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株式会社ispace

EDINET CODE E37584

証券コード 9348EDINETコード E37584輸送用機器上場日本基準決算 3月31日資本金 32億円法人番号 3030003001527
33億円売上高(FY2026
-50.1%ROE
31.6%自己資本比率
18財務健全性スコア
KEY METRICS

主要財務指標

FY2026連結日本基準

FY2026の売上高は33億円(前年比-30.3%)。営業利益は-116億円(営業利益率-350.2%)、当期純利益は-82億円。総資産477億円に対し自己資本比率は31.6%、ROEは-50.1%。輸送用機器の中央値(ROE 6.2%)を下回る水準。営業キャッシュ・フローは-136億円の流出、現金及び現金同等物は297億円。

開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。
株価(終値)4162026-09-04
PER
PBR4.04倍
配当利回り
時価総額(概算)657億円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。
売上高33億円-30.3%
営業利益-116億円-18.2%
当期純利益-82億円+31.8%
総資産477億円
純資産152億円
営業利益率-350.2%
ROE-50.1%
自己資本比率31.6%
EPS-66円
BPS103円
1株配当
配当性向
従業員数
INDUSTRY POSITION

業種内のポジション

輸送用機器の分析 →
ROE-50.1%中央値 6.2%
営業利益率-350.2%中央値 4.5%
自己資本比率31.6%中央値 51.0%
健全性スコア18.0点中央値 57.0

帯は輸送用機器62社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。

FINANCIAL HISTORY

業績推移

6期分
売上高と営業利益率
50億38億25億13億0億2021: 5億20212022: 7億20222023: 10億20232024: 24億20242025: 47億20252026: 33億20262024: -233%2025: -207%2026: -350%1%-400%
営業利益と当期純利益
0億-37億-75億-112億-150億2021: —20212022: —20222023: —20232024: -55億20242025: -98億20252026: -116億20262021: -26億2022: -41億2023: -114億2024: -24億2025: -119億2026: -82億0億-150億
収益性・財務健全性の推移ROE営業利益率自己資本比率
500%275%50%-175%-400%2021 ROE: -36%2022 ROE: -46%2023 ROE: 486%2024 ROE: -23%2025 ROE: -196%2026 ROE: -50%2024 営業利益率: -233%2025 営業利益率: -207%2026 営業利益率: -350%2021 自己資本比率: 86%2022 自己資本比率: 71%2023 自己資本比率: -35%2024 自己資本比率: 36%2025 自己資本比率: 25%2026 自己資本比率: 32%202120222023202420252026
営業キャッシュ・フロー
0億-37億-75億-112億-150億2021: -26億20212022: -54億20222023: -73億20232024: -50億20242025: -120億20252026: -136億2026
1株当たり指標EPS1株配当
1円-62円-124円-187円-250円2021 EPS: -55円2022 EPS: -78円2023 EPS: -211円2024 EPS: -29円2025 EPS: -124円2026 EPS: -66円202120222023202420252026
貸借対照表の構成
資産
477億円
負債・純資産
負債 325億円純資産 152億円
年度売上高営業利益経常利益当期純利益総資産純資産EPSROE自己資本比率
FY202633億円-116億円-81億円-82億円477億円152億円-66-50.1%31.6%
FY202547億円-98億円-113億円-119億円272億円70億円-124.3-196.4%25.4%
FY202424億円-55億円-61億円-24億円270億円97億円-29.1-22.6%36.1%
FY202310億円-114億円-114億円72億円-23億円-211.5485.5%-35.4%
FY20227億円-40億円-41億円125億円88億円-77.7-46.0%70.7%
FY20215億円-26億円-26億円85億円73億円-55-35.7%86.2%
営業CF-136億円
投資CF-18億円
財務CF314億円
現金及び現金同等物297億円
MAJOR SHAREHOLDERS

大株主

順位氏名・名称持株比率
1袴田 武史8.2%
2高砂熱学工業株式会社4.8%
3JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合4.4%
4インキュベイトファンド3号投資事業有限責任組合4.1%
5栗田工業株式会社2.9%
6赤浦 徹2.2%
7STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505019(常任代理人 株式会社みずほ銀行)2.0%
8株式会社日本政策投資銀行1.9%
9IF GROWTH OPPORTUNITY FUND 1, L.P.(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)1.5%
10三井住友信託銀行株式会社1.4%
INTERIM RESULTS

中間期の業績(半期報告書)

四半期報告書廃止後の期中開示
中間期売上高営業利益経常利益純利益営業利益率自己資本比率EPS
FY2026中間(〜2025-09-30)22億円-42億円-45億円-45億円-189.7%2.8%-42.2
FY2025中間(〜2024-09-30)13億円-37億円-58億円-64億円-278.2%-68.6
FY2024中間13億円-20億円-23億円15億円-153.5%19.2

半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。

HUMAN CAPITAL

人的資本

平均年齢40.2歳
平均年間給与1,076万円
平均勤続年数2.8年

提出会社(単体)ベースの開示値です。

REMUNERATION

役員報酬

役員区分報酬等の総額員数1人あたり
取締役(社外取締役を除く)58百万円229百万円
社外取締役14百万円44百万円
監査役(社外監査役を除く)10百万円110百万円
社外監査役7百万円24百万円
ANNUAL REPORT TEXT

有報本文

16セクション
事業の内容17,499
3【事業の内容】 当社は「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、人類の生活圏を宇宙に広げ持続的な世界を実現するべく、月面開発の事業化に取り組んでいる次世代の民間宇宙企業です。当社グループは、当社及び連結子会社であるispace EUROPE S.A.(ルクセンブルク大公国)、ispace technologies U.S., inc.(米国)、株式会社ispace Ops Japan(日本)の計4社で構成されております。 <ビジネスモデルについて> 当社グループは、現在自社にて開発中のランダー及びローバーを用いて、1.ペイロードサービス、2.データサービスを提供することを、ビジネスモデルとしております。 1.ペイロードサービス 月に輸送する物資である顧客の荷物(以下、「ペイロード」という。)を当社グループのランダーやローバーに搭載し、月まで輸送するサービスを提供します。本サービスには、ロケットの打上げから月面へのペイロードの輸送は勿論のこと、打上げの約1~3年前頃を目途に開始される、顧客のペイロードをランダー及びローバーに搭載するための技術的なアドバイスと調整、更には月面到着後の実験の支援や、これらに関連する電力供給やデータ通信等に係るサービスの提供まで含まれます。当社グループでは、基本的に1機のランダーによる1回の月着陸及び月面探査のプロジェクトを「1ミッション」と定義し、ミッション単位で事業を運営しております。当社グループでは、初の月面着陸ミッションとなる2022年のミッション1及び、続く月面探査ミッションとなる2025年のミッション2を、技術実証ミッションとして位置付け、これら2ミッションを総括して「HAKUTO-R」プログラムと呼称しました。 ミッション1およびミッション2において、当社のランダーはSpaceX社のファルコン9ロケットにより打ち上げられ、成層圏を超えた宇宙の比較的地球に近いポイントまで運搬された後、ロケットから放出され、ランダー自身で燃料噴射による軌道制御等を繰り返した後、月遷移軌道と呼ばれる軌道へ入り、約4ヵ月の期間をかけて月の周回軌道へと入った後に月面着陸を予定しておりました。また、着陸後はローバー等の一部の稼働ペイロードはランダーから展開され、また一部のペイロードはランダー内部に搭載されたまま、月面での観測活動等を行い、データ収集等を行う計画でした。 ミッション1およびミッション2では、取得したデータは当社のランダーを経由して地球に伝送され、月面におけるミッション期間は、太陽光エネルギーをランダー及びローバーが獲得可能な、月の日中時間(約14日間)を計画しておりました。なお、ロケットから放出された後、ミッション完了まで当社が中央区日本橋に開設いたしましたミッション・コントロール・センターにおいて、人工衛星のミッション・オペレーションの知見を有する当社の従業員(ミッション・オペレーション・グループ)により制御されました。 図1:提供サービスのイメージ図 本サービスは、ペイロード重量に応じて1kg当たりの価格を顧客に課金する料金体系(注1)であり、ロケット打上げの1~3年前の本契約時からロケット打上げまでの間に、その全額が一括若しくは複数回に分割されて入金されます。宇宙開発分野においては、ミッションのための開発コストを負担する場合等、支出がミッションの1~3年前から発生することが多いことから、この様な打上げの1~3年前から入金が発生する契約体系は、当該分野において比較的一般的な商慣行となっており、現在契約締結を進めているミッション3以降の潜在顧客との間でも同様の契約体系を基本としております。また、売上の計上方法につきましては、ロケット打上げの1~3年前からペイロードの仕様や当社ランダーとのインターフェースの調整等のエンジニアリング検討の提供が開始されることから、本契約以降、ランダーが月へ到着しミッションを完了させるまでの期間にわたって、履行義務充足に応じた売上計上がなされる想定となります(注2)。 当社グループが開発するランダー及びローバーの外観は図2のとおりで、基本的に有人を想定しない、ロボティックス(無人)ミッションを想定しております。 ミッション1及びミッション2で使用したRESILIENCEランダーは、最大30kgのペイロードを運搬可能な設計となります。一方、2028年に打上予定のミッション3以降で使用するULTRAランダーは、この設計を拡張させ、足許最大で200kgのペイロードを運搬可能な設計であり、既に開発に着手しております。ULTRAランダーは、当初米国で開発していたAPEX1.0ランダーと日本で開発していたシリーズ3ランダー(仮名)を統合したモデルであり、顧客の要請に応える高品質と開発効率を両立したランダーモデルになります(注3)。ミッション4以降は年間2回のミッションを目指し、さらに中長期的には年間3回のミッションを通じて、高頻度にランダーでの月面着陸とローバーでの月面探査を実施することで、顧客荷物の月輸送や、顧客の要望に応じた月面データの取得等のサービスを行う、安定的な商業プラットフォームを構築することを目指しております。特に2028年から2030年代に向けては、ペイロードサービスによりもたらされる安定的な収益を基盤としながら、高頻度ミッションにより取得したデータを解析・高付加価値化したデータプラットフォームを構築し、顧客が必要とする情報にアクセス可能なサブスクリプションモデルのビジネスを展開することで当社事業の更なる成長を目指してまいります。また、データプラットフォーム構築のための先端開発投資として、データ取得のためのセンサー開発、データ解析、水資源探査、輸送サービス向上等を順次実施していく予定です。 当社初の実証ミッションとなる2022年のミッション1では、全体で約12.43kgのペイロードを輸送しましたが、その内の10kgについてはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの政府宇宙機関であるMohammed Bin Rashid Space Centre(以下、「MBRSC」という。)との間で月面探査ローバーの輸送を、日本特殊陶業株式会社との間では固体電池の輸送に関するペイロードサービス契約を締結しております。また、カナダ宇宙庁が推進する月面技術開発、宇宙空間での実証、科学ミッションを支援する月面探査加速プログラムであるLunar Exploration Accelerator Program(以下、「LEAP」という。)に採択されたカナダの民間企業であるMission Control Space Services(以下、「MCSS」という。)との間で人工知能のフライトコンピューター、同じくカナダの民間企業であるCanadensys Aerospace Corporation(以下、「Canadensys」という。)との間でカメラのペイロードサービス契約を締結しております。その他、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)との間で変形型月面ロボットのペイロード輸送を合意し、2021年4月に本契約を締結しております。 また、2025年のミッション2では全体で10.5kgのペイロード輸送をしており、高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置、台湾中央大学の深宇宙放射線プローブ、株式会社ユーグレナの微細藻類培養装置、またムーンハウスとの間でアート作品を輸送するペイロードサービス契約を締結しております。 2028年打上予定(注4)で商業ランダーを活用する初のミッションとなるミッション3では、宇宙戦略基金第1期として公募された「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・ 実証」に、国立大学法人東京科学大学が代表機関、当社が中核的連携機関として取り組む研究開発課題が2025年4月に採択され、東京科学大学との間で、当社が当該研究開発課題における衛星開発およびその打上輸送と運用を担うための業務委託契約を締結しております。また、台湾国家宇宙センター(以下、「TASA」という。)との間でベクトル磁力計及び紫外線望遠鏡のペイロードサービス契約を締結し、韓国の宇宙探査企業 Unmanned Exploration Laboratory 社 (以下、「UEL社」という。)との間では二輪月面探査ローバーのペイロードサービス契約を締結しました。また、米国の月面資源開発企業であるMagna Petra Corp(以下、「マグナ・ペトラ社」という。)との間で、ヘリウム3等の希少同位体を含む揮発性物質の観測を行う質量分析計を輸送するペイロード契約を締結しております。 2029年打上予定で量産化フェーズとなるミッション4では、当社は、宇宙戦略基金第2期のテーマである「月極域における高精度着陸技術」に採択され、支援上限額最大200億円の支援を受ける予定です(注5)。また、欧州宇宙機関(以下、「ESA」という。)との間で締結しているThe Mission for Advanced Geophysics and Polar Ice Exploration(先端地球物理学および極限氷探査ミッション(以下、「MAGPIE」という。))において、ESAはフェーズ2の予算として119億円を確保しており、今後、当社欧州法人との間でローバー研究開発受託契約およびペイロードサービス契約を締結する予定です(注6)。加えて、英国国立レスター大学との間で月面のレゴリスの観測を行うラマン分光器を輸送するペイロードサービス契約を締結しております。 2030年打上予定のミッション5は、当社がTeam Draperの一員としてNASAのCLPSタスクオーダーCP-12に採択されているミッションであり、新スケジュールの下でのCP-12実行に関してはNASAからの正式な承認待ちとなります(注7)。 (注1) 本書提出日時点の当社の価格設定としては、ランダーに搭載するペイロード価格として月面まで輸送する場合は1.5百万米ドル/kg、月周回軌道上まで輸送する場合は0.5百万米ドル/kg、ローバーに搭載するペイロード価格として、3.5百万米ドル/kgを基本価格として設定しています。なお、当社が行うペイロードサービスの単価については既に確立した水準は存在しないことから、契約相手方との関係や競合相手の状況によっては、当社が希望する水準での価格設定を行えない可能性があります。一方で、ペイロードの技術要件等の諸条件によっては、上記以上の価格での契約締結となる場合もあります。(注2) 具体的な計上方法としては、ミッション1については、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないため、原価回収基準を適用いたしました。ミッション2については、同様の理由により原価回収基準を適用しておりましたが、2025年1月の打上げ成功を契機として履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができるようになったことから、履行義務の進捗度に基づき収益を認識する方法に変更しております。ミッション3乃至ミッション5については、本書提出日時点まで履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないため原価回収基準を適用しており、今後も引き続き原則として原価回収基準を適用する見込みです。なお、ミッション6以降の収益認識方法については、進捗度を合理的に見積ることができることが前提となりますが、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3.会計方針に関する事項 (3)重要な収益及び費用の計上基準」をご参照ください。(注3) 当社は2026年3月に日米ランダーを統合した新モデルULTRAランダーを発表いたしました。ランダー統合及びエンジン変更に伴い、米国ミッションはミッション3から5へとナンバリングが変更になりました。(注4) 当該打上時期については本書提出日時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、本書提出日時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。(注5) 今後ステージゲート審査等により変動し得る数字であるため、全額を受領することが本書提出日時点で確定するものではありません。(注6) 2025/12末時点のTTMレートを使用し円換算。今後の契約内容等により金額が変動する場合があり、当該金額全額の契約締結を確約するものではありません。(注7) 打上時期が2027年から2030年へ変更となったことに伴い、契約内容につきましては、今後修正予定です。 図2:当社が開発するランダー「ULTRA」:左とローバー「TENACIOUS」:右。それぞれの縮尺は異なります。 2.データサービス 当社は将来的にデータサービスをより主要なサービスの1つとして提供することを計画しています。顧客自身がペイロードを準備の上、当社に輸送を委託し、月面や月周回軌道から地球へ試験データをフィードバックする当社のペイロードサービスを活用した直接的なデータ収集に加えて、顧客が当社のペイロードを利用してデータ収集を行い、地球へその結果をデータとして送り返し、解析の上、次なるR&Dへ活用したいというニーズが確認されています。当社ではこれをデータサービスとして定義しており、LEAPに採択されたカナダの民間企業であるNGC Aerospace Ltd(以下、「NGC」という。)に対して、2026年3月期第1四半期に売上を計上いたしました。 ① 足許で需要が顕在化すると見込まれる、ミッションを通じたデータ取得サービス 当面の間(足許から2027年頃まで)は、ミッションごとに、当社自らが開発・購入するデータ計測機器やカメラ機器等(インターナル・ペイロード)を輸送し、主に月のデータを取得し、時には顧客の特定のニーズに合わせて取得するデータも都度アレンジしつつ、取得したデータを顧客に対して提供する予定です。またデータ提供だけではなく、(1)データ取得前の取得に関する技術コンサルテーションや運用計画、(2)取得後にデータを地球にフィードバックするための運用(電力・通信の運用)等もサービスの一環として提供することを目指しており、当社が本書提出日時点で想定している主なデータは以下のとおりです。 マーケティングデータ: 宇宙空間・月面風景・月から見た地球に関する画像・映像等 サイエンスデータ:資源分布、土壌、気温、放射線等の環境情報等 R&Dデータ:特定顧客・特定産業の将来のR&Dに必要なデータ(例:建築業界や自動車業界の研究開発の検討に資する地形・地質・堆砂圧データ等) ② 将来的に顕在化することが見込まれる大規模データベースの利用サービス 将来的(2028年以降を想定)には、当社の高頻度なミッションを通じて、当社のインターナル・ペイロードから取得・蓄積した情報に、地球上で入手可能な既存のデータも加え、加工、解析、統合することで、顧客にとって高付加価値な「大規模な月のデータベース」をクラウド上に構築し、顧客が自由にアクセスし、定額料金を課金の上、利用して頂く、SaaS(Software as a Service - サービスとしてのソフトウェア)型・サブスクリプションモデルのビジネスの展開を目指しています。地球上で、月面活動や試験等を簡易的にシミュレーションすることが可能となれば、より多くの企業が、より少ない負担で、月面事業への参画を検討することが可能となります。また、顧客はデータにアクセスするだけで、デジタル上でビジネスにおける潜在的なニーズを把握することが可能となり、これにより能動的な新事業開発の促進が期待され、将来の月面社会の創出へ大きく寄与することが想定されます。 入金と売上の計上方法につきましては、①ミッションを通じたデータ取得サービスはペイロードサービス同様、ロケット打上げの1~3年前の本契約時から打上げまでの間に、その全額が一括若しくは複数回に分割されて入金され、本契約以降月へ到着しミッションを完了させるまでの期間にわたり、履行義務の進捗度に応じて売上が計上される想定であり、②大規模データベースの利用サービスは、サブスクリプションモデルによる月額課金及び月次での売上計上を想定しております。 ③ 新たに着目される安全保障等のニーズに応えるデータ取得サービス 近年、米国が主導するアルテミス計画をはじめ、月面インフラ構築に向けた取り組みが国際的に本格化しております。2026年3月にNASAが発表した「IGNITION」では、今後10年程度で、月面に恒常的な拠点を構築することが明確に示されております。それに伴い、インフラ設備を守る観点から安全保障上のニーズが増加しており、2026年4月には、米国宇宙軍が「Cislunar Coordination Office」の新設を発表しました。安全保障の観点から、広範囲な月面観測、宇宙状況把握(Space Situation Awareness)等、月周回衛星等のアセットを活用したサービスの潜在的な需要が急速に高まっています。 こうした環境下において、当社は、過去2度の月面着陸ミッションを通じて実証した「月周回軌道への輸送・投入および同軌道上での運用能力」を活用し、月周回衛星等の自社アセットを今後積極的に月周回軌道へ展開する方針です。当社は2030年までに少なくとも5機の自社月周回衛星を投入することを計画しております。 また、月面インフラの増加に伴う通信・測位のニーズを踏まえ、当社は、月面および月周回で活動する顧客に対して、当該月周回衛星を活用した通信・測位サービス「ルナ・コネクトサービス」の立ち上げを検討開始することを決定いたしました。ルナ・コネクトサービス事業を構築する上では、大容量の通信・データ等を月から安定的に受信するための、地球側の地上局の整備が重要な鍵となりますが、地上局の運用および利用について、ispaceは日本国内における主要な地上局提供事業者であるKDDI株式会社(以下「KDDI」という。)と、共同検討を進めるべく基本合意書を締結しています。本合意に基づき、KDDIは地上局の機能や、月面における通信サービスの在り方等についてispaceに必要な技術的・事業的情報を提供し、両社は共に将来計画の具体化を進める予定です。KDDIは2024年11月に、「宇宙戦略基金」の技術開発テーマである「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」の委託先に選定されており、同システムにおける地上局及び地上局ネッ
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等14,739
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンとし、地球と月が1つのエコシステムとなる世界を築くことにより、月に新たな経済圏を創出することを目的としています。この実現に向け、史上初の民間月面探査へ向け研究・開発を推進する企業として、持続的な成長と企業価値の最大化を目指すことを基本方針としております。 (2)経営戦略等1.品質向上サイクルの実現 当社グループは現在、2028年に計画しているミッション3及び2029年のミッション4に向けて、ローバー及びランダーの開発を進めておりますが、過去の国主導の宇宙ミッションでは実現が困難であった、民間企業ならではの品質向上サイクルを回すことを企図しています。 既存の宇宙開発の課題の1つに、コストの高さ及びそれに起因する実証機会の少なさが挙げられます。過去の宇宙ミッションの多くが国主導のミッションですが、民間企業と比較して失敗に対する許容度を相対的に低く設定せざるを得ないことから、より慎重かつ複雑な開発プロセスと、より重層的な実証試験等を行わざるを得ず、開発コストが大規模かつ開発期間が長期化する傾向があります。 一般的に、技術的な品質を向上させ成功率を高めるためには、リスク・コントロールが可能な範囲での技術的失敗と改善を繰り返す、言わば健全な反復プロセスが必要不可欠とされています。しかしこれまでの宇宙ミッションでは、高額な開発コストはそのまま実証機会の少なさにつながり、結果的に宇宙開発におけるプロダクトの品質向上サイクルを回すことに限界が生じていたと考えられます。 当社グループは提供するプロダクトをロボティックスによる無人かつ小型で軽量化されたモデルに設定し、また必要とされる部材についても、近年その品質が急速に向上しているCOTS品から十分に宇宙品質に耐えられるものを選定し、柔軟に調達することを基本としています。また国主導のミッションと比較して、失敗に対する許容度を相対的に高く設定することが可能な民間企業としての特性を活かし、実用性が高く迅速な開発プロセスを設計し、結果的に既存の宇宙機器開発と比較して大幅な開発コストの低減が可能となっています。これにより実証機会を増加させ、将来的に反復ミッションと十分な研究開発による品質向上を実現し、更には量産による品質安定化を図ることを計画しております。 当社は、2022年のミッション1及び2025年のミッション2を、技術実証ミッションとして位置づけておりました。前述のとおり、経験を十分に有するエンジニア陣による「段階的プロジェクト計画法におけるシステムエンジニアリング活動」に万全を期すことで、確かな開発品質を実現させていく計画ですが、失敗が一切存在しないミッションを保証するものではありません。当社としては、リスク・コントロール可能な範囲での失敗については、仮に発生した場合にも企業として許容可能な十分な手当を準備しています。実際に、ミッション1及び2で獲得されたミッションデータは、着陸失敗の要因分析に関するデータまでを含めて、ミッション3以降の後続ミッションへと活用されております。ミッションを高頻度に実施し、技術的な経験値を継続して蓄積させていくことが、当社の技術的リスクを低減させ、持続安定的な事業運営を達成する上での重要な鍵となります。 2.ミッションリスクに備えた手当 当社グループが行う月着陸ミッションには、宇宙開発における一定の不確定要素が存在するため、これに備えた十分な手当を行うことを戦略としております。 当社は、既存のミッションを含む複数ミッションについて、主にSpaceX社のファルコン9ロケットにランダーを搭載し打上げを行う予定です。ファルコン9はSpaceX社により開発された中型ロケットであり、打上価格が機当たり74百万米ドル/1回(本書提出日時点における公表値(https://www.spacex.com/media/Capabilities&Services.pdf))と同規模の他社ロケットと比較し安価であり、市場において大きなシェアを獲得しております。打上契約後は、仮に何か問題が発生しミッション継続に支障が起きた場合にも、SpaceX社は打上代金の返金をせず、打上業者と顧客である当社の双方がお互いに損害賠償請求権を放棄して、自損自弁にしておくことが業界慣行となっています。当社は、累計で600回超の打上げを行い、過去の打上げの成功確率としても約99%と極めて信頼性の高い実績を持つSpaceX社のファルコン9を選定しておりますが、仮に問題が発生した事態における財務的リスクを軽減するために、第三者の損害保険会社との間ですべてのミッションについて月保険を締結する予定であり、ミッション1については、三井住友海上火災保険株式会社との間で損害保険契約を締結しておりました。当該保険はロケットが打ち上げられてからランダーが月面に着陸し、通信の機能が正常に作動して地球とランダーとの間でデータ送受信が行われるまでを保険責任期間としており、実際にミッション1の月面着陸未完に伴い約38億円の保険金を受領しております。ミッション2についても同様に三井住友海上火災保険株式会社との間で月保険を締結しており、保険責任期間はロケットが打ち上げられてからランダーが高度100kmの月周回円軌道上までの軌道制御確認完了までとし、保険金は約21億円としておりました。ただし、ミッション2の月面着陸未完は、当該保険責任期間外となっているため保険金の受領はできませんでした。 同様に、当社と当社の顧客との間においても、SpaceX社と当社との間と同様の仕組みを踏襲し、当社と顧客の双方がお互いに損害賠償請求権を放棄して自損自弁とする契約体系を基本としております。また、当社が手掛ける①ペイロードサービス及び②データサービスでは、基本的にロケット打上げに先立つ1~3年前に本契約をし、以降、ロケット打上げまでの間に、ほぼ全額の金銭的対価を顧客から受領することを基本としていますが、仮に契約後に問題が発生しミッション継続に支障が起きた場合にも、当社側に契約不履行に繋がる程の重大な瑕疵(マテリアル・ブリーチ)が生じない限り、原則として当社から顧客への返金が生じない契約体系となり、複数のペイロード顧客との間で、既に上記趣旨の内容で最終契約を締結しております。将来的には、より多くの顧客に安心して当社のサービスを利用してもらい、産業を活性化させる上では、損害保険等の商品により顧客の財務的リスクを軽減させる仕組みが不可欠と考えており、月面輸送サービスにおける損害保険商品の将来的な導入を見据え、現在第三者の損害保険会社との間で検討を進めております。 3.継続的なミッション資金の十分な確保 前述のとおり、宇宙開発における技術の品質向上サイクルを実現させることは民間企業ならではの利点と言え、当社は、常に単発ではなく同時並行で継続的なミッションの準備を進めておくことで、リスク・コントロールが可能な範囲での技術的失敗を、タイムリーに次のミッションの改善へと反映させることを実現させます。 当社は足許、2028年に計画するミッション3のULTRAランダーの開発にも人的・財務的なリソースを配分しております。ランダー及びローバーの開発には一般的に高額の開発費用を要すること、また継続的に打上業者との間で高額な打上契約に関する合意を形成していかねばならないこと、そして複数ミッションの検討を同時並行して実施可能な十分の開発エンジニアを確保することから、当社は常に比較的大規模な財務的原資を手当する必要があり、継続的な資金調達の実施が持続的な事業運営上不可欠です。 当社は、2014年の無担保転換社債型新株予約権付社債の発行(シード投資)、2017年12月から2018年2月にかけてシリーズAとして国内過去最高額、また、宇宙分野のシリーズAとしては世界過去最高額(いずれも2018年2月当時)となる103.5億円の新株発行による資金調達を行いました。その後、2020年のシリーズB、2021年のシリーズCの資金調達を経て、2023年4月には、東京証券取引所グロース市場に上場しております。上場後も、2024年3月には海外募集を、2024年10月から2025年3月にかけては第三者割当増資を、また2025年10月から11月にかけては公募増資並びに第三者割当増資を実施し、累計で598億円の新株発行による資金調達を実施しております。また、銀行からの借入についても2024年3月期においては複数行と融資契約を締結し総額75億円の借入を実行、2025年3月期には総額100億円のシンジケートローン契約を含め、借換も含めて総額193億円の融資契約を締結し実行、2026年3月期には株式会社三井住友銀行と100億円、株式会社みずほ銀行と50億円の融資契約をそれぞれ締結し総額150億円の借入を実行しております。進行期である2027年3月期には、4月に朝日信用金庫との10億円の融資契約を締結・実行し、本書提出日時点で創業以来の累計値で506億円の融資契約を締結し実行しております。これらの資金を原資としたランダー及びローバーの開発並びに当社ミッションの実行を進めると同時に、事業化のための市場と顧客の開拓を行っております。4.政府宇宙機関及び民間企業の双方の顧客ターゲティング 足許の当社の売上は、グローバルな顧客ニーズの高まりを背景に、顧客からのペイロードを輸送するペイロードサービスの売上が重要な割合を占めております。 当社は、2019年12月にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの政府宇宙機関であるMBRSCより、ミッション1において10kgのペイロード(月面探査ローバー)を運ぶ大型受注を獲得し、2021年に本契約を締結致しました。MBRSCの前身となる機関は2006年に設立され、以降、2009年のDubaiSat-1、2013年のDubaiSat-2等、複数の衛星プロジェクトを打上げた実績を持つ、中東を代表する先進的宇宙機関の1つです。2020年7月には、UAE建国50周年を迎える2021年に中東初となる無人探査機の火星到着を目指す火星探査ミッションにおいて、MBRSCは火星探査機「HOPE」の設計と技術面の取りまとめを行い、三菱重工のロケットH-IIAによる打上げを成功させています。 この他の宇宙機関との間では、カナダ宇宙庁が推進するプログラムであるLEAPに採択されたカナダの民間企業であるMCSSとの間で人工知能のフライトコンピューターのペイロードサービス、Canadensysとの間でカメラのペイロードサービス、NGCとの間でデータサービスを提供する契約を締結しております。また、JAXAとの間では変形型月面ロボットのペイロードを月面へ輸送することで合意し、2021年4月に本契約を締結しております。加えて、当社子会社であるispace EUROPE S.A.はイタリア宇宙機関とレーザー反射鏡を月面へ輸送することで合意し、欧州宇宙機関とは今後のMAGPIEと呼ばれるミッションの実現可能性、定義・設計、ミッションを実行するための全体的な枠組みの検討を行う契約を締結しております。 また、当社子会社であるispace technologies U.S., inc.は、主契約者であるドレイパー研究所等で構成されるドレイパーチームの一員として、2022年7月においてNASAのCLPSのタスクオーダーCP-12のサービスプロバイダーの1社に選ばれており、当該タスクオーダーの総額は採択時点で73百万米ドルとなります。これに関して、当社子会社であるispace technologies U.S., inc.は、ドレイパー研究所との間で、ランダーの製造やペイロードサービスを実施するための請負契約を締結し、当該契約に基づき、ミッション5において、リレー衛星を月周回軌道に投入し、月震計(FSS)、地下の熱流探査機(LITMS)、及び電磁場測定器(LuSEE)といった一連の科学実験機器を含むペイロードを月の裏側に存在する南極付近に輸送する予定です。これらのリレー衛星はBlue Canyon Technologies Inc.が製造し、Advanced Space, LLC が運用をサポートする予定で、これらの衛星を活用して月震データを最大1年間にわたり収集する予定です。 当社子会社とドレイパー研究所の間の上記請負契約の契約金額は当初約5,450万米ドルとなっており、2024年12月に約6,218万米ドルに増額となっておりますが、支払は一定のマイルストーンの達成を条件とした分割払いとなっており、打上日までに総額の10%を除いた金額が支払われ、残り10%相当額については月面着陸及びペイロードからのデータの受信時に支払われる予定です。また、NASAの要請によりドレイパー研究所がミッション期間を延長した場合には、最大で280万米ドルの支払いを追加で受領できる可能性があります。ただし、当社子会社は、ドレイパー研究所との契約上、自らの契約不履行又は履行遅滞に起因して発生した損害についてドレイパー研究所に対して損害賠償義務を負う可能性があり、また、当社起因の理由によりタスクオーダーCP-12の費用が増加した場合には、当該増加費用分をドレイパー研究所に対して当社が負担することになる可能性があることから、最終的な受取金額は減少する可能性もあります。 民間企業との間では、ミッション1のペイロードとして、日本特殊陶業株式会社との間で固体電池を月面へ輸送する契約を獲得しており、既に本契約を締結の上、全額の入金も完了しております。また、ミッション2顧客として、高砂熱学工業株式会社との間で月面用水電解装置、台湾中央大学との間で深宇宙放射線プローブ、株式会社ユーグレナとの間で微細藻類培養装置及びムーンハウスとの間でアート作品のペイロードサービス契約を締結しております。ミッション3顧客として、マグナ・ペトラ社、Control Data Systems SRL社とペイロードサービス契約を
事業等のリスク29,998
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事 項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクをすべて網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。当社グループは、月面への輸送サービスを主軸としつつ、月周回衛星等の自社アセットを活用した通信・測位サービスを含む月面インフラ事業の構築にも取り組んでおりますが、月面着陸をはじめとする宇宙ミッションの成功がビジネス継続のための重要な要素となります。しかしながら、未だ当社において月面への着陸実績はありません。また、当社が属する宇宙産業自体未だ市場草創期であり安定的な市場は確立されておらず、将来の市場規模拡大には不確実性を伴います。また、ランダー等の開発には長い年月と多額の費用を要するとともに、すべての開発及び宇宙ミッションが成功するとは限らないことからも、当社への投資は一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられます。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅したものではありません。 Ⅰ. 外部環境及び第三者など自社を取り巻く環境に関するリスク(1)当社ビジネスおよび業界に関するリスク①市場について (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし) 当社の属する宇宙産業は将来の成長が期待される市場でありますが、当社が事業収益を見込むペイロードサービスとデータサービスは、現在グローバルでも草創期に当たります。それゆえ、宇宙産業の将来には多くの不確実性が伴います。当社では既に現在ミッション1及びミッション2の顧客からの受注の確定及び、ミッション3以降に係る顧客からの潜在的受注を確認しておりますが、今後、当該事業における市場が当社の想定通り成立・成長する保証はありません。例えば、世界的な経済情勢、各国の宇宙政策や企業の景気による影響、月資源の存在及び規模並びにその商業的開発の実現可能性に対する認識の変化等により事業環境が変化した場合には、当社の顧客が政府機関の場合には月関連の事業に投入可能な予算額が減少し、また民間企業の場合には研究開発予算や事業開発予算・ブランディング予算等が減少し、その結果、市場において十分な需要が生じない可能性があります。加えて、当社又は第三者が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその結果は大きく異なります。例えば、PwC社の調査においても、各地域の市場トレンドや観測可能な調査に基づくボトムアップ分析と、当社のビジョンである「2040年代に月に1,000人が居住」することと同様の前提を置いた場合のロードマップ分析では大きく結果が異なります。したがって、これらの予測において用いられる仮定や前提条件が正しくない場合には、予測とは大きく異なった結果となる可能性があります。また、当該調査は2021年9月に発表されたものであり、例えばNASAのアルテミス計画の遅延等、それ以降の市況や地政学的状況の変化を反映しておりません。NASAにおいては、2025年5月に発表された予算計画案において全体の予算額削減が計画された一方、2026年3月にはIGNITION(日本語訳:点火)というイベントの中で、今後は月面での基地開発(Moon Base)に集中し、総額3兆円規模の投資が発表されるなど、当社事業にも係る多くの計画更新が発表されております。アルテミスⅡミッションの成功や次期CLPS(CLPS2.0)の発表などもあり、今後も米国は月面開発及び商業化を重視する意向であると認識していますが、時の政権の意向や影響は大きく、今後も具体的な実施計画は変更になる可能性はあります。 また、有価証券報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3.事業の内容 <当社グループが注力する月面輸送サービスの分類について>」記載のとおり、当社は、ペイロードサービスにおいて、小型ランダーへの戦略的集中を行っており、大型のランダーのペイロードを指向する顧客とは重複しない一定層の小型ランダーが成立し得ると考えているところ、ペイロード市場における主要なニーズが、当社が対応出来ない大型のペイロードを指向する場合には、当社が提供するサービスへの需要が十分に喚起されないおそれがあり、また、仮に需要があったとしても、他の事業者が提供する大型ランダーの余剰スペースに搭載する形のペイロードサービスによって代替されるおそれもあります。さらに、当社が行うペイロードサービスの単価等については既に確立した水準は存在しないことから、契約相手方との関係や競合相手の状況によっては、当社が希望する水準での価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があります。 加えて、データサービスについては、潜在的な顧客からのニーズは確認されており、当社として顧客からの受注も存在しているものの、本書提出日時点で十分な市場は確立されておらず、また、同サービスにおける価格設定についても、今後市場動向や競合の動向によって仕組み等が変動する可能性があります。したがって、将来的に同サービスにおいて、当社が期待するだけの需要を喚起できない可能性や、できたとして当社が希望する水準での価格設定を行えない可能性があります。また、当社が顧客のために取得したデータについて、顧客との交渉次第では、当社が権利を確保できない可能性があり、その場合、当社が計画するデータプラットフォームやデータベースの構築が遅延する、又は実現しない可能性があります。 2026年3月に発表した、月の周回衛星を活用した通信・測位サービス「ルナ・コネクトサービス」についても、潜在的な顧客からのニーズは確認されているものの、通信・測位の市場自体は本書提出日時点では十分に確立されておらず、今後のグローバルでの月面輸送サービスの進展により、需要は大きく変動する可能性があります。 このように、当社の想定通りに市場が成立・成長しなかった場合等には、売上計上時期が後ろ倒しになる等、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②マクロ経済について当社の業績は、日本、米国及び国際的な経済・政治情勢等の影響を大きく受けます。現在の世界経済は、インフレ圧力の継続に加え、エネルギー価格の上昇や地政学的緊張の高まり等を背景に、不確実性が一層高まっております。これにより、様々な部品、材料及びサービスの調達コストの上昇が継続する可能性があるほか、金融環境の引き締まりや金利動向の不確実性により、当社の借入コストが増加する可能性があります。また、現在及び将来の顧客については、その事業または予算が経済状況の影響を受けた場合には、当社のサービスに対する支出を延期または減少させる可能性があります。近時の国際経済環境においては、貿易摩擦や政策不確実性に加え、地政学的リスクの高まりが投資や需要の抑制要因となる可能性があります。当社は、ペイロードサービスの対価の一部を顧客からの前払いとし契約後の返金を行わないこと等のリスク軽減措置を講ずる予定であるものの、今後ペイロード容量を増加し民間企業の潜在顧客も見込まれる中で、契約期間が数年間など長期に渡る契約も想定されるところ、現在及び将来の顧客が当社のサービスに対する代金を支払えない場合、当社の収益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 現在のロシアとウクライナの軍事衝突は長期化しており、欧州及び国際的な安全保障環境に継続的な影響を与えるとともに、米国及び北大西洋条約機構(NATO)とロシアの緊張状態は続いております。各国による経済制裁や輸出管理措置も継続・変化しており、その内容によってはサプライチェーンや資金決済等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、中東地域における軍事衝突及び緊張の高まりは、エネルギー供給や海上輸送の安定性に影響を及ぼし、原油価格の上昇や物流コストの増加を通じて、世界経済及び企業活動全般に影響を与える可能性があります。また、これらの地政学的リスクは金融市場の変動、インフレ再加速及びサプライチェーンのさらなる混乱を引き起こす可能性があります。加えて、主要国間の経済安全保障政策や保護主義的な通商政策の強化、国際秩序の変化等により、貿易環境の不確実性が高まっております。これらの動きは、商品価格、信用市場及び資本市場における大幅な変動をもたらす可能性があり、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③為替レートについて (顕在化の可能性:高/影響度:中/発生時期:特定時期なし) 当社グループは、海外への事業展開にも取り組んでおり、ルクセンブルク大公国及び米国に連結子会社を有しております。ルクセンブルク子会社及び米国子会社の財務諸表における現地通貨建の項目は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、連結財務諸表数値は為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、当社、ルクセンブルク子会社及び米国子会社も海外のサプライヤーとの間で複数の外貨建て取引を行っており、為替変動リスクを軽減するため、2026年3月期に為替予約その他ヘッジ取引を行うことを決定しました。かかるヘッジ取引については、外貨の手元流動性を踏まえて実施しない可能性があり、また実施する場合でも、必ずしも為替変動リスクを全てヘッジできるとは限りません。また、当社は、ペイロードサービスやデータサービス等の主要な事業については米ドル建ての入金とすることによって、米ドルに対する円の為替変動リスクを一定程度軽減しておりますが、今後著しい為替変動があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④自然災害等について 大規模な地震等の自然災害、異常気象や気候変動の影響、伝染病の蔓延、事故、テロ・戦争・政治的混乱等、当社による予測が不可能又は突発的な事由によって、事業所等が壊滅的な損害を被ったり、事業の継続に支障が生じたりする可能性があります。このような事態に備え、従業員安否確認手段の整備、防災品の確保等に努めておりますが、想定を超える事態が発生する場合は、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、打上施設やサプライヤーが自然災害により損害を被った場合、悪天候により打上スケジュールが遅延した場合、サプライヤーの所在する地域においてテロや政治的混乱が生じた場合や、宇宙空間における太陽フレアや流星塵等の影響により、ランダーや通信系統に不具合が発生する場合等にも、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)第三者に関するリスク①政府機関の顧客について (顕在化の可能性:高/影響度:大/発生時期:特定時期なし) 当社の既存顧客の多くが政府機関であり、また、当面の間、当社の潜在顧客の多くも政府機関となることが予想されるところ、一般に政府機関の数は限定的であり、受注できる契約数も限定的となる可能性があります。また、政府機関からの発注については、各国の宇宙政策、国家予算や地政学上のリスクによる影響を受ける傾向があり、これらによって、政府機関からの発注自体が少なくなるか、発注内容が変更若しくは取り消される可能性があります。また、政府機関からの発注への応募についても一定の当該国での内製化要件等が課される場合もあり、当社としては米国・日本・欧州の各拠点で開発体制を敷いているものの、当社が必ずしも応募できるとは限りません。加えて、政府機関との契約については、入札手続を経ることから当社が期待する水準の単価とならない可能性があり、したがって、当社の想定通りの採算で受注できない可能性があります。また、契約締結後も、政府機関による解約が広く認められる場合等、民間企業と契約する場合に比べて当社にとって不利な契約条項が含まれる可能性、当社の技術内容を含めた一定の事項について開示が要求される可能性、部材やサービスの調達先について一定の要件を課される可能性や、現地のオフィスや施設等の設置等を求められる可能性等があります。 加えて、政府機関との契約においては、契約条件の遵守について政府機関による詳細な調査権が認められる場合があります。さらに、当社がこれらの規制や条件等に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、かかる処分等が下された場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 したがって、政府機関からの発注については、受注できたとしても、当社が想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。例えば、当社は経済産業省が実施する宇宙分野の「月面ランダーの開発・運用実証」をテーマとする補助対象事業に採択されておりますが、当該事業に係る補助金の付与は、当社が100kg以上のペイロードを月面輸送するための月面ランダーの開発と、当社が経済産業省と合意した時期までに月への打上げ及び運用を行うことを前提としています。当社は、ミッション3のULTRAランダーの開発費用の一部に当該補助金を充当する予定であるところ、ミッション3は、当初2027年中の打上げとして経済産業省と合意しておりましたが、本書提出日現在では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁と調整中の段階であり、最終的には経済産業大臣により正式に計画変更が認可されることとなりますが、経済産業省との間でスケジュールの延期について最終的に合意できない場合等には、当該補助金を得られない可能性があります。 ②重要な外部パートナー及び顧客への依存について (顕在化の可能性:高/影響度:大/発生時期:特定時期なし) 当社が開発するランダーは、有価証券報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3.事業の内容 <ランダー・ローバーのテクノロジー及びペイロード>」に記載のとおり、ミッション1及びミッション2の推進系システムについてはAriane Groupに製造を委託し、着陸制御システムの開発についてはドレイパー研究所とのアライアンス関係を築いております。 加えて、後記「Ⅱ.ビジネスモデル等の自社の事業に起因するリスク (2)当社営業に関するリスク ② 参加中・参加予定のプロジェクト及び協業について」記載のとおり、政府機関による商業月面探査・科学ミッションやプロジェクトにおいて、様々なパートナーと協業しております。 しかしながら、当社がこれらの関係を継続し続けられる保証はありません。当社はこれらのパートナーと長期にわたるビジネス面での連携を過去より実施し信頼関係を構築するとともに、定期的なミーティング等の場を通じて関係維持に努めておりますが、既存の関係を失った場合、同等の技術的水準若しくは価格水準又は協業機会を提供する代わりの第三者パートナーを確保できない可能性があります。また、現状の契約期間の終了後にこれらのパートナーとの契約を再締結又は更新できる保証はなく、これらの契約が同価格又はサービス水準では更新されない可能性もあります。さらに、関係各国の輸出管理法令その他の規制の動向によっては、これらのパートナーとの協働に支障が生じる可能性もあります。 また、上記の企業以外にも、当社は開発するランダーの部品の多くを外部から調達しているところ、部品調達に遅延が生じた場合や、当該部品に欠陥等があった場合、さらには、新型コロナウイルスの拡大を含む天災や事故等により外部サプライヤーの生産能力が制限された場合等には、当社の開発・ミッションに遅延が生じる可能性や追加の費用を負担する可能性があります。 加えて、有価証券報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3.事業の内容 <ビジネスモデルについて>」記載のとおり、当社のランダーは、ロケットから放出された後ミッション完了まで、すべて当社が東京都中央区日本橋に保有するミッション・コントロール・センターから、当社の従業員によって制御しております。しかし、そのために必要なミッション・コントロール・センターとランダー間の宇宙通信については、当社以外の機関等が保有する宇宙通信ネットワークを利用する必要があるため、当該ネットワークに障害が生じた場合にはミッションの実行に支障を生じさせる可能性があり、また、当社の米国子会社が実施するミッションについても同様の支障を生じさせる可能性があります。③打上業者に関するリスクについて (顕在化の可能性:高/影響度:大/発生時期:1年以内) 当社がミッション1からミッション2、及びミッション5で使用するランダーの打上げについては、有価証券報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3.事業の内容 <ランダー・ローバーのテクノロジー及びペイロード>」に記載のとおり、SpaceX社と打上契約を締結しております。 当該契約上ミッション2においては、第三者のペイロードとの相乗りでSpaceX社のロケットに搭載され打上げが実施されました。SpaceX社は、当社及び相乗り先のスケジュールや技術要件、打上場所の天候等を考慮して打上スケジュールを決定する責任を負っており、当社のミッションスケジュールに遅延等の影響が生じる可能性があります。また、ミッション5においては当社がSpaceX社のロケットを占有する契約となっておりますが、この場合も、米国連邦航空局等の政府機関によるSpaceX社のロケット及び/又は当社のランダーの打上げの承認が遅れた場合等に、打上スケジュールに影響が生じる可能性があります。 このような場合でも、当社は既存顧客との間で、少なくともミッション1及びミッション2の間は、基本的な方針として当社の顧客に対して返金を行わない契約を締結しておりますが、顧客側が任意解除権を有する契約や一定期間以上のスケジュール遅延が生じた場合に顧客側に解除権が発生する(ただし、後者については既に受領済みの対価についての返金は不要となる)契約や、一定のマイルストーンの達成を一部支払の条件としている契約を一部の顧客との間で締結しており、結果としてミッションが遅延又は達成されない場合、当社の評判や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社はミッション3以降においても、ランダーの打上げについては、第三者である打上業者に委託をする予定ですが、将来において必ずしも十分な数の打上業者が存在するとは限らず、業界全体として十分な打上機会が確保されない結果、当社ランダーの打上コストが当社の想定を上回り、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、打上業者の不足等により、当社のスケジュール通りのミッションの実現を可能とする打上業者と当社が契約できなかった場合には、当社のミッションスケジュールに遅
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析7,246
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は47,704,955千円となり、前連結会計年度末に比べ20,515,826千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が16,573,053千円、長期前渡金が2,517,651千円増加したことによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は32,531,470千円となり、前連結会計年度末に比べ12,349,928千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が3,089,806千円、長期借入金が10,257,234千円増加したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は15,173,485千円となり、前連結会計年度末に比べて8,165,898千円増加いたしました。これは主に、資本金及び資本剰余金がそれぞれ9,177,862千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより利益剰余金が8,152,112千円減少したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当社グループは、人類の生活圏を宇宙に広げ、持続的な世界を実現するべく、「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、月面開発の事業化に取り組んでいる次世代の民間宇宙企業です。 当連結会計年度における世界経済は、米国ドナルド・トランプ大統領による第二次政権下の諸政策の進展や、イランを巡る中東情勢の緊迫化、また米国・中国の二大大国を中心とする国際秩序の動向等も含め、グローバルに地政学的リスクが高まる状況にあります。またこれに伴い、不安定な資本市場や為替変動等、先行き不透明な状況が続いております。 当社グループが行う宇宙資源開発は安全保障政策とも関連性が高い分野となりますが、かかる不安定な地政学情勢も背景となり、各国の宇宙政策にも変化の兆候が見られます。中でも2026年3月にNASA(アメリカ航空宇宙局)により開催された「IGNITION」イベントにおいては、2030年までの月面基地構築に向けた投資の集中や、2028年までに20回を超える月面着陸ミッションを実施する方針など、今後の月面開発事業を大幅に加速させる計画が発表されました。加えて、同年4月にはアルテミスIIミッションにおいて53年ぶりの有人月周回を成功させ無事帰還したことで、米国を中心に、月面探査への機運は世界的に一段と高まっております。また、民間企業による月面開発需要にとっても中長期的に強力な追い風となっております。 日本においても、2025年10月に発足した高市政権下で宇宙および経済安全保障分野の重要性が引き続き強調されており、当社を取り巻く事業環境は好調に推移しております。10年間で総額1兆円規模の「宇宙戦略基金」に関しては、当該基金の第1期の公募テーマのひとつ「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」(支援上限額:64億円(注1)) において、当社は代表機関である国立大学法人東京科学大学を中心とするプロジェクトの中核的連携機関として採択され、代表機関から受領する最大額は47億円(注2)となることを見込んでおります。更に、2025年3月公表された3,000億円規模第2期テーマのうち、当社は「月極域における高精度着陸技術」(支援上限額:200億円(注3))に採択され、本採択に伴いミッション4の開発開始を正式に決定いたしました。 また、欧州においてもESAよりMAGPIEプロジェクトフェーズ2の予算確保が発表されるなど、将来のミッションに向けたグローバルでの事業進捗がみられました。 このようにグローバルで増大する月面開発需要に対し、当社グループは顧客が期待するミッション品質および開発効率の向上に向けて着実に対応していくための様々な施策を進めています。当社は2026年3月、外部専門家を交えた「改善タスクフォース」による成果報告「7つの提言」を受領し、今後のミッションに向けた改善策の対応方針を決定しております。また、事業戦略のアップデートおよびミッションスケジュールの再設定を実施し、これまで日米で個別に進めてきたランダー開発体制を統合し、より信頼性の高いエンジンを採用した共通プラットフォームである新モデルULTRAランダーを導入することを決定いたしました。これに伴い、米国により実施されるミッション5(注4)の打上時期を2030年へと再設定しております。 次回の月面着陸ミッションの打上げは2028年(注5)、日本主導のミッション3を予定しており、開発は構造試験モデルの製造フェーズへと移行し、予定されているPDR(基本設計審査)に向けて着実に進捗しております。今後のミッションに向けて、JAXAからの技術支援を受けており、JAXA及び宇宙科学研究所(ISAS)の小型月着陸実証機SLIMのプロジェクトに携わったメンバーも参画の上、開発体制を強化しております。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,307,092千円(前期比30.3%減)、営業損失は11,580,063千円(前期は9,795,143千円の営業損失)、経常損失は8,141,515千円(前期は11,334,495千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は8,152,112千円(前期は11,945,139千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 なお、当社グループの事業は月面開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益は5,890百万円(前期比18.5%増)となりました。当社は、会計上の売上高にSBIR補助金からの収入を合計した当社試算値を「プロジェクト収益」として開示しております。これは足許、SBIR補助金が定義上「本業以外の収入」である営業外収益として計上されており、宇宙戦略基金についても同様となる予定である一方、その他の各国宇宙機関等との契約等は売上高として計上されており、政府及び政府宇宙機関との契約の扱いに統一性がないことから、ご参考値として「プロジェクト収益」としてまとめてお示しするものです。 (注1)今後ステージゲート審査等により変動し得る数値。(注2)最終的な契約金額は、JAXA及び代表機関による実績報告及び成果報告書の内容についての検査、並びに契約金額の確定通知をもって確定されます。(注3)今後ステージゲート審査等により変動し得る数値であるため、全額を受領することが本書提出日時点で確定するものではありません。(注4)本米国ミッションは当社がTeam Draperの一員としてNASAのCLPSタスクオーダーCP-12に採択されているミッションであり、新スケジュールの下でのCP-12実行に関してはNASAからの正式な承認待ちとなります。(注5)当初2027年内として経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、足許、本書提出日時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については、関係省庁及SBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省の認可を受領の後、正式に計画変更が認可されることとなります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,573,053千円増加し、当連結会計年度末には29,690,611千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は13,568,357千円(前連結会計年度は12,049,809千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失8,142,931千円、長期前渡金の増加額3,636,031千円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,825,606千円(前連結会計年度は2,671,770千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,060,756千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は31,447,837千円(前連結会計年度は10,423,789千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入18,195,411千円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。サービスの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ペイロードサービス10,209,229652.414,562,707163.4その他505,353270.5462,391111.1合計10,714,582611.615,025,098161.0(注)1.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、当連結会計年度のペイロードサービスにおきまして、複数の大型案件を受注したことによるものです。2.パートナーシップサービスについては、その事業の性質上、受注生産形態になじまないため、受注実績は記載しておりません。3.当社グループは単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは、月面開発事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載はしておりません。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)月面開発事業3,307,09269.7 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.2,118,71944.71,706,23751.6European Space Agency168,2493.5526,22115.9Taiwan Space Agency--451,22913.6高砂熱学工業株式会社1,824,87038.5100,8703.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積もりを必要としております。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて1,436,145千円(30.3%)減少し、3,307,092千円となりました。これは主に、2025年6月に実施したミッション2の打上げ以降、次回ミッションの打上げまでの期間における顧客へのサービス提供機会が限定的となったことにより、ペイロードサービスを含む売上高が前期比で減少したことによるものであります。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて3,661,731千円(146.5%)増加し、6,160,437千円となりました。これは主に、ミッション2およびミッション3の開発を並行して進めたことによるものであります。この結果、前連結会計年度においては2,244,533千円の売上総利益を計上しておりましたが、当連結会計年度においては2,853,344千円の売上総損失となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて3,312,956千円(27.5%)減少し、8,726,719千円となりました。これは主に、前連結会計年度にミッション2の打上げに伴い一括計上した打上げ費用の反動減に加え、研究開発費が前連結会計年度の7,730,999千円から3,928,864千円へと減少したことによるものであります。この結果、売上総損失の計上により、営業損失は11,580,063千円(前年同期は9,795,143千円の営業損失)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて5,064,824千円(前年同期は、406,991千円の営業外収益)増加し、5,471,815千円となりました。これは主に、為替差益の計上に加え、補助金収入2,583,796千円を計上したことによります。 営業外費用は、86,923千円(4.5%)増加し、2,033,267千円となりました。これは主に、借入金の増加に伴う支払利息が前連結会計年度の920,442千円から1,816,406千円へと増加したことによるものであります。この結果、経常損失は8,141,515千円(前年同期は11,334,495千円の経常損失)となりました。 (特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失) 当連結会計年度において、特別利益の計上はありませんでした。特別損失については、固定資産除却損1,416千円を計上しております。 その結果、税金等調整前当期純損失は8,142,931千円(前年同期は11,956,713千円の税金等調整前当期純損失)となりました。 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失) 法人税等は、主に法人税、住民税及び事業税9,180千円(前年同期は△11,573千円の計上)を計上いたしました。 その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8,152,112千円(前年同期は11,945,139千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 b.財政状態 主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループは、安定的な事業収益化を目指す上で将来的に継続的なミッションの実現が必要であり、2022年12月にミッション1を、2025年1月にミッション2の打上げを実施するだけでなく、後続ミッションであるミッション3のランダー開発も既に着手しており、今後も積極的に開発活動を推進してまいります。当社の資金需要として主なものは、ランダー開発のための部材調達費用、事業の拡大に伴う人件費、打上げ費用等です。必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。 現預金保有残高については、2026年3月期末における現金及び現金同等物が29,690,611千円であり、必要な流動性を確保しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
セグメント情報1,185
(セグメント情報等)【セグメント情報】 当社は、月面開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 【関連情報】前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)1.製品及びサービスごとの情報(単位:千円) ペイロードサービスパートナーシップサービス受託研究その他合計外部顧客への売上高4,035,462449,387-258,3874,743,238 2.地域ごとの情報(1)売上高(単位:千円) 日本欧州米国台湾その他合計2,195,415340,5762,144,286-62,9594,743,238(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。 (2)有形固定資産 (単位:千円) 日本欧州米国合計60,82021,4254,777,1734,859,419 3.主要な顧客ごとの情報(単位:千円) 顧客の名称又は氏名売上高The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.2,118,719高砂熱学工業株式会社1,824,870 当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)1.製品及びサービスごとの情報(単位:千円) ペイロードサービスパートナーシップサービス受託研究その他合計外部顧客への売上高2,333,202374,066353,300246,5233,307,092(注)受託研究は、当連結会計年度より新たに計上された区分であります。 2.地域ごとの情報(1)売上高(単位:千円) 日本欧州米国台湾その他合計506,286626,1581,707,869451,22915,5483,307,092(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。 (2)有形固定資産 (単位:千円) 日本欧州米国合計984,33021,0416,212,9717,218,344 3.主要な顧客ごとの情報(単位:千円) 顧客の名称又は氏名売上高The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.1,706,237European Space Agency526,221Taiwan Space Agency451,229 【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日) 当社は、月面開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日) 当社は、月面開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】該当事項はありません。 【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】該当事項はありません。
サステナビリティに関する考え方及び取組2,825
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティに関する考え方当社グループは、事業を通して「地球と月がひとつのエコシステムとなる経済圏を創出すること」に貢献し、経済圏の構築を通じて、地球上の社会・環境・経済システムの持続可能性向上に寄与することを目指しております。このような視点に立ち、当社グループは事業の成長と持続を可能にするため、顧客、取引先、従業員、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーとの信頼関係を大切に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。 (2)具体的な取り組み①ガバナンス 当社グループは、「Expand our planet. Expand our future.」というビジョンのもと、経営の効率化、健全性、透明性を高め、中長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。当社グループでは、取締役会が法令・定款に定められた事項の決議、経営に関する重要事項の決定及び業務執行の監督についての責任と権限を有しております。サステナビリティ関連のリスク及び機会については、主に経営戦略会議及び業務執行の中で識別・評価・管理がなされ、重要事項については取締役会に付議・報告がなされ、取締役会の中で検討及び議論を実施しております。取締役会には主に取締役・監査役が出席し、経営戦略や重要施策にかかわる事項に加え、「宇宙開発事業に対する国内外の政策・法規制動向(宇宙安全保障、宇宙資源利用等)」や「人材の確保・育成や労働環境に関する人的資本経営の課題」等のサステナビリティに関する論点についても取り扱っております。 なお、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおりです。 ②リスク管理 当社グループは、経営の透明化の向上とコンプライアンス遵守の経営を徹底するため、コーポレート・ガバナンスの強化を図りながら、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築することを重要な経営課題と位置付けております。サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、上記の通り、経営戦略会議及び業務執行の中で識別・評価・管理がなされ、重要事項については取締役会に付議・報告がなされた上で検討及び議論を実施しており、必要に応じて適切な対処が行われる体制となっております。 なお、当社グループにおけるリスク管理体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」に記載のとおりです。 ③戦略 当社グループの事業は、エンジニア、ビジネスデベロップメント、及びコーポレート含めた全ての職種における、様々なバックグラウンドと知見を持つ多様な人材こそが、最大の価値創造の源泉であると考えております。 当社グループにおける、人材の多様性の確保、及び社内環境の整備に関する方針は以下のとおりです。 当社グループでは、バリューとして、ダイバーシティ・インテグリティ・リスペクトを掲げており、様々な知識と技能を持つ人材に対して、国籍や性別を問わず門戸を開いております。日本・世界中の複数の大学・大学院の研究室との連携や、当社の役職員からの紹介等も活用しながら、多様なチャネルを用いて世界中から優秀な人材の採用を進めております。その結果、当社グループとしては世界33か国から、当社としては世界25か国からの人材が集結しています。また、当社グループでは66%。当社単体でも45%が日本以外の国籍を持つ人材で占められております。当社の強みである多様性こそが、先駆者の少ないランダーの開発をはじめとした当社事業における技術革新の原動力となっております。最終的には、多様性が基礎となる「Moon Valley 2040」を実現することを目指してまいります。当社のみならず、宇宙産業全体の発展に当たり、人材の確保は、非常に重要な課題と認識しております。そのため、報酬制度を含む競争力のある各種人事制度の確立や、役職員の育成・成長を目的とした各種制度を導入しております。自主的な能力開発のサポートを目的としたe-learningコースの提供や自己研鑽補助制度の導入、キャリア開発の観点から360度フィードバックやキャリア・能力開発目標の設定の導入など、より働きがいのある環境を整備しております。また、従業員がライフイベントと仕事を両立しながら継続的に活躍できる環境づくりにも取り組んでおります。当連結会計年度における育児休業取得率は、女性従業員及び男性従業員ともに100%となっております。また、男性従業員の育児休業平均取得日数は53日となっており、性別を問わず育児と仕事の両立を支援する環境整備を進めております。毎年実施しておりますエンゲージメントサーベイ内の、成長・キャリアの項目における2024年度の結果(肯定的な回答率:55%)を受け、2025年度は“All for the GROWTH of the company and the crews”を人材戦略のテーマに掲げました。各種新規施策を導入した結果、肯定的な回答率が2%ほど改善しております。但し、未だ他指標と比較しても改善の余地はあり、当社の人材の更なる成長に繋がるよう、引き続き人事戦略・制度の改善に取り組んで参ります。 ④指標及び目標多様な人材の確保を当社の事業・人材戦略の根幹に位置付けております。具体的には、毎年実施しておりますエンゲージメントサーベイにおいて、特にエンゲージメントスコア、及びインクルージョンスコアの重要指標を定期的にモニタリングし、高い水準を維持することを事業・人材戦略として目指しております。当連結会計年度の実績は以下の通りです。(エンゲージメントサーベイスコア) エンゲージメントスコアの中でも、特に当社のビジョンへの共感度を示す「私は、当社で働くことを誇りに思う」という設問への結果を重視しており、80%以上を維持することを目標としております。当連結会計年度の実績は81%となっており、高い水準を維持しております。 また、多様性を図るインクルージョンスコアについては、複数の設問から成る総合指標を定点観測しており、70%以上を維持することを目標としております。当連結会計年度の実績は76%となっており、高い水準を維持しております。
コーポレート・ガバナンスの概要5,672
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社は、経営の効率化、健全性、透明性を高め、中長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。 このため、企業倫理の醸成と法令遵守、経営環境の変化に迅速・適切・効率的に対応できる経営の意思決定体制を構築して、コーポレート・ガバナンスの充実を図ります。 また、すべてのステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考え、情報の適時開示を通じて透明・健全な経営を行ってまいります。 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 当社は、企業倫理とコンプライアンスの重要性を認識し、経営の透明性・公平性を高めるべくコーポレート・ガバナンス強化を企図した、以下の体制を構築しております。 当社においては、当社事業に精通した取締役を中心とする取締役会が経営の基本方針や重要な業務の執行を自ら決定し、強い法的権限を有する監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監査する体制が、経営の効率性と健全性を確保するために有効であると判断し、監査役会設置会社を採用しております。a.取締役会 当社の取締役会は、代表取締役CEO袴田武史が議長を務め、野﨑順平、赤浦徹、川名浩一、中田華寿子、畑田康二郎、牧野隆の取締役7名(うち社外取締役5名)で構成されております。取締役会は、法令・定款に定められた事項の決議、経営に関する重要事項の決定及び業務執行の監督等を行っております。定例取締役会は毎月2回開催しており、月初の取締役会はMain Boardと題して決議事項を主に扱う場として、月末の取締役会でSub Boardと題して事業進捗等の報告や決議にあたり必要な議論を行う場として開催しております。定例取締役会のほか、迅速かつ的確な意思決定を確保するため、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。また、監査役3名も出席しており、取締役の職務執行を監督しております。 なお、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役7名選任の件」を提案しております。当該議案が承認可決された場合においても、取締役会の構成に変更はありません。また、当該定時株主総会において取締役選任議案が会社提案のとおり可決された場合、2026年6月26日開催予定の臨時取締役会以降も袴田武史が議長を務める予定です。 取締役会の活動状況 当連結会計年度において当社は取締役会を概ね月2回開催しており、個々の取締役の出席状況については次の通りです。氏名開催回数出席回数袴田 武史24回24回野﨑 順平24回24回赤浦 徹24回23回川名 浩一24回24回中田 華寿子24回24回畑田 康二郎24回24回牧野 隆24回24回井上 優司24回24回轟 芳英24回24回内藤 亜雅沙24回24回 当連結会計年度の取締役会における具体的な検討事項は、当社グループの経営方針、将来の事業およびミッションの方針、組織体制の方針等です。 b.経営戦略会議 当社の経営戦略会議は、代表取締役CEO袴田武史、取締役CFO野﨑順平、CTO氏家亮、CPO今村健一の4名により構成されており、経営戦略会議規程に基づき、取締役会へ付議する必要のある会社の重要事項及び決裁権限規程に定められた事項に関する決議、並びに担当役員の業務を報告する機関として、原則月2回開催しております。当会議において、それぞれの事業領域のCXO等が議論を交わし、客観性かつ透明性のある意思決定が行える体制を構築しております。 c.監査役会 当社は監査役会制度を採用しており、監査役会は、常勤監査役井上優司が議長を務め、社外監査役轟芳英、及び社外監査役内藤亜雅沙の計3名で構成され、取締役の業務執行を監査・監督しております。監査役会は、原則毎月開催されるほか、必要に応じて臨時に開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果の検討等、監査役相互の情報共有を図っております。 常勤監査役は重要な会議に出席するほか、稟議書その他の業務執行に関する重要文書を閲覧する等、監査の実効性確保に努めております。さらに代表取締役CEOとの面談、各部門への往査、ヒアリングを実施し、業務の監査が広く行える体制を整えております。 非常勤監査役は、取締役会の出席のほか、常勤監査役との連携等を通じて監査を実施しております。 d.会計監査人 当社は、有限責任 あずさ監査法人との間で監査契約を締結し、適時適切な監査が実施されております。 e.内部監査室 当社は代表取締役CEO直轄である内部監査室の内部監査責任者が、内部監査規程に基づき当社の全部門をカバーするよう内部監査を実施しております。また、内部監査と監査役会、会計監査人が監査を有効かつ効率的に進めるため適宜情報交換を行っており、効率的な監査に努めております。 f.役員評価・報酬諮問委員会 当社は役員の評価及び報酬について、社外取締役の川名氏を委員長とし、代表取締役CEO及び社外取締役3名から構成される役員評価・報酬諮問委員会が評価・報酬諮問委員会規程に基づく審議のうえ、代表取締役CEOに対して助言・提言を行うこととしております。各取締役の報酬額は、株主総会で定められた報酬限度内において、各役員の職務の内容、職位及び実績・成果等を勘案し、役員評価・報酬諮問委員会の助言・提言を踏まえ、最終的には代表取締役CEOに一任し決定しております。 ③ 企業統治に関するその他の事項a.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況又は準備状況 当社は、経営の透明化の向上とコンプライアンス遵守の経営を徹底するため、コーポレート・ガバナンスの強化を図りながら、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築することを重要な経営課題と位置付けております。当社は、会社法第362条第4項第6号及び会社法施行規則第100条に基づき、2019年2月8日開催の取締役会決議により、以下のとおり内部統制システムの整備に関する基本方針を定め、業務の適正性を確保するための体制の整備・運用をしております。 (内部統制システムの整備の状況)1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合する事を確保するための体制(1)取締役会は、当社で共有すべきルールや考え方、法令、定款、株主総会決議、取締役会決議等に従い、経営に関する重要な事項を決定する。(2)取締役会は、内部統制システムの整備に関する基本方針を決定し、取締役が適切に内部統制システムを構築・運用し、それに従い職務を執行するよう監督する。(3)取締役は、各監査役が監査役会で定めた監査方針・計画に従い、監査役の監査を受ける。(4)取締役会は、当社における法令等遵守の徹底及び不正行為の防止等を図るために、コンプライアンス規程を制定し、取締役及び使用人の職務が法令及び定款に適合するための体制を整備する。(5)当社は、反社会的勢力・団体・個人とは一切関わりを持たず、不当な要求に応じない事を基本方針とする。また、かかる方針を取締役及び使用人に周知徹底するために反社会的勢力対応規程を制定する。 2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 当社の株主総会及び取締役会の議事録、経営及び業務執行に係る重要な情報については、法令並びに当社が定める文書管理規程等の関連規程に従い、適切に記録し定められた期間これを保存する。 3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制(1)リスク管理規程を制定し、会社の事業活動において想定される各種リスクに対応する組織、責任者を定め、適切に対応する体制を構築する。(2)危機発生時には、対策本部等を設置し、社内外の適切な情報伝達を含め、当該危機に対して適切かつ迅速に対処するものとする。 4.取締役の職務の執行が効率的に行われる事を確保するための体制(1)取締役会規程、当社決裁権限規程を定め、取締役会の職務及び権限の明確化を図る。(2)取締役会を毎月1回定期的に開催するほか必要に応じて適宜臨時に開催する。 5.当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制(1)関係会社担当部署を設置し、子会社管理規程に基づき、関係会社管理を行う。(2)取締役会は、当社グループの経営計画を決議し、CFOはその推進状況を定期的に取締役会に報告する。(3)上記3.の損失の危険の管理に関する事項は子会社に適用させ、当社がグループ全体のリスクを統括的に管理する。(4)子会社における職務執行に関する権限については、決裁権限規程に明文化し、業務を効率的に遂行する。(5)内部監査室は、当社及び当社子会社の内部監査を実施し、その結果を代表取締役CEOに報告する。 6.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項 監査役の求めに応じて、取締役会は監査役と協議の上、監査役スタッフを任命し、当該監査業務の補助に当たらせる。 7.監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項 監査役より監査役の補助の要請を受けた使用人は、取締役及び上長の指揮・命令は受けないものとする。また、当該使用人の人事異動及び考課については、監査役の同意を得るものとする。 8.取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他監査役への報告に関する体制(1)監査役は、取締役会の他、経営戦略会議等の重要な社内会議へ出席することができ、当社における重要事項や損害を及ぼすおそれのある事実等について取締役及び使用人から報告を受けることができる。(2)取締役及び使用人は、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項及び不正行為や重要な法令並びに定款違反行為を認知した場合、速やかに、これを監査役に報告する。(3)取締役及び使用人は、監査役からの業務執行に関する事項の報告を求められた場合には、速やかに報告する。 9.監査役に報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 当社は、監査役に報告した者に対し、当該通報・報告をしたことを理由として、解雇その他不利な取扱いを行うことを禁止する。 10.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制(1)監査役会は、法令に従い、社外監査役を含み、公正かつ透明性を担保する。(2)監査役会は、代表取締役CEOと定期的に会合を開き、当社の対処すべき課題、及び監査上の重要課題等について相互の意思疎通を図る。(3)監査役は、会計監査人及び内部監査室と定期的に情報交換を行い、連携を保ちながら必要に応じて調査及び報告を求める。(4)監査役は、監査業務に必要と判断した場合は、会社の費用負担にて弁護士、公認会計士、その他の専門家の意見を聴取することができる。 b.リスク管理体制の整備状況及びコンプライアンス体制の整備状況 当社は、「リスク管理規程」を制定し、会社の事業活動において想定される各種リスクに対応する組織、責任者を定め、適切に対応する体制を構築しており、危機発生時には、対策本部等を設置し、社内外の適切な情報伝達を含め、当該危機に対して適切かつ迅速に対処することとしております。 また、当社は、企業価値の持続的向上のためには、全社的なコンプライアンス体制の強化・推進が必要不可欠であると認識し、「コンプライアンス規程」、「コンプライアンス・マニュアル」を制定し、その周知徹底と遵守を図っております。 c.取締役及び監査役の責任免除 当社は、取締役及び監査役(これらであった者を含む。)が職務を遂行するにあたり、その能力を十分発揮して、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的として、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって、任務を怠ったことによる取締役及び監査役(これらであった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の定める限度において免除することができる旨を定款に定めております。 d.責任限定契約の内容の概要 当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役を除く。)及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。 e.取締役の選任の決議要件 当社の取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及びその選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。 f. 自己株式の取得 当社は、自己株式の取得について、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。 g. 剰余金の配当の決定機関 当社は、株主への機動的な利益還元を行うことを可能とするため、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会決議によらず取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めております。 h. 株主総会の特別決議要件 当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
役員の報酬等805
(4)【役員の報酬等】① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 取締役報酬については、株主総会で決議された報酬総額の範囲内において、代表取締役CEOの諮問機関である役員評価・報酬諮問委員会の助言・提言を踏まえ、取締役会で決定する方針としております。また、監査役報酬については、株主総会で決議された報酬総額の範囲内において監査役会で決定しております。 ② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(千円)報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(名)固定報酬業績連動報酬退職慰労金非金銭報酬等取締役(社外取締役を除く)57,60548,070--9,5352監査役(社外監査役を除く)9,5809,580---1社外取締役14,40014,400---4社外監査役7,2007,200---2合計88,78579,250--9,5359 (注)1.上記の記載金額は、千円未満を切り捨てて表示しております。2.取締役の報酬限度額は、2023年6月28日開催の定時株主総会において、150,000千円(うち社外取締役は50,000千円)以内と決議されております。3.監査役の報酬限度額は、2023年6月28日開催の定時株主総会において、25,000千円(うち社外監査役は10,000千円)以内と決議されております。4.上表には、無報酬の社外取締役1名は含んでおりません。5.上記の非金銭報酬等は、譲渡制限付株式ユニットによる株式報酬であり、当事業年度における費用計上額を記載しております。なお、当該株式ユニットは当事業年度末時点では権利確定しておりません。 ③ 役員ごとの報酬等の総額等 報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。 ④ 使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの 該当事項はありません。
従業員の状況736
(2)【従業員の状況】① 連結会社の状況2026年3月31日現在従業員数333(26) (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.当社グループは、月面開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② 提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)183(26)40.22.810,758,48410.0 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社は、月面開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ③ 労働組合の状況 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
関係会社の状況867
4【関係会社の状況】名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(又は被所有割合)(%)関係内容(連結子会社) ispace EUROPE S.A.(注)2.3.4ルクセンブルク大公国ルクセンブルク市40,000ユーロ月面開発事業100役員の兼任 2名資金の援助ispace technologies U.S., inc.(注)5.6.7米国コロラド州デンバー500,000.01米ドル月面開発事業100役員の兼任 2名資金の援助その他1社 (注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。2.ispace EUROPE S.A.は特定子会社に該当しております。3.ispace EUROPE S.A.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等 (1)売上高 975,492千円(2)経常損失 △654,279千円(3)当期純損失 △654,279千円(4)純資産額 △1,437,578千円(5)総資産額 1,072,201千円4.ispace EUROPE S.A.は、債務超過の状況にあり、債務超過の額は2025年12月31日時点で1,437,587千円であります。 5.ispace technologies U.S., inc.は特定子会社に該当しております。6.ispace technologies U.S., inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等 (1)売上高 1,756,467千円(2)経常損失 △6,200,571千円(3)当期純損失 △6,200,571千円(4)純資産額 △10,920,588千円(5)総資産額 19,101,337千円7.ispace technologies U.S., inc.は、債務超過の状況にあり、債務超過の額は2025年12月31日時点で10,920,588千円であります。
配当政策456
3【配当政策】 当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態等を総合的に勘案の上配当を実施してまいりたいと考えております。 しかしながら、当面は事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であります。また、当事業年度におきましては、繰越利益剰余金がマイナスであること等から、当期の配当は見送りとしました。現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 なお、当社は、剰余金を配当する場合に、中間配当、期末配当の年2回を基本的な方針としております。当社は会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めがある場合を除き、剰余金の配当に係る決定機関を取締役会とする旨を定款に定めております。なお、内部留保資金につきましては、財務体質の強化及び将来の事業展開のための財源として利用していく予定であります。
研究開発活動3,009
6【研究開発活動】 当社グループは月着陸、月面探査プロジェクトの達成に向けて、ランダー及びローバーの開発を実施しております。現在の研究開発は、当社のCTO室で実施されており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3,928,864千円となっております。当該研究開発費の内訳には、本社で発生する研究開発費用(主にミッション2、ミッション3およびミッション4ランダーの開発に係るもの)1,665,751千円及び米国子会社で発生する研究開発費用(主にミッション5ランダーの開発に係るもの)1,839,868千円及び欧州子会社で発生する研究開発費用(主にローバー開発に係るもの)423,245千円が含まれます。 ランダーの様な大規模システムを高い品質を保ちながら確実に効率よく開発するための手法としては、1961年から1972年にかけてNASAが実施したアポロ計画の知見を踏まえ「段階的プロジェクト計画」(Phased Project Planning:PPP)が生み出されました。以来、この手法をベースとして多数の民間企業による人工衛星の開発が行われており、JAXAもまた「段階的プロジェクト計画法におけるシステムエンジニアリング活動」として同様の手法を提唱しています。本手法の概要は、開発全体を複数のフェーズに区分し、各フェーズで行うべき作業内容を段階的に定義しながら、それぞれのフェーズにおける結果を審査により評価し、次フェーズへの移行可否を判断しながらフェーズを進めていくものであり、これにより可能な限りの不具合・エラー等を事前に検知し、ミッションまでに確かな開発品質へと高めていく手法です。当社のランダー開発もまた、機能面において人工衛星と近似する部分を多く有しているため、基本的には既存の人工衛星開発のプロセスである「段階的プロジェクト計画法におけるシステムエンジニアリング活動」を踏襲して進められています。当社のミッション1の開発においては、2018年下期に最初のPDR(Preliminary Design Review:仕様値に対する設計結果、設計検証計画の実現性を確認する審査会)の実施を経てフェーズB(基本設計)を完了し、その後2021年9月以降にミッション1のランダー開発に係るCDR(Critical Design Review:製造と試験の詳細設計と検証計画が適正かを、これまでに実施した試作評価、熱構造特性の評価、電気機械設計等の評価を活用して確認する審査会)を経て、フェーズC(詳細設計)を完了いたしました。CDRは、ミッション要求からシステム仕様を経て設計結果に至るまでの一貫した整合性・実現性、開発計画を審査するものであり、一般的に宇宙機の開発において、設計段階が完了しモノ作りとしての製造段階への移行可否を判断する、開発上の中でも重要なマイルストーンとされています。CDRの実施に際しては、JAXA等の宇宙機関、民間企業、教育機関等、開発の各分野における外部専門家をレビュアーとして招聘し審議を頂きました。一連の審査過程においては、社内エンジニアとは離れた中立的な外部専門家の立場から、設計(システム設計全般や帯放電環境等について)、試験(フライトモデルシステム試験計画等について)、運用(軌道設計等について)に関する一連の流れについて審査を頂きました。その結果、当社が実施したミッション1のランダー開発について、開発計画、設計の成果と、CDR後に実施する試験、運用の計画検討を審査頂いた結果、適切に進められていることをご確認頂いております。 CDRの完了後、ランダーはフェーズD(制作・試験)の段階へと開発フェーズを移行し、必要な加工やテストなどが完了したコンポーネントが段階的にランダーシステムへと組み立てられ、当社のミッション1においては、2022年10月までにすべてのランダー製造工程及び最終試験が完了しました。その後、打上地である米国へ輸送の上、ロケットへの搭載作業、燃料充填等の最終準備を完了させ、2022年12月11日に米国フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地 40射点より打上を実施しております。当社のランダーは打上後、約4か月をかけて低エネルギー遷移軌道と呼ばれる軌道を通って月周回軌道に達し、その後月周回軌道上で約1か月間の航行を経て、日本時間の2023年4月26日に月面着陸に臨みました。この間、当社ランダーは日々細かい問題に対処し解決しつつも、基本的に順調に月までの航行を行い、負荷の高いロケットの打上時や長期間の深宇宙航行を経た後もランダーに損傷が確認されず、過酷な環境に耐え得る構造設計が実証できたと考えられ、また複数回の軌道制御マヌーバを通して、当社のハードウェアは良好なパフォーマンスを実現することができました。ミッション1において、当社は10個のサクセス・マイルストーンを事前に設定しておりましたが(下図参照)、着陸シーケンスの前に計画されている全ての月軌道制御マヌーバを完了し、ランダーが着陸シーケンスを開始する準備が出来ていることを実証しました(Success8迄の完了)。その後、2023年4月26日(日本時間)には着陸シーケンスを実施しましたが、シーケンスの終盤、ランダーとの通信の回復が見込まれないことから、Success9「月面着陸の完了」および Success10「月面着陸後の安定状態の確立」の達成は困難と判断しました。 ミッション2においても同様のプロセスで開発を進捗させ、2022年2月から同年7月にかけてPDRを、2022年4月から9月にかけてCDRを実施し、2025年1月に打上を実施しております。当社のランダーは打上後、約4か月をかけて低エネルギー遷移軌道と呼ばれる軌道を通って月周回軌道に達し、その後月周回軌道上で約1か月間の航行を経て、日本時間の2025年6月6日に月面着陸に臨みました。ミッション2においても、当社は10個のサクセス・マイルストーンを事前に設定しておりましたが(下図参照)、着陸シーケンスの前に計画されている全ての月軌道制御マヌーバを完了し、ランダーが着陸シーケンスを開始する準備が出来ていることを実証しました(Success8迄の完了)。その後、2025年6月6日(日本時間)には着陸シーケンスを実施しましたが、シーケンスの終盤、ランダーとの通信の回復が見込まれないことから、Success9「月面着陸の完了」および Success10「月面着陸後の安定状態の確立」の達成は困難と判断しました。  当社は、ミッション2の打上げ前より、継続的な高頻度ミッションの実現に向けて、ミッション3に用いるランダーの開発を並行して行っております。2028年に打上を計画するミッション3では、現在米国の大型ランダー開発ノウハウと、日本の過去2回のミッション経験を統合したモデルULTRAランダーの開発が進められております。当該ランダーは振動試験を2026年6月より実施し、試験完了後に実際に打ち上げるフライトモデルの製造を開始予定となっております。ULTRAランダーはこれまでのRESILIENCEランダーから設計を変更し、ミッション3では最大200kgのペイロードが輸送可能となるサイズアップを計画しております。
主要な設備の状況925
2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。(1)提出会社2026年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)その他(千円)合計(千円)本社(東京都中央区、他)月面開発事業事務所設備、計測器等890,10086,8988,994865986,858183(26) (2)在外子会社2025年12月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)使用権資産(千円)合計(千円)ispace EUROPE S.A.ルクセンブルク大公国(5,Rue de l'Industrie, L-1811 Luxembourg)月面開発事業事務所設備、計測器等3,47317,567--21,04141(-)ispace technologies U.S., inc.米国(12876 E.Adam Aircraft Circle, Englewood, Colorado 80112, U.S.A.)月面開発事業事務所設備、計測器等-618,53045,275196,128859,935109(-) (注)1.本社事務所は賃借しており、年間賃借料は164,565千円であります。2.提出会社の「その他」には、機械及び装置並びに車両運搬具が含まれております。3.連結子会社であるispace EUROPE S.A.及びispace technologies U.S., inc.は、本社を賃借しております。年間賃借料はそれぞれ、56,102千円、167,604千円であります。4.現在休止中の設備はありません。5.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。6.当社グループは月面開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
監査の状況2,668
(3)【監査の状況】① 監査役監査の状況 当社は監査役会設置会社であり、常勤監査役1名及び非常勤監査役2名をもって監査役会を組織しております。なお、非常勤監査役の轟芳英氏は、公認会計士の資格を有し、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、非常勤監査役の内藤亜雅沙氏は、弁護士の資格を有し、企業法務分野に関する相当程度の知見を有しております。 月1回又は必要に応じて監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果の検討、監査役相互の情報共有等、監査に関する重要な事項についての報告、協議を行っております。また、常勤監査役は重要な会議に出席するほか、稟議書その他の業務執行に関する重要文書を閲覧する等、監査の実効性確保に努めております。さらに代表取締役との面談、各部門への往査、ヒアリングを実施し、業務の監査が広く行える体制を整えております。 非常勤監査役は、取締役会の出席のほか、常勤監査役との連携等を通じて監査を実施しております。 当連結会計年度において監査役会を14回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりであります。氏名開催回数出席回数井上 優司14回14回轟 芳英14回14回内藤 亜雅沙14回14回 監査役会においては、監査報告の作成、常勤監査役の選定及び解職、監査の方針・業務及び財産の状況の調査方法の決定を具体的な検討内容としています。また、会計監査人の選解任又は不再任に関する事項や、会計監査人の報酬等に対する同意等、監査役会の決議による事項について検討を行っています。 各常勤監査役は、監査役会が定めた監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部監査部門その他の使用人等と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、取締役会その他重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、業務及び財産の状況を調査しました。 また、内部統制システムについて、取締役及び使用人等からその構築及び運用の状況について定期的に報告を受け、必要に応じて説明を求め、意見を表明しました。会計監査人に対しても、独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを監視及び検証するとともに、会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。 ② 内部監査の状況 当社は代表取締役直轄である内部監査室を設置しており、内部監査室長1名が専任担当者であります。ただし、内部監査規程に基づき、必要に応じてCEOの承認を得た上で他部門の者を内部監査業務に就かせることができます。内部監査室長は、会社の業務活動が法令・定款及び諸規程に準拠し、かつ、営業目的達成のため合理的、効果的に運営されているか、また、会社の会計記録が経理規程等に準拠して正確に処理され、かつ、各種資産の管理・保全が適切に行われているかを検証、評価することにより、経営の合理化及び能率の増進に資することを目的として内部監査を行っております。 内部監査室長は、監査結果を代表取締役CEOに報告し、改善提案を行うとともに、その後の改善状況についてフォローアップを実施することにより、内部監査の実効性を確保しております。また、監査役及び会計監査人との情報共有及び意見交換を実施し、監査の効果的かつ効率的な実施をしております。 ③ 会計監査の状況a.監査法人の名称有限責任 あずさ監査法人 b.継続監査期間8年間 c.業務を執行した公認会計士業務執行社員:梅谷 哲史、有吉 真哉 d.監査業務に係る補助者の構成 当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士14名、その他31名であります。 e.監査法人の選定方針と理由 当社は、会計監査人の選定及び評価に際しては、監査役会が定めた方針に照らし、会計監査人の独立性、監査体制、品質管理体制等を総合的に勘案し、監査法人を選定することとしております。なお、独立性については、日本公認会計士協会の定める「独立性に関する方針」に基づき確認いたします。 監査役会は、会計監査人の職務の執行に支障があると認められるときは、当該会計監査人の解任又は不再任の検討を行い、その必要があると判断した場合には、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、取締役会は当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。 f.監査役及び監査役会による監査法人の評価 監査役及び監査役会は、監査体制、独立性及び専門性等が適切であるかについて評価を行っております。なお、当社の会計監査人である有限責任 あずさ監査法人につきましては、独立性・専門性ともに問題はなく、当社の会計監査人として適切であると評価しております。 ④ 監査報酬の内容等a.監査公認会計士等に対する報酬区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)提出会社47,300-57,76019,000連結子会社----計47,300-57,76019,000 当連結会計年度の非監査業務の内容は、公募及び第三者割当による新株式発行に係るコンフォートレター作成業務等です。 b.監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)提出会社-6,779-2,300連結子会社27,072-30,847-計27,0726,77930,8472,300 当社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、KPMG税理士法人による税務に関するアドバイザリー業務等です。 c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容(前連結会計年度) 該当事項はありません。(当連結会計年度) 該当事項はありません。 d.監査報酬の決定方針 会計監査人の監査計画の内容及び報酬見積りの算出根拠等が適切であるか等を検討し、監査報酬を決定しております。 e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由 会計監査人の監査計画及び報酬見積りの算出根拠等について検討した結果、会計監査人の報酬等の額について妥当と判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。
株式の保有状況146
(5)【株式の保有状況】① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的の株式及び純投資目的以外の目的の株式のいずれも所有しておりません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である株式投資 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である株式投資 該当事項はありません。
沿革7,115
2【沿革】 当社グループの創業者である袴田武史は、米大学院で航空宇宙工学修士号を取得後、経営コンサルティング会社を経て、民間による月面探査車(以下、「ローバー」という。)開発及び、世界初の民間月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」への参加を目指し、2010年9月に合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現当社)を設立いたしました。その後、ローバー開発及び資金調達面で提携していた欧州のホワイトレーベルスペース財団が「Google Lunar XPRIZE」から脱退したことを受け、2013年5月に組織変更を行い、現在の株式会社ispaceに社名を変更した後、2013年7月に「Google Lunar XPRIZE」に日本唯一のチーム「HAKUTO」として独自に参加いたしました。 当社グループは、将来の米国進出に向けて2015年1月に米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、当社を子会社化する組織変更を実施しましたが、2016年10月には、日本での事業化加速を優先するために親会社であるispace technologies, inc.を解散の上、当社を親会社とした上で改めて子会社ispace technologies U.S., inc.を米国デラウェア州に設立し、NASA Ames Research Park(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置しました。なお、2020年12月には米国子会社において月着陸船(以下、「ランダー」という。)の開発を実施するための体制を構築するため、子会社ispace technologies U.S., inc.のオフィスをコロラド州デンバーに移転しております。また2017年3月には、ルクセンブルク大公国政府との間で月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispace EUROPE S.A.をルクセンブルク市に設立しております。また2021年7月には、当社事業運営上必要となる電波法に係る無線免許の取得及び電波利用を実施するための子会社として、株式会社ispace Japan(現ispace Ops Japan)を設立しました。直近では、サウジアラビア王国内の商業および政府、研究機関とのパートナーシップ連携を一層強化することを目的とし、子会社 ispace S Aを設立予定です。 当社は、2023年に民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施し、続く2025年にはミッション2を実施いたしました。ミッション1及びミッション2のいずれにおいても月面軟着陸を成功させることはできませんでしたが、月周回までの確かな輸送能力や、安定的なランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証し、当社として月面軟着陸の成功に向けた貴重なデータ及び経験値を着実に積み重ねることが出来ました。その一方で、当社は2度の月面軟着陸の失敗を重く受け止め、社内の視点だけによらず外部の視点を入れ、失敗の原因をシステム的に捉える必要性から、ミッション2の失敗直後に、外部専門家による「改善タスクフォース」を立ち上げました。2026年3月には「改善タスクフォース」による成果報告「7つの提言」を受領し、今後のミッションに向けた改善策の対応方針を決定しております。 また同月には、事業戦略のアップデートおよびミッションスケジュールの再設定を発表いたしました。これまで当社は、米国におけるAPEX 1.0 ランダー、日本におけるシリーズ3ランダー(仮称)の2種類のモデルの開発をそれぞれ並行して進めるとともに、エンジン調達やソフトウェア開発等の共通化を進めてきましたが、足許で各国の宇宙機関および民間企業を中心とする当社顧客からミッションクオリティおよび効率性に対する期待が一層高まっており、これらの期待に確実に応えるためにも、両モデルの統合によるさらなる品質向上を図ることが必要であると判断いたしました。この結果、共通プラットフォームである新モデル「ULTRA」ランダー(注1)を導入すると共に、これまで日米で個別に進めてきたランダー開発体制を統合し、グローバルで統一された開発組織をCTO直下に集約すると共に、本組織の効果を最大化させるため、グローバルなプロジェクトマネジメント機能を新設し、開発予算およびスケジュールの統制強化を進める体制といたしました。 当社の将来ミッションとしては、高まる地球と月を繋ぐ通信サービスの需要に対処すべく、最速2027年にもミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定しております。また2028年には、経産省のSBIR補助金を活用し、ULTRAによるミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年には南極近傍への高精度着陸を目指すミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定しております(注2)。さらに、米国拠点が主導するミッション5(旧ミッション3)(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げは2030年を予定しております(注3)。 資金調達面では、2017年12月から2018年2月にかけてシリーズAとして国内過去最高額、また、宇宙分野のシリーズAとしては世界過去最高額(いずれも2018年2月当時)となる103.5億円の新株発行による資金調達を行いました。その後、2020年のシリーズB、2021年のシリーズCの資金調達を経て、2023年4月には、東京証券取引所グロース市場に上場しております。上場後も、2024年3月には海外募集、2024年10月から2025年3月にかけては第三者割当増資、また2025年10月から11月にかけては公募増資並びに第三者割当増資182億円、累計で598億円の新株発行による資金調達を実施しております。また、銀行からの借入についても2024年3月期においては複数行と融資契約を締結し総額75億円の借入を実行、2025年3月期には総額100億円のシンジケートローン契約を含め、借換も含めて総額193億円の融資契約を締結し実行、2026年3月期には株式会社三井住友銀行と100億円、株式会社みずほ銀行と50億円の融資契約をそれぞれ締結し総額150億円の借入を実行しております。進行期である2027年3月期には、4月に朝日信用金庫との10億円の融資契約を締結・実行し、本書提出日時点までに創業以来の累計値で506億円の融資契約を締結し実行しております。これらの資金を原資としたランダー及びローバーの開発並びに当社ミッションの実行を進めると同時に、事業化のための市場と顧客の開拓を行っております。 (注1)ULTRAという名称は、ラテン語で「超越」を意味し、当社がこれまでのミッションで得た技術的な学びを最大限活用し、加速する月面開発に貢献していく想いから命名いたしました。ラテン語で「超越」を意味し、当社がこれまでのミッションで得た技術的な学びを最大限活用し、加速する月面開発に貢献していく想いから命名いたしました。(注2)当該打上時期については本書提出日時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、本書提出日時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。(注3)本米国ミッションは当社がTeam Draperの一員としてNASAのCLPSタスクオーダーCP-12に採択されているミッションであり、新スケジュールの下でのCP-12実行に関してはNASAからの正式な承認待ちとなります。 年月事項2010年1月当社代表取締役CEOの袴田武史が東北大学吉田和哉教授とともに日本からGoogle Lunar XPRIZE(注1)参加の検討を開始2010年9月合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現 当社)を埼玉県入間市に設立2013年5月合同会社を株式会社に組織変更し、社名を株式会社ispaceに変更2013年7月Google Lunar XPRIZEに日本唯一の参加チーム「HAKUTO」(注2)として始動2015年1月「HAKUTO」で開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つことが評価され、Google Lunar XPRIZEの中間賞を受賞2015年1月米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、株式会社ispaceを子会社化する組織変更を実施2015年8月業容拡大に伴い、本社を東京都港区麻布台に移転2016年4月月面開発事業への本格進出に向け、ランダーの開発に着手2016年10月インキュベイトファンド株式会社及び株式会社日ノ樹よりコンバーティブル・エクイティで2億円を調達2016年10月日本での事業化加速のため、米国本社ispace technologies, inc.を解散の上、株式会社ispaceを本社に変更2016年10月新規に子会社ispace technologies U.S., inc.(連結子会社)を米国デラウェア州に設立し、NA

EDINETのXBRLから抽出した原文です(長文は先頭のみ)。全文はPDF・XBRLの原本をご確認ください。

TIMELY DISCLOSURE

適時開示(TDnet)

6
営業外収益(為替差益)の計上に関するお知らせその他 · 15:45
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2027年3月期Q1 決算説明資料決算説明資料 · 15:45
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(開示事項の経過)宇宙戦略基金第二期(月極域における高精度着陸技術)補助金交付決定のお知らせその他 · 15:45
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2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)決算短信 · 15:45
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三菱重工業株式会社とのミッション3に関する打上げ契約 (H3ロケット)締結に関するお知らせその他 · 11:30
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欧州宇宙機関(ESA)との追加契約に関するお知らせその他 · 08:30
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出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。

PEERS

同業他社(輸送用機器・売上高順)

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EDINET DOCUMENTS

提出書類

30
臨時報告書臨時報告書 · S100YYWG
臨時報告書臨時報告書 · S100YV2D
臨時報告書臨時報告書 · S100YM1V
内部統制報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)内部統制報告書 · S100YL6B
確認書確認書 · S100YL6J
有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)有価証券報告書 · 2026-03-31期 · S100YL5W
臨時報告書臨時報告書 · S100XKCA
半期報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)半期報告書 · 2026-03-31期 · S100X4M5
確認書確認書 · S100X4M7
臨時報告書臨時報告書 · S100X4MY
訂正臨時報告書臨時報告書 · S100WWE3
訂正有価証券届出書(参照方式)有価証券届出書 · S100WVGG
訂正有価証券届出書(参照方式)有価証券届出書 · S100WVGJ
訂正臨時報告書臨時報告書 · S100WVGE
有価証券届出書(参照方式)有価証券届出書 · S100WTKL
臨時報告書臨時報告書 · S100WTKD
有価証券届出書(参照方式)有価証券届出書 · S100WTKJ
臨時報告書臨時報告書 · S100WLRW
臨時報告書臨時報告書 · S100WI74
臨時報告書臨時報告書 · S100W8RN
確認書確認書 · S100W6DH
内部統制報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)内部統制報告書 · S100W6DL
有価証券報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)有価証券報告書 · 2025-03-31期 · S100W6DA
臨時報告書臨時報告書 · S100VSOO
臨時報告書臨時報告書 · S100VR75
臨時報告書臨時報告書 · S100VQ32
臨時報告書臨時報告書 · S100V8DT
臨時報告書臨時報告書 · S100V7VW
有価証券届出書(参照方式)有価証券届出書 · S100UY01
臨時報告書臨時報告書 · S100UUU9
i

財務数値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」等をXBRL/CSVから決定論的に抽出した開示値です。各数値はEDINETの原本(PDF / XBRL / CSV)にそのまま遡れます。投資判断は原本をご確認ください。

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