評価された上、塩野義製薬には各用量群に対する継続、中止の勧告がされることとなっており、中間解析の結果、レダセムチド高用量群については治験を継続し、レダセムチド低用量群については治験を中止すべきとの勧告が評価委員会から提示されました。本治験の計画当初、有効性が期待できる用量としてレダセムチド高用量群(1.5mg/kg)を計画しておりましたが、規制当局の指示によりレダセムチド低用量群(0.75mg/kg)も併せて検討することになっていたことから、今回の中間解析結果は当初より想定されていた範囲内の結果であります。 また、2022年10月に開示された第Ⅱ相臨床試験においては、薬剤投与開始90日後のmRS(脳出血や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの神経疾患といった神経運動機能に異常を来す疾患の重症度を評価するためのスケールであり、スコア0(症状なし)~スコア6(死亡)の7段階評価)を評価した結果、5日間投与完了の翌日に介助が必要な状態(mRS≧3)の患者が投与開始90日後に介助不要(mRS≦2)になった(症状が改善した)割合について、プラセボ投与群では18%(11例/60例)であることに対し、レダセムチド投与群では34%(23例/68例)となり、急性期脳梗塞患者に対するレダセムチドの有効性が示唆されました。要介護の脳梗塞患者において、介助不要となり社会的自立が可能なレベルにまで症状が改善することの社会的意義は大きく、レダセムチドの投与による急性期脳梗塞患者のQOL(Quality of Life)の向上が見込まれます。 c)対象疾患:虚血性心筋症 研究進捗:2024年3月 第Ⅱ相医師主導治験 開始2024年12月 第Ⅱ相医師主導治験 第一症例の登録 進捗状況: 2024年3月より、大阪大学医学部附属病院を中心とした複数の施設において第Ⅱ相医師主導治験が開始され、2024年12月に第一例目の患者への投与が完了いたしました。本治験は冠動脈バイパス手術を施行した虚血性心筋症患者に対し、レダセムチド若しくはプラセボ(各10例)を5日間投与し、レダセムチドの有効性、安全性を評価することを主たる目的としています。有効性においては投与開始52週後の心エコーなどによる各種心機能検査等について評価することが予定されております。 虚血性心筋症は心筋が血流不足や酸素不足により損傷を受ける状態を指し、心筋の主な血流供給源である冠動脈が狭窄または閉塞することによって発生します。発症すると心筋の機能障害を引き起こし、最終的には心不全を招く可能性があります。非臨床においては、レダセムチドの投与による心筋の壊死部分の縮小や心臓の繊維化の減少が確認されており、虚血性心筋症の新たな治療薬となることが期待されます。 d)対象疾患:変形性膝関節症 研究進捗:2020年11月 第Ⅱ相医師主導治験 開始2021年2月 第Ⅱ相医師主導治験 第一症例の登録2021年12月 第Ⅱ相医師主導治験 最終症例の登録2022年12月 第Ⅱ相医師主導治験 終了 進捗状況: 2023年3月に、弘前大学医学部附属病院において実施された医師主導治験(第Ⅱ相試験、レダセムチド群10例、プラセボ群10例)について、主要目的として設定したレダセムチド投与時の安全性評価について、重篤な有害事象及び本剤との関連性が認められると判定された副作用は認められず、変形性膝関節症を対象とする本剤投与時の安全性について確認された旨の開示をいたしました。また、副次目的として設定した本剤投与時の有効性評価について、変形性膝関節症の根本的な原因の一つである軟骨の損傷部位の形態学的評価としてMRI撮像を行ったところ、投与開始後52週時点の大腿骨内側顆軟骨欠損面積率の変化量(中央値)はプラセボ群で-3.5%であったのに対し、レダセムチド群では-7.5%であり、レダセムチド群でより欠損部位が縮小した傾向でした。なお、事後解析の結果になりますが、専門医師による内視鏡での肉眼観察においても、良好な軟骨再生の所見がレダセムチド群では5例に認められました(プラセボ群では2例)。現在、今後の開発方針を検討しております。 変形性膝関節症は膝関節軟骨の摩耗により膝の形が変形し、痛みや腫れをきたす疾患で、重度の症例では強い痛みのため歩行困難になることも多く、QOL及び日常生活動作の低下が顕著になります。国内の潜在患者数は約2,500万人、そのうち自覚症状を有する患者数は約1,000万人と推定されています。主な原因は加齢によるものが多く、40代以降の中高年に多く発症します。損傷をうけた関節軟骨は自己修復しにくいことが知られており、損傷した軟骨組織の修復促進、あるいは人工関節置換術への移行を回避できるような新たな治療法の開発が望まれています。レダセムチドは、マウス膝関節軟骨欠損モデルを用いた本剤の非臨床試験で軟骨修復作用等が確認されており、変形性膝関節症患者に対する新たな治療薬となることが期待されます。 e)対象疾患:慢性肝疾患 研究進捗:2020年11月 第Ⅱ相医師主導治験 開始2021年3月 第Ⅱ相医師主導治験 第一症例の登録2022年6月 第Ⅱ相医師主導治験 最終症例の登録2022年12月 第Ⅱ相医師主導治験 終了 進捗状況: 2023年4月に、新潟大学医歯学総合病院により実施された医師主導治験(第Ⅱ相試験、レダセムチド群10例)について、主要評価項目を達成いたしました。第Ⅱ相試験においては、主要目的として設定したレダセムチド投与時の安全性評価について、10例の患者のうち2例で治験薬との因果関係が否定できない有害事象(発声障害、発熱)が発現しましたが、いずれも軽度で回復しています。また、重篤な有害事象(肝生検実施時の出血)が1例発現しましたが、処置なく回復し、レダセムチドとの因果関係は否定されたことから、レダセムチドの忍容性は良好であると考えられます。副次目的として設定した探索的な有効性評価について、レダセムチド 1.5mg/kg(体重換算)を週1回4週間投与(計4回投与)した5例において、投与開始78日後及び162日後の時点で、MRエラストグラフィを指標とした肝硬度の改善傾向が認められました(投与開始前と比較して平均12%及び8%の減少率)。また、MRエラストグラフィによる肝硬度の改善だけでなく、他の線維化指標(線維化インデックス、線維化マーカー、modified HAIのFibrosis stage値)も随伴して改善傾向を示す症例が複数例認められました。これら各種有効性評価指標結果をふまえた治験責任医師による総合評価では、レダセムチド1.5mg/kg(体重換算)を週1回4週間投与(計4回投与)した5例のうち3例(60%)、1週目に4日間連続投与及び2~4週目に週1回投与(計7回投与)した5例のうち2例(40%)で肝線維化の改善傾向が示唆されました。以上の結果を踏まえ、慢性肝疾患に対する今後の開発方針が検討されています。 線維化が進行した肝硬変は、肝機能低下、門脈圧亢進、発癌など生命予後を左右する様々な問題が生じうる疾患であり、肝硬変の患者数は国内40~50万人と推定されております。現状、一般治療において、線維化が進行した肝硬変に対し完治が期待できる治療法は肝移植を除き確立されておらず、移植医療に頼らない新たな肝線維化改善薬や組織再生促進薬の開発が期待されております。レダセムチドは、有効な治療法の乏しい線維化を伴う慢性肝疾患の患者に対し、新たな治療の選択肢になり得る可能性があります。 ■TRIM3、TRIM4(全身投与型再生誘導医薬®新規ペプチド) レダセムチドに続く新規再生誘導医薬®候補物質の探索プロジェクトについて、次世代の開発候補品選定に向けた積極的な研究開発投資を続けながら候補物質スクリーニングを多面的に展開してきたことで、これまでに顕著な活性を有する新規候補化合物(TRIM3、TRIM4、TRIM5)を同定するに至っております。次世代の再生誘導医薬®TRIM3,TRIM4はレダセムチドと同様に抹消血中の間葉系幹細胞を増加させることで、組織損傷を伴う幅広い疾患に対する組織再生を誘導します。当事業年度においては、各疾患モデル動物での実験データを着実に蓄積し、ライセンスアウトに向けた事業開発活動が引き続き進捗いたしました。 ■SR-GT1(表皮水疱症の根治治療を目的とした幹細胞遺伝子治療) 当社が大阪大学との共同研究で開発を進めている幹細胞遺伝子治療(SR-GT1)は、表皮水疱症患者の水疱から間葉系幹細胞を採取する独自の開発技術を基盤として、レンチウイルスベクタ―を用いてⅦ型コラーゲン遺伝子を患者皮膚由来間葉系幹細胞に効率的に導入し、水疱内へと戻して持続的Ⅶ型コラーゲン供給を可能にする根治的表皮水疱症治療技術です。患者由来皮膚細胞を用いて表皮水疱症モデル皮膚組織を作製し、吸引法により水疱を人工的に形成したところ、Ⅶ型コラーゲン遺伝子を導入した間葉系幹細胞を水疱内と同じ領域に投与して作製した表皮水疱症モデル皮膚組織では、Ⅶ型コラーゲンタンパク質を広範囲に基底膜領域へ供給しており、水疱が形成されないことが確認されました。また、他の投与経路と比較して水疱内投与は生体内において高い生着能を確認しております。遺伝子導入細胞の表皮シートを介した移植や皮内投与と比較し、より患者の負担が少なく高い薬効を長期間持続的に示す幹細胞遺伝子治療は、現在有効な根治療法のない栄養障害型表皮水疱症の根治的治療法となることが期待されます。 これらの結果、当事業年度の経営成績の状況は以下のとおりであります。 (事業収益) 当事業年度における事業収益はなし(前年同期の事業収益はなし)となりました。 (事業費用) 当事業年度における研究開発費は前事業年度に比べて59,318千円減少し1,394,651千円(前年同期比4.0%減)、販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて45,233千円減少し576,881千円(前年同期比7.2%減)となりました。研究開発費の減少は、主に研究用材料費の減少及び研究員に対する株式報酬費用の減少によるものであります。販売費及び一般管理費の減少は、主に役員及び管理部門の従業員に対する株式報酬費用の減少によるものであります。この結果、当事業年度における事業費用は前事業年度に比べて104,552千円減少し1,971,532千円(前年同期比5.0%減)となりました。 (営業損益) 当事業年度において、事業収益なし、事業費用1,971,532千円を計上した結果、営業損失は1,9
サステナビリティに関する考え方及び取組4,543字
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 ・サステナビリティに関する考え方 当社は、「再生誘導®で難治性疾患を克服する」を企業理念に掲げ、大阪大学をはじめとする各大学との共同研究並びに再生誘導医学協働研究所での研究成果を最大限に活用し、従来の再生医療及び細胞治療が抱える課題を克服した次世代の医薬品である「再生誘導医薬®」の開発に注力しております。当社のミッションである「再生誘導医薬®の開発を通じて、難治性疾患に苦しむ世界中の患者の皆様に笑顔をお届けすること」は、社会に多大な影響をもたらすものと確信しております。今後も、再生誘導医薬®の開発事業を通じて社会の発展に寄与するとともに、事業に関連する社会の重要課題への取り組みを継続してまいります。 ・マテリアリティについて 当社では、「社会・ステークホルダーにとっての重要性」と「ステムリムにとっての重要性」の2つの視点から課題を精査し、その中でも特に重要と判断した6つを重要課題(マテリアリティ)として特定し、そのうち4つを最優先課題として設定いたしました。特定したマテリアリティに対する取り組みを推進することにより、「再生誘導医薬®の実現を通じて難治性疾患に苦しむ世界中の患者の皆様に笑顔をお届けする」という当社のミッションのもと、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指して邁進してまいります。 ※マテリアリティの分類をE(環境)S(社会)G(ガバナンス)で記載しております。 (1)ガバナンス 当社は、サステナビリティに関する取り組みを企業経営における最重要課題の一つとして位置付け、これを推進するためのガバナンス体制を厳格に構築しております。具体的には、代表取締役が責任者として全体の統括を行い、経営管理部が事務局の役割を担い、当該分野における具体的な方針や戦略の検討および計画の策定を実施しております。経営管理部は、サステナビリティに関する考え方に則り、各種課題に対して適切に対応するための体制を整備し、当社の持続的成長に寄与するための活動を着実に推進してまいります。 また、当社はサステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他の経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理及びコンプライアンス体制について」をご参照ください。 (2)戦略■再生誘導医薬®の開発を通じて、社会的課題の解決に取り組む 当社は、再生誘導医薬®の実現に向けた開発活動を通じ、社会的課題の解決に積極的に取り組んでまいります。難治性疾患や高齢化に伴う慢性疾患の増加など、現代社会が抱える多様な医療ニーズに対応するため、新たな治療法の開発に注力し、様々な医療課題に革新的なアプローチで対応してまいります。 また、これらの取り組みによって、医療アクセスの向上や地域医療の支援といった幅広い社会的課題の解決に寄与できると確信しております。レダセムチドについては、塩野義製薬への導出が完了しているため、引き続き塩野義製薬による臨床開発が滞りなく進められ、将来幅広い適応症に対して開発が展開されるよう、支援を継続してまいります。レダセムチド以外の再生誘導医薬®開発候補品については、引き続き導出活動を促進し、新たな事業提携に繋げていくことができるよう取り組んでまいります。 ■従業員が能力を最大限発揮できる職場風土の醸成 「再生誘導医薬®の開発を通じて、難治性疾患に苦しむ世界中の患者の皆様に笑顔を届けたい」という当社のミッションを実現するためには、高度な専門的知識、技能及び経験を有する多様な人材の確保と継続的な育成、さらに社員がいきいきと活躍できる職場風土の醸成が、重要課題の一つであると認識しております。この課題の維持・向上に向け、当社は基本的な人事施策の実施に取り組んでおります。具体的には、2021年にフレックスタイム制度を導入し、社員がライフスタイルに応じて出勤時間、退勤時間、及び労働時間を柔軟に選択できるようにすることで、生産性の向上に寄与しております。また、従業員及び派遣社員を対象としたストック・オプション制度を導入しており、優秀な人材確保及び定着に向けた取り組みを進めております。さらに、研修管理システムを活用し、コンプライアンス研修、情報セキュリティ研修、ハラスメント防止研修等、多岐にわたるオンライン研修を定期的に実施することで、人材育成に努めております。 また、当期より、公正な人事評価・待遇の実現を目的として人事評価制度を刷新いたしました。これにより、これまで以上に従業員が能力を最大限発揮できる環境の醸成を目指してまいります。 ■安全で働きやすい職場環境の構築 当社では、社員の多様性を尊重し、各人がその能力を最大限に発揮できるよう成長を支援することが、持続的かつ安定的な組織の成長に直結すると考え、各種人事施策の推進に積極的に取り組んでおります。社員にとって働きやすい職場環境を実現するため、施策の内容については定期的に見直しを行っております。具体的には、出産や育児などのライフステージの変化に柔軟に対応できるよう、仕事と育児の両立を支援するための出産育児休暇・休業制度、時短勤務制度等の各種制度を整備し、社員の多様なニーズに応える環境を整えております。 また、年次有給休暇の取得促進、男性育休取得率の向上、介護両立支援の相談窓口設置、時間外労働の適正な管理等、働きやすさの向上に向けた具体的な目標を行動計画として定め、実行しております。 行動計画の詳細については、下記の通りです。 計画期間:2025年8月1日~2027年7月31日(2年間)目標1:全社員(契約社員含む)の年次有給休暇の取得日数を1人あたり平均年間8日以上とする。目標2:男性社員…計画期間中に配偶者が出産した男性社員の育児休暇取得率を90%とする。 女性社員…取得率を100%とする。目標3:仕事と介護の両立支援にむけた相談窓口を設置。目標4:所定時間外労働の削減および適正管理のため、以下を励行する。 ・25~39歳のフルタイム労働者の1人当たりの各月ごとの法定外時間外労働および法定休日労働の合計時間数を45時間未満とする。 ■知的財産の保護・強化 当社のビジネスモデルは、製薬企業に対し当社が開発する医薬品の開発権・販売権等をライセンスアウトし、その対価として契約一時金、研究進捗に応じたマイルストーン収入、並びに製品販売時の一定割合のロイヤリティ収入を通じて収益を確保するというものであります。このため、当社の保有する知的財産を適切に管理・活用することは、企業価値の向上において極めて重要な要素と位置付けております。企業価値の向上を図るべく、自社の事業を支える知的財産の戦略的な確保及び取得済み知的財産の適切な維持・管理に注力しております。さらに、当社の知財部門には、弁理士資格を有するもののみならず、再生誘導医薬®に関する高度な専門的知識を持つ人材が在籍しており、国内外の市場における特許出願及び知的財産の保護に積極的に取り組んでおります。 ■資源の循環利用の促進 当社では、すべての経営資源を最大限に有効活用することにより、グローバルな持続可能社会の実現を目指し活動を推進しています。また、分別廃棄の徹底や節電を通じたCO2排出削減を図るほか、社内における紙資源等の効率的な活用を推進し、持続可能社会並びに資源循環型社会の構築に向けて全社的に取り組んでおります。今後も、社会及び事業の持続的発展に貢献するべく、不用品の消費の見直しを含めた資源の有効利用を徹底し、貴重な資源の最適な活用に努めてまいります。 ■コンプライアンスの徹底 当社では、役員、派遣社員を含む従業員のコンプライアンス意識の向上を図ることを目的として、研修管理システムを活用したコンプライアンス研修、情報セキュリティ研修、ハラスメント防止研修等、多岐にわたるオンライン研修を定期的に実施しております。これらを通じて、役職員におけるコンプライアンスに対する理解力の向上や、コンプライアンスを意識した業務上の適切な判断の実践に努めております。 また、社内外でのコンプライアンス違反、兆候の通報・相談窓口として内部通報窓口を整備し、コンプライアンス違反の早期発見及び未然防止に努めております。内部通報窓口には部門長、弁護士のみならず、比較的相談しやすい人員を窓口に配置することで、より早期に問題事案を把握することが期待でき、内部通報制度を通じた透明性の高い組織構築の実現を目指す方針です。 さらに、コンプライアンス体制の有効性を確認や実効性の確保を目的として、リスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催しております。リスク・コンプライアンス委員会では、内部通報制度の実効性、社内コンプライアンス体制について定期的に見直しを行い、社内コンプライアンスの遵守体制の整備に努めております。 詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理及びコンプライアンス体制について」をご参照ください。 (3)リスク管理 当社ではサステナビリティに関連するリスク及び機会を、その他の経営上のリスク及び機会と一体的に監視・管理しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理及びコンプライアンス体制について」をご参照ください。 (4)指標及び目標 当社におけるサステナビリティへの取組みに関するリスクの評価及び対応については、経営資源の有限性を考慮し、影響の重要性に応じて取り組むべき事項の優先順位を決定し、それに基づいた目標を設定する方針としております。 人材の育成及び社内環境整備に関する方針についての目標及び実績については下記のとおりです。 尚、女性管理職比率については、現時点では目標を設定しておりませんが、2025年7月31日時点において実績値が54.5%となります。 指標2025年7月期実績2027年7月期目標男性の育児休暇取得率 (注)1-90%女性の育児休暇取得率100%100%年次有給休暇取得日数 (注)2年間取得平均日数:14.6日1人あたり平均年間8日以上仕事と介護の両立支援に向けた相談部窓口の設置未設置設置(注)1.2025年7月期には対象者がいなかったため、実績値を「-」と記載しております。2.年次有給休暇取得日数の実績については、2025年3月を基準としています。
コーポレート・ガバナンスの概要5,149字
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社は、「新しいコンセプトの治療薬を生み出し続けることで、世界の健康と幸福の実現に貢献」することを企業使命としており、この企業使命を実践・実現し、企業価値の更なる向上をしていくためには、コーポレート・ガバナンスの充実と強化が経営の重要課題であると認識しております。 当社は、経営環境が変化する中において、永続的な発展と成長、持続的な企業価値の最大化を目指し、株主をはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を得るため、経営の健全性・効率性を確保すべく、最適な経営管理体制の構築に努めるとともに、経営監視機能の充実と適切な情報開示による透明性の高い経営の確保に努めております。 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 当社の取締役会は、取締役4名(うち社外取締役2名)で構成されており、議長は代表取締役社長CEOである岡島正恒がつとめております。構成員である取締役の氏名(社外取締役に該当する場合はその旨を含む。)については「(2)役員の状況 ① 役員一覧」に記載のとおりであります。また、業務執行機能と監督機能を分離することで、業務執行の機動性を高めるとともに、取締役会に占める社外取締役の比率を高めることで、監督機能の強化を図ることを目的として、執行役員制度を導入しております。取締役会は定時の月次取締役会を毎月1回、また必要に応じて臨時の取締役会を開催し、迅速な経営上の意思決定を行える体制としております。また、法令・定款に定められた事項のほか、経営に関する重要事項を決定するとともに各取締役・執行役員の業務執行の状況を監督しております。取締役には、製薬業界及び企業経営に精通した人材を登用しており、4名のうち2名を社外取締役とすることにより、取締役会の経営監視機能を強化しております。 当社は、監査役会制度を採用しており、監査役会は常勤監査役1名及び非常勤監査役2名の3名(うち社外監査役3名)で構成され、議長は常勤監査役の久渡庸二がつとめております。監査役は、取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べるほか、取締役の職務執行を監査しております。監査役会は原則として毎月1回の定例の監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時の監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果等の検討等、監査役相互の情報共有を図っております。 当社は、経営の監督と業務執行の分離を明確にし、透明性の高い経営の実現をはかるとともに、経営環境の変化に対してより迅速かつ機動的に対応できる経営体制を構築するために、当該体制を採用しております。 当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は次のとおりであります。 ③ 企業統治に関するその他の事項a.内部統制システムの整備の状況 当社の内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況は、以下のとおりであります。(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制イ 取締役及び使用人は、その職務の遂行に当たり、コンプライアンス体制に係る規程を法令、定款及び社会規範を遵守した行動をとるための行動規範とする。ロ 法令等遵守の統轄組織として、リスク・コンプライアンス委員会を置き、法令遵守体制の整備及び維持を図る。ハ 法令上疑義のある行為等については従業員が直接情報提供を行う手段として内部通報制度を設置・運営する。ニ 内部監査人は、別に定める「内部監査規程」に基づき各部門の業務執行及びコンプライアンス状況について定期的に内部監査を行い、その結果を代表取締役に報告する。また、内部監査人は、監査役の独立性に支障が生じない範囲において、監査役と連携するよう努力し、監査の合理性確保に努める。ホ 財務報告の信頼性を確保するための内部統制の体制を整備・運用し、適切に評価を行う。ヘ 監査役は、取締役の職務執行が法令及び定款に適合することを検証し、監視機能の実効性向上に努める。 (b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制イ 取締役の職務遂行に係る情報については、法令、「記録管理規程」及びその他社内規程に基づき適切に保存・管理を行う。ロ 監査役会又は監査役が要求した場合、当該文書を速やかに閲覧に供する。ハ 当社は、機密情報につき「機密情報管理規程」を制定し、当社の機密情報の管理・保全について定め、企業秘密の漏えい防止体制を構築する。 (c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制 損失の危険の管理に関する規程その他の体制に関する事項については、別に定める「リスクマネジメント規程」、「コンプライアンス規程」を制定するとともに、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、企業活動に影響を及ぼすおそれのあるリスクの未然防止及びトラブル発生時における迅速・適切な対応を図る。 (d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制イ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するため、取締役会は各取締役の職務の執行を監督する。ロ 取締役会は毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催する。ハ 別に定める「職務権限規程」に基づき、迅速効率的な業務執行を図る。 (e)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制 監査役は、その職務を補助すべき使用人(以下、「補助使用人」という。)の業務執行者からの独立性の確保に努めなければならない。 (f)前記(e)の使用人の取締役からの独立性に関する事項 補助使用人の独立性の確保のため、補助使用人の人事異動、人事評価、懲戒処分等、雇用に係る重要事項についてはあらかじめ監査役会の同意を得る。 (g)取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制イ 監査役は取締役会のほか、必要に応じて重要会議に出席するとともに、稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人にその説明を求めることができる。ロ 取締役は、取締役会において担当する業務執行に関して重大な法令・定款違反及び不正行為の事実又は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を知ったときには、速やかに監査役に報告する。ハ 使用人は、会社に著しい損害を及ぼすおそれがある事実や、重大な法令又は定款違反事実を知ったときには、速やかに監査役に報告する。ニ 監査役へ報告した者が、当該報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けることを禁止し、その旨を取締役及び使用人に周知徹底する。 (h)その他の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制イ 代表取締役は監査役会と定期的に会合を持ち、会社が対処すべき課題、監査役監査の環境設備の状況、監査上の重要課題について意見を交換し、相互意識を深めるように努める。ロ 取締役及び使用人は、監査役が別に定める「監査役監査規程」に基づき、監査を行う場合にはこれに協力する。ハ 監査役の職務の執行について生じる費用等、所要費用の請求を監査役から受けたときは、当社は監査役の職務執行に明らかに必要でないと認められる場合を除き、その費用を負担する。 (i)反社会的勢力排除に向けた体制 「反社会的勢力対策規程」に基づき、反社会的勢力及び団体と一切の関係を排除するための社内体制を整備・維持する。 b.リスク管理及びコンプライアンス体制について 当社では、リスクマネジメントとコンプライアンスとが表裏一体の関係であることに鑑み、リスクマネジメントとコンプライアンスを一体で推進することにより、公正・透明かつ健全な経営を実現することを目指しております。リスクマネジメント・コンプライアンス体制の構築及び運用の強化を図るため、「リスクマネジメント規程」、「コンプライアンス規程」及び「リスク・コンプライアンス運用マニュアル」を制定し、代表取締役を委員長とする専門機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を設置してリスク管理及びコンプライアンス体制の整備を行っております。 c.取締役及び監査役の定数 当社の取締役は10名以内、監査役は5名以内とする旨を定款に定めております。 d.取締役及び監査役の選任決議 当社は取締役及び監査役の選任決議について、議決権を行使することのできる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。 e.株主総会の特別決議要件 当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めております。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。 f.中間配当 当社は会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議によって毎年1月31日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にすることを目的とするものであります。 g.自己株式の取得 当社は、自己株式の取得について、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、自己株式の取得を取締役会の権限とすることにより、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行、株主への利益還元などを目的とした機動的な自己株式の取得を可能にするためであります。 h.取締役及び監査役の責任免除 当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であったものを含む。)及び監査役(監査役であったものを含む。)の同法第423条第1項の責任につき、取締役会の決議によって法令の定める限度の範囲内で、その責任を免除することができる旨を定款に定めております。 i.責任限定契約の内容 当社は、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としております。 j.役員等賠償責任保険契約の概要等 当社は、保険会社との間で取締役、監査役及び執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しております。保険料は会社が全額負担しており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。 当該保険契約では、被保険者がその地位に基づいて行った行為に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされた場合に、被保険者が負担することとなる損害賠償金及び争訟費用等の損害を填補することとされております。但し、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は填補されないなど、一定の免責事由があります。 ④ 取締役会の活動状況 当事業年度において当社は取締役会を14回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。氏名開催回数(回)出席回数(回)岡島 正恒1414冨田 憲介44玉井 克人1414澤井 典子1414永井 宏忠1414(注)1.上表の取締役会の開催回数のほか、会社法第370条及び定款に基づき、取締役会決議があったものとみなす書面決議が5回ありました。2.冨田 憲介氏は2024年10月24日付で辞任により取締役を退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しております。 取締役会では、法令等に定める重要事項に関する決議、役員人事・報酬、予算・事業計画等の意思決定を行っており、また、年度計画の月次進捗状況や達成状況について毎月報告を行い、目標達成に向けた戦略や環境変化等により生じた課題への対策など、企業価値向上に向けた審議を行っております。当事業年度における具体的な検討内容としては、各種規程の改訂、組織変更、重要な人事異動、重要な契約、役員報酬、株式報酬、株主総会提案提出議案、決算承認、その他重要な事項などであります。また、報告事項として、月次決算の他、内部統制監査の進捗状況等の重要な事項について報告を受けております。
役員の報酬等2,253字
(4)【役員の報酬等】① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項1.報酬等の額の決定に関する方針 当社は、役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する具体的な方針は定めておりませんが、当社のような研究開発が先行し、収益化までに中長期の期間を要する当社のような事業を行う上では、短期的な業績追求よりも、中長期で見た企業価値の向上を目指すインセンティブとなる報酬体系が望ましいものと考えております。したがって、当社では、主に中長期の継続的な企業価値向上や株主利益につながるよう、役員の報酬構成等を決定しており、現在の報酬体系は、固定報酬を基本とし、長期的な取締役及び監査役へのインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬制度及びストック・オプション制度を導入しております。短期の業績により変動する業績連動報酬は導入しておりません。 また報酬水準としては、職務内容や貢献度を踏まえつつも、優れた人材を確保するために競争力のある報酬水準とすることを基本と考えております。 2.役員の報酬等に関する株主総会の決議年月日 当社の取締役の報酬限度額は、2017年10月26日開催の定時株主総会において年額300百万円以内と定めております。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は4名です。 また、株式報酬として、譲渡制限付株式報酬につきましては、上記の報酬及び後述のストック・オプション報酬とは別枠にて定めており、2021年10月27日開催の定時株主総会において、発行又は処分する譲渡制限付株式報酬の金額の上限は年額300百万円(うち社外取締役60百万円)、発行又は処分する株式数の上限は500千株(うち社外取締役は100千株)とする旨のご承認を頂いております。ストック・オプションにつきましては、上記の報酬とは別枠にて定めており、2021年10月27日開催の定時株主総会において、発行又は処分するストック・オプションの金額の上限は年額150百万円(うち社外取締役30百万円)、発行又は処分する株式数の上限は300千株(うち社外取締役は60千株)とする旨のご承認を頂いております。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は4名(うち社外取締役は2名)です。 当社の監査役の報酬限度額は、2019年10月24日開催の定時株主総会において、年額30百万円以内と決議しております。当該定時株主総会終結時の監査役の員数は3名です。 また、株式報酬として、譲渡制限付株式報酬につきましては、上記の報酬及び後述のストック・オプション報酬とは別枠にて定めており、2021年10月27日開催の定時株主総会において、発行又は処分する譲渡制限付株式報酬の金額の上限は年額30百万円、発行又は処分する株式数の上限は50千株とする旨のご承認を頂いております。ストック・オプションにつきましては、上記の報酬とは別枠にて定めており、2021年10月27日開催の定時株主総会において、発行又は処分するストック・オプションの金額の上限は年額15百万円、発行又は処分する株式数の上限は30千株とする旨のご承認を頂いております。当該定時株主総会終結時の監査役の員数は3名です。 3.当社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者及び裁量の範囲 取締役の報酬等の額は、株主総会において定められた報酬限度額の範囲内で代表取締役にて各役員の職務の内容、実績・成果などを勘案して個人別の取締役報酬の具体的な支給額、支給時期等を示した報酬案を作成し、本報酬案を基に取締役会にて決定しております。代表取締役に報酬案の作成を委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ、各取締役の担当業務の評価を行うには代表取締役が最も適しているためです。 また、監査役の報酬等の額は、株主総会において定められた報酬限度額の範囲内で監査役の協議により決定しております。 4.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する役職ごとの方針 個別の報酬については、各個人の役割と責任や常勤・非常勤の別などに応じて、取締役会又は監査役会で協議・決定しております。役職毎の具体的な数値や算定方法については定めておりません。 5.当社の役員の報酬等の額の決定過程における取締役会の活動取締役報酬担当職務、貢献度、同業他社の動向等を総合的に勘案したうえで決議監査役報酬常勤・非常勤の別、業務分担を考慮して協議 ② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(千円)報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(人)固定報酬ストックオプション譲渡制限付株式報酬退職慰労金左記のうち、非金銭報酬取締役(社外取締役を除く)286,42553,25043,400189,774-233,1753監査役(社外監査役を除く)-------社外役員53,60013,20019,30421,096-40,4005(注)上表には、2024年10月24日付で辞任により退任した取締役(社外取締役を除く。)1名を含んでおります。 ③ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等氏名報酬等の総額(千円)役員区分会社区分報酬等の種類別の総額(千円)固定報酬ストックオプション譲渡制限付株式報酬退職慰労金左記のうち、非金銭報酬等岡島 正恒148,063取締役提出会社30,00011,498106,564-118,063
従業員の状況465字
5【従業員の状況】(1)提出会社の状況 2025年7月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)45(23)40.65.26,874(注)1.従業員数は、就業員数(執行役員、契約社員、常用パートを含む。)であります。なお、臨時雇用者数(派遣社員)は、年間平均雇用人員を( )内に外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社は単一セグメントであるため、セグメント情報との関連は記載しておりません。 (2)労働組合の状況 当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満な関係にあり、特記すべき事項はありません。(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
関係会社の状況22字
4【関係会社の状況】 該当事項はありません。
配当政策280字
3【配当政策】 株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ、剰余金の分配を検討する所存でありますが、当面は、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 内部留保資金の使途につきましては、研究開発に充当する方針であります。 剰余金の配当を行う場合は、年1回期末での配当を考えており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は取締役会決議によって、毎年1月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
研究開発活動512字
6【研究開発活動】 「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。 当社は、医薬品の研究開発を主たる業務としております。自社研究若しくは大学等研究機関との共同研究を通じて、生体内における組織再生誘導メカニズムの解明と幹細胞の特性解析、幹細胞の制御技術に関する基礎研究を行い、その成果を活用したスクリーニング系によって、再生誘導医薬®シーズの探索を行っております。 同定した候補物質については、自社単独若しくは共同研究を実施した大学等研究機関と共同で特許を出願し、研究開発活動の果実である知的財産の構築を進めております。大学等研究機関と共同で出願した特許については、当社が独占的な実施権の許諾を受け、以後の製品化に向けた研究開発を当社主導で進めております。 当社は、設立以来積極的な研究開発を行っており、当事業年度における研究開発費の総額は、1,394,651千円と事業費用全体の70.7%の割合を占めています。また、現在までに発生した研究開発費用は、主に再生誘導医薬®の研究開発にかかる費用となっております。当社としては、今後も研究開発活動を加速していく方針であり、相応の研究開発費用が発生していく見込みとなります。
主要な設備の状況362字
2【主要な設備の状況】2025年7月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品車両運搬具合計本社・彩都ラボ(大阪府茨木市)事務所研究施設50,944452051,39611(12)大阪大学ラボ(大阪府吹田市)研究施設573--573-(1)再生誘導医学協働研究所(大阪府吹田市)研究施設125,1483,110-128,25933(8)(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。2.本社等の建物を賃借しており、年間賃借料は30,739千円であります。3.当社の事業セグメントは、再生誘導医薬®事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。4.従業員数は就業人員(執行役員を含む)であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を()外数で記載しております。
監査の状況2,471字
(3)【監査の状況】① 監査役監査の状況 当社の監査役会は、監査役3名(うち、社外監査役3名)により構成され、うち1名の常勤監査役を選任しております。監査役は、監査役会で策定した監査計画に基づき、当社の業務全般について、常勤監査役を中心として計画的かつ網羅的な監査を実施しております。また、監査役は定期的に内部監査担当者及び会計監査人と意見交換等を実施し、連携をとりながら効果的かつ効率的な監査を進めております。 当事業年度において当社は監査役会を14回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりです。役職名氏名出席状況常勤監査役(社外)久渡 庸二14回/14回監査役(社外)水上 亮比呂14回/14回監査役(社外)島田 洋一郎14回/14回 常勤監査役は、取締役会や他の重要な会議へ出席し意見を述べる他、重要な決裁書類等の閲覧や取締役又は使用人への意見聴取を通して、取締役の業務執行状況を監査しております。他の監査役は、取締役会へ出席し適宜意見を述べる他、定められた業務分担に基づき監査を行い、原則として月1回開催されている監査役会において、情報共有を図っております。 なお、常勤監査役久渡庸二氏は、製薬企業における事業開発、マーケティング業務にて培われた業界特有の商慣習に精通した知見を有しております。監査役水上亮比呂氏は、公認会計士としての専門的な知識、実務経験により、経営に対する高い見識を有し、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する者であります。監査役島田洋一郎氏は、金融機関等において培われた実務及び内部監査等に係る幅広い知識を有しております。 ② 内部監査の状況 当社は、業務の適正な運営や不正防止を図ること等を目的として、内部監査担当者(2名)を任命し、内部監査に関する基本事項を定めた「内部監査規程」に基づき、内部監査を行う体制としております。内部監査担当者は、毎期計画的に各部の業務の遂行状況について監査を行うとともに、法令・社内諸規則の遵守やリスクの予防の状況を検証しております。また、内部監査指摘事項の改善状況を定期的に確認することで実効性の高い監査の実施に努めております。なお、内部監査が自己監査とならないよう、内部監査責任者及び担当者が所属する部門については、代表取締役が別部門から内部監査担当者を別途任命し、内部監査を実施しております。改善すべき点の指摘を受けた被監査部門は改善状況について報告し、内部監査担当者は必要に応じて再監査を実施しております。それら監査結果を、代表取締役社長及び取締役会に報告することにより内部監査の実効性を確保しております。 また、内部監査担当者は、監査役及び会計監査人はそれぞれと意見交換を行うなどの連携を行い、監査の有効性及び実効性を高めております。 ③ 会計監査の状況a.監査法人の名称EY新日本有限責任監査法人 b.継続監査期間 2017年7月期以降。 c.業務を執行した公認会計士指定有限責任社員・業務執行社員 松浦 大指定有限責任社員・業務執行社員 中尾 志都 d.監査業務に係る補助者の構成 当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士8名、その他11名であります。 e.監査法人の選定方針と理由 当社は、会計監査人の選定に関しては、会計監査人の品質管理体制、独立性及び専門性等を総合的に勘案し問題がないことを確認する方針としており、当該基準を満たし高品質な監査を維持しつつ効率的な監査業務の運営が期待できることから、EY新日本有限責任監査法人を会計監査人として選定しております。 また、当社は以下のとおり、会計監査人の解任又は不再任の方針を定めております。 監査役会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査役全員の同意に基づき、会計監査人を解任いたします。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会におきまして、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告いたします。 f.監査役及び監査役会による監査法人の評価 当社の監査役及び監査役会は、会計監査人より監査計画を聴取し、会計監査人と定期的に意見交換を行うなどのコミュニケーションにより監査の実施状況を把握するとともに、監査の実施結果及び職務の遂行が適正に行われていることを確保するための体制・監査に関する品質管理基準等について受けた報告等を踏まえて総合的に評価しております。 ④ 監査報酬の内容等a.監査公認会計士等に対する報酬の内容前事業年度当事業年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)19,500-17,500- b.監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(a.を除く) 該当事項はありません。 c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容 該当事項はありません。 d.監査報酬の決定方針 当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針としては、過年度の監査実績、当社の事業規模等をもとに、監査計画、監査体制、監査時間等を勘案し、当社と監査法人との協議の上、監査役会の同意を得て決定する方針としております。 e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由 取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査役会が会社法第399条第1項の同意をした理由は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りなどが当社の事業規模や事業内容に適切であるかどうかについて必要な検証を行ったうえで、会計監査人の報酬等の額について同意の判断を行っております。
株式の保有状況24字
(5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。
沿革1,900字
2【沿革】年月概要2006年10月国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に会社設立。2007年4月大阪大学との共同研究を開始。以後、研究成果の知財化を進め、これまでに多数の特許を取得。2010年4月本社を彩都バイオインキュベータ(大阪府茨木市)に移転。彩都ラボ開設。塩野義製薬株式会社と骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約締結。(注)12011年11月独立行政法人 科学技術振興機構(JST)A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。2012年6月神戸ポートアイランド内に神戸ラボ(兵庫県神戸市)を開設。疾患モデル動物を用いた薬効試験の実施体制を強化。2013年7月彩都バイオインキュベータ内のラボを増床。加えて自社の動物飼育/実験施設を開設し、神戸ラボの機能を吸収。2013年12月独立行政法人 科学技術振興機構(JST)A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。大阪大学の早期探索的臨床試験拠点整備事業と連携し、医師主導治験を支援。2014年4月大阪大学最先端医療イノベーションセンターの共同研究プロジェクトに採択(テーマは「体内再生誘導医薬開発のための非臨床試験及び新規候補物質の探索」)。大阪大学ラボ開設。2014年5月独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業に採択。2014年11月塩野義製薬とレダセムチド(HMGB1ペプチド)に関するライセンス契約締結。(注)22015年8月大阪大学にてレダセムチドに関する医師主導治験開始。2017年3月レダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相試験)終了。2017年8月中小企業庁助成事業「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択。2017年12月大阪大学においてレダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。2018年7月株式会社ステムリム(StemRIM Inc.)に社名変更。2019年4月塩野義製薬においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)開始。2019年8月東京証券取引所マザーズに株式を上場。2020年4月レダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)終了。2020年6月大阪大学・テクノアライアンス棟に再生誘導医学協働研究所(床面積1,540㎡)を開設。2020年6月塩野義製薬とレダセムチドの適応拡大(変形性膝関節症、慢性肝疾患、心筋症)に向けた新たな契約を締結。2020年11月国立大学法人弘前大学においてレダセムチドに関する変形性膝関節症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。2020年11月国立大学法人新潟大学においてレダセムチドに関する慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。2021年12月レダセムチドに関する急性期脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)終了。2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しによりマザーズからグロースに市場区分を変更。2022年7月レダセムチドに関する栄養障害型表皮水疱症を対象とした追加第Ⅱ相臨床試験開始。2023年4月レダセムチドに関する慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)終了。2023年4月日本及び米国においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした医師主導治験(グローバル後期第Ⅱ相試験)開始。2023年7月欧州及び中国においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした医師主導治験(グローバル後期第Ⅱ相試験)開始。2024年3月レダセムチドに関する虚血性心筋症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。2024年12月国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)令和6年度 再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業に採択。(注)1.「骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約」:HMGB1を候補品とし、医薬品としての開発可能性を検討することを目的とした契約です。2.「レダセムチド」:HMGB1より創製したペプチド医薬です。HMGB1(high mobility group box-1 protein)は、様々な細胞の核内に存在し、DNAと結合して遺伝子発現を制御する核蛋白です。HMGB1は細胞が壊死した際や炎症細胞が活性化した際に細胞外に放出され、細胞遊走、増殖などを誘導し、自然免疫、自然炎症を助ける働きをすると共に、それに続く組織再生反応を活性化することが知られています。
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TIMELY DISCLOSURE
適時開示(TDnet)
栄養障害型表皮水疱症の根治治療を目的とした幹細胞遺伝子治療技術(開発コード:SR-GT1)の特許登録(韓国)のお知らせその他 · 15:30
PDF再生誘導医薬レダセムチド(HMGB1断片ペプチド)の軟骨疾患を適応症とした特許登録(メキシコ)のお知らせその他 · 15:30
PDF出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。
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